





天性の味覚と笑顔で、フレンチ界に
爽やかな風を吹き込む女性シェフ
【モルソー】 秋元 さくら氏 フレンチ
レシピ本の出版、テレビ番組への出演などで、現在もっとも注目を浴びる女性シェフの素顔は?料理に対する真摯な想いを抱きながら、等身大のスタンスは崩さない――
小さいからこそ強い店をオーガナイズする秋元さくらシェフに迫った。
天性の味覚と笑顔で、フレンチ界に
爽やかな風を吹き込む女性シェフ
レシピ本の出版、テレビ番組への出演などで、現在もっとも注目を浴びる女性シェフの素顔は?料理に対する真摯な想いを抱きながら、等身大のスタンスは崩さない――
小さいからこそ強い店をオーガナイズする秋元さくらシェフに迫った。
――秋元シェフは、キャビンアテンダントから料理人へと“転職”されました。
料理人になるという想いが強かったので、周囲を説得すること以外は、自分の中ではスムーズにシフトできました。ただ、26歳からの遅いスタートでしたので、将来設計はきちんと立てていましたね。「お客さんとカウンターで話をしながら料理を提供できる空間を、20代のうちにつくる」というビジョンはできていて、そのために何をすべきか逆算して考えられたのは、社会人を経験したことも役立っていたと思います。航空会社を辞めて、辻調理師専門学校に入ったのですが、その1年間は、睡眠時間も削って、朝から晩まで料理のことだけを考えていました。パスタや煮込みなどを大皿でドーンと出すような“マンマの味”に憧れていたので、実はイタリア料理をやるつもりだったんですけど。
――イタリアンの方がまだ女性シェフが多いので、仕事している姿をイメージしやすいですよね。
ところが、実際に料理の世界に入ってみたら、デッサンみたいな盛り付けだったり、ロジカルな調理の行程だったり、フランス人のエスプリみたいなものに惹かれてフレンチに気持ちが移っていきました。それと、私はO型でどちらかと言うと大雑把に生きてきたので、料理の世界に入ったら、そういう自分を変えなくちゃいけないと覚悟していたこともあります。なので、苦手だと思うことに対しても、あえてチャレンジする必要を感じていたんですね。楽なことよりも苦しい方を選びたい、それくらいやらなくちゃダメだって。
――いろいろな苦労はあったでしょうが、【モルソー】は今では人気店です。お客様に愛される理由は何だったのでしょうか。
明確なのは、私自身が料理が好きで、人が好きなんです。どちらかが好きな方は多いとは思いますが、両方好きな方は意外と少ないのかもしれません。今私は、お客さんが料理を食べに来てくれて話ができるだけで本当に幸せなので、毎朝眠くても築地に食材を仕入れに行くパワーになっています。その気持ちや行動を感じてくれた方が、常連になっていただいているんだと思います。
――【モルソー】は「フランス家庭料理」と銘打たれていますが、そういったスタンスと繋がっているんですか。
料理としては家庭料理に留まりたくはないですが、料理人の立ち位置としては“家庭料理”であることは大事にしたいと思っています。辻調の外来講師でもあった【AU GAMIN DE TOKIO】の木下シェフは人間的にも尊敬していて、働き始めてからも休みの日に勉強しに店にお邪魔していたんですけど、忘れられない彼の言葉があります。「料理人はどんなに頑張っても、お母さんの愛情満点の料理にはかなわない。技術や食材でカバーするだけで、そこに追いつこうと頑張ることしかできない」とおっしゃっていて、その言葉からも愛情に勝るスパイスはないと実感しました。初めて来たお客様に料理を出すときも、目の前にお父さんやお母さんが座っていると思って、料理を出せるか。そのスタンスを大事にして料理に向き合っていこうと心に誓った瞬間ですね。
――旬の食材によってメニューを変えたり、レシピ本を出版したり、引き出しはかなり豊富ですが、どうやって考案しているのでしょうか。
メインとなる食材を、市場で直接見て「これには、この食材を合わせていきたいな」っていうのを連想していくのですが、食材の組み合わせに関しては、意外性があるとよく言われます。そう言われることが自分では不思議で、同業の方によく訊いていたのですが、どうも私の味覚の根底には、小さな頃によく外で食事をたべていた経験が影響しているようです。あまり母親が料理をつくってくれるタイプではなかったので。そのせいか、例えばどこかのお店にうかがって、完成した一皿を食べたときに、こういう風な組み立てで、シェフはこういうことを考えながらつくったんだろうなってことだったり、新しい食材を手に取って「じゃあ、こうしてみよう」という発想だったりが、パパパッて浮かぶようになったのかもと思うことはあります。
――では最後に、秋元シェフにとって、理想の料理人像はどんなものでしょうか。
例えば、おにぎり一個でもすごく美味しくて感動することはありますよね? それが料理の神髄だと思っています。フレンチの分野で、そういった感覚を表現できるようになることが理想ですね。
撮影(人物)/松井康一郎 文/ヒトサラ編集部(2014.6.18取材)
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