濱崎 龍一 氏
濱崎 龍一 氏

進化し続ける人気のイタリアン

【リストランテ 濱崎】濱崎 龍一イタリアン

東京・南青山の閑静な住宅街にたたずむ隠れ家イタリアン【リストランテ濱崎】。オーナーの濱崎龍一シェフは、20代の頃から脚光を浴び続ける名うての料理人。今なお「人気のレストラン」であり続けられる、その人気の秘訣はどこにあるのか? 気配りと人との関わりを大切にする、濱崎龍一シェフのヨコガオに迫った。

Interview

一期一会の出会いが紡ぐ料理人。早く成功したゆえの努力

人気のレストランでも知られる、東京・南青山のイタリアン【リストランテ濱崎】のオーナー、濱崎龍一シェフは、大阪の調理師専門学校を卒業後に上京。四ツ谷のイタリアンで2年の修業を経て、渋谷の【バスタ・パスタ】に入ったとき、同世代の料理人が活躍していたことに刺激を受けた。奮起して修業を重ねるなかで、濱崎シェフは本場の味が知りたいと思うようになり渡伊。

まずは3か月間を徹底して食べ歩いた。現地で見るもの、味わうものすべてに感動し、イタリアに再び修業に来る覚悟を決める。今度はフィレンツェとマントバ地区で1年強の修業を積み、帰国後は南青山の【リストランテ山崎】で13年料理長をつとめて2001年に独立、【リストランテ濱崎】を青山の地にオープンする。

【リストランテ山崎】のシェフに大抜擢されて以来、常にまとわりついてきた自分への評価。それは濱崎シェフの成長の糧であると同時に、不安やプレッシャーの原因ともなった。「自分が思った以上の評価を受けることで常に危機感を持ち、それに追いつくことに注力して、夢中で走ってきました」と濱崎シェフ。

お客様の「楽しかった」という言葉を受け続けるため、内装は年に1度はなるべく手を入れて新しさを保つ店づくりを心がけ、また、お客様が入店してすぐ挨拶に行く。これは会話からお客様の好みやコンディション、タイミングなどをヒアリングし、味わう料理が極上のものとなるようにとの配慮のあらわれだ。

「いい食材を仕入れておいしい料理をつくるのは当たり前のこと。私たちはそれだけではなく、人と人とのつながりと縁を大切に、【リストランテ濱崎】に関わるすべての人が気持ちよい状態でいられるにはどうしたらよいかを常に考えた店づくりを行っています」と濱崎シェフは語る。

客が選んだ定番料理『ウズラのグリル ハチミツとバルサミコ風味 ニンジンのスフレ添え』

旬の新鮮な食材にこだわる、鹿児島出身の濱崎シェフは、煮込みや鶏料理をつくる際、濃密な味わいを追求することがある。それを象徴するのが、定番料理の『ウズラのグリル ハチミツとバルサミコ風味 ニンジンのスフレ添え』だ。

メインの食材であるウズラは国産。仏産のウズラも手に入れることはできるが、濱崎シェフは「生産者の顔が見える新鮮な食材が、翌日にすぐ届く」という鮮度にこだわり、国産の名産地である埼玉県から仕入れた。

そんな国産のウズラ肉にハーブとバルサミコ、ハチミツを揉み込み、最低4時間半は漬け込んで味をなじませる。その後、塩・胡椒をして炭火で程よく焼きあげ、ニンジンのスフレとサラダを添えた、華やかな逸品だ。

塩や胡椒だけでなく、から揚げのようにしっかりと下味をつけたウズラの料理がつくりたいと考えたときに浮かんだバルサミコビネガー。コクと甘みがあり、酢に漬け込むことで肉を柔らかくしてくれる、このバルサミコビネガーを、ハーブやハチミツと混ぜ合わせて使うのである。

香ばしさのなかにもフワフワとした柔らかさがあり、一口噛むとバルサミコの甘みや酸味、ジューシーな肉汁が口いっぱいに広がる。付け合せのニンジンのスフレと、しっかりめに味付けしたウズラ肉とのバランスも秀逸だ。

【リストランテ山崎】に在籍していた頃からの定番メニューで、「おいしいから」とつくるうちに、この料理をリクエストする常連客が増え、必然的に定番料理になったという、客に選ばれたスペシャリテ。一期一会を大切にする濱崎シェフの料理は、人から人、味から味へと料理を基盤に人のつながりによって生み出されていく。

シェフの記憶に残るシェフ
~イタリア料理に触れるきっかけをくれた天才肌の料理人~

濱崎シェフがこれまでの料理人経験のなかで、影響を受けた、1人の料理人と、1つのファミリーがある。まずは、大阪の調理師学校を卒業し四ツ谷のイタリアンで2年の修業をしたのちに入った【バスタ・パスタ】で出会った、山田宏巳シェフだ。濱崎シェフは、山田シェフの下で料理の技術だけでなく、料理人としての姿勢など様々なことを学び、自らも研鑽を重ねた。この時の出会いが自分を料理人として目覚めさせてくれたのだと語る。

また、その後に渡伊した際、修業先であるマントバ【ダル・ペスカトーレ】のオーナー、サンティーニ家に住み込みでお世話になった。この家族経営のレストランで、濱崎シェフは「レストランとはどうあるべきか」ということを身を持って教えられた。店内に花を飾ったり、内装をキレイに保つといった心がけも、この時に学んだことがベースになっているといえるだろう。

山田シェフの下に付き、当時活躍していた著名な料理人や、イタリアンの世界で頑張っている同世代の料理人たちを見ながら奮起し、イタリアへ渡った濱崎シェフ。この時期に学んだことを大切に、今後も新しい料理を生み出していきたいと抱負を語った。

撮影/大鶴 倫宣 文/ヒトサラ編集部

シェフの裏ワザ

「おつまみに最適! パルメザンチーズのクロカンテ」

イタリアでは気軽なスナックとして好まれているクロカンテ。スナック感覚で食べられるので、食前酒やワインと合わせたり、サラダのトッピングに飾ってもおいしい。

(1)麺棒にアルミホイルを巻き、パルメザンチーズを用意しておく。
(2)テフロンのフライパンを熱し、その上にパルメザンチーズ大さじ1をスプーンでおとしてサッと広げて中火にかける。
(3)チーズが溶けて油が浮き、ポクポクしてきたらキッチンペーパーで油をふき取り、箸でゆっくりとフライパンから引きはがす。
(4)素早くアルミを巻いた棒にのせ、冷まして飾れば完成!

<ポイント>
※チーズをフライパンに落とし、ほうきで掃くようにさっさとはらうように広げるのがコツ。

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