岡本 英嗣 氏
岡本 英嗣 氏

オープンからわずか5ヶ月で
2つ星を獲得した日本料理の新星

【おかもと】岡本 英嗣日本料理

東京・銀座に開店してからわずか5ヶ月足らずで2つ星を獲得し、その後、神谷町へ移転した実力店【おかもと】。カウンター越しに匠の美しい手さばきを眺めながら贅沢に日本料理を堪能できる。「今」に飽き足りることなく、次のステージを目指し続ける岡本氏のヨコガオからは、食に対する真摯な姿勢を感じた。

Interview

新たなるステージを目指して、進化し続ける日本料理

自分自身の料理を目指して食べに来てほしい──そう言い切る岡本氏の言葉からは、一寸の迷いも感じられない。それもそのはず。2012年7月に店を開けてからわずか5ヶ月足らずで、ミシュラン2つ星を獲得した実力店、それがここ【おかもと】である。

岡本氏が見よう見まねで料理を始めたのが小学生の頃。「母親の料理する姿を見るのが楽しかったから」と動機はシンプルなもの。自分のつくったみそ汁を両親に食べてもらって、初めて「おいしい」と言われた時に快感を覚え、そこからごく自然の流れとして料理人の道へと進んだという。

中学校を卒業してすぐ、地元岡山の高級料亭【日本料理セラヴィ】にて9年間、料理のいろはから料理人としての心得にいたるまで、基礎をみっちりと学んだ。その後、京都へと移り、老舗料亭【和久傳】で5年、そしてミシュラン三つ星の名店【麻布幸村】で9年の研鑽を経て、満を持して【おかもと】を開いた。

岡本氏の料理は、各店で修得してきたことをベースとして、それを自分なりにアレンジしていくというスタイル。すでに完成されている料理も、一度崩したらどうなるかを考えるという。バラバラにした食材を、別のパターンで組み換え、また新たな料理を生み出していくのだ。

「どうしたら美味しくなるかを、常に考えている。そうすると引き出しが増え、料理の幅が広がる。引き出しがなければ美味しい料理なんてできない」。

「今」に飽き足りることなく、常にひとつ上を目指す岡本氏の食に対する真摯な姿勢が形となったこの店。よりよいものを求めて進化し、それを提供し続ける【おかもと】の次なるステージが楽しみで仕方ない。

匠が生み出す妙なる逸品
『舞茸と甘鯛のおかき揚げ かぶらのあんかけ』

【おかもと】が供するのは、おまかせの1コースのみ。今の時期に味わえるお勧めの一皿は、『舞茸と甘鯛のおかき揚げ かぶらのあんかけ』。大自然で育った大振りの上州舞茸を甘鯛で巻いて、塩抜きのおかきを付け、油で揚げて蒸した一品。おかきが剥がれないように表面だけさっと揚げる。それを蒸すことによって、おかき本来のもちもちっとした食感が生まれるという。

──天然ものの舞茸の豊かな香り、そして揚げた餅のような香りがあたりに漂い、食べる前から期待に胸がふくらむ。

「上品に食べるとおいしさが半減するんです。ダイナミックに崩して、一気に食べるのが蒸し物の食べ方」と岡本氏が言う通りに、ざっと崩して豪快に口に運んでみた。
とろっとしたおかきと、ほくほくの甘鯛、そしてさっくりとした歯ごたえの舞茸の食感が三位一体となって見事に調和し、最後に舞茸の香りが鼻からすっと抜けた。

丁寧かつ丹精を尽くした岡本氏の料理は、すべてが絶妙なる塩梅に組み立てられた逸品に仕上げられている。

記憶に残る料理人
~大切な基礎を学んだ料理長~

岡本氏が最も影響を受けた料理人は、16才でこの世界に飛び込んだ時に、一から基礎を学んだ【日本料理セラヴィ】の料理長 奥田氏。「この人の料理を習いたい」と思い、入店したという。

「今は穏やかになりましたが、当時はとても厳しかった。教えられた通りに出来なかった時は、包丁の柄で殴られました」。そんな厳しい修業時代には辛くて辞めようと思ったこともあったと、過去を振り返る。「単純なことが、とても大切なことだと教えていただきました」。

岡本氏が次につなげる為の基礎を教わった奥田料理長。【おかもと】を語るには欠かすことのできない人物である。

撮影/大鶴 倫宣 文/ヒトサラ編集部

シェフの裏ワザ

「きのこをおいしく保存する方法」

買ってきたきのこを保存する際、そのまま冷蔵庫に入れている人が多いのではないだろうか。今回、岡本氏に教わった、きのこをおいしく保存するウラワザ。実は、一度洗って乾燥させ、そしてそのまま冷蔵庫には入れずに、出しっぱなしにしておくのがおいしさを引き出す秘訣なのだそう。生の状態ではなく、干すことで旨みが増した“干ししいたけ”がその例で、乾燥させると旨みが凝縮し、香りも倍増するのだ。

おかもと

電話番号:03-6432-0414
住所:東京都港区虎ノ門5-2-8 サクシード虎ノ門 B1F
平均予算:ディナー 20,000~29,999円、ランチ 10,000~14,999円
営業:ディナー 18:00~23:00(L.O.21:00)、ランチ 12:00~14:00(※ランチは火・木・土のみ完全予約制)
定休日:不定休

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