香り高き「天然鮎」 香り高き「天然鮎」 香り高き「天然鮎」

香り高き天然鮎

夏の訪れを告げる「鮎」。川底の苔を食べて育つため独特の風味が漂い、香気を帯びることから、“香魚”(コウギョ)とも呼ばれています。今回はそんな鮎の魅力がもっとも感じられる、囲炉裏で焼いた「天然鮎の塩焼き」をご紹介します。

熊本・川辺川の良質な苔で育った天然の若鮎を、
囲炉裏でじっくりと焼き上げた『鮎の塩焼き』

【たでの葉】東京・外苑前

父が獲った天然の鮎を、料理人の息子が調理する。鮎への想いに溢れたお店

 おしゃれな店が建ち並ぶ外苑西通りに位置する、炉端焼きの店【たでの葉】。店主の小鶴清史さんは、父・隆一郎さんが獲った熊本・川辺川の「天然鮎」をコース料理で提供しています。

懐かしさ漂う店内は、囲炉裏を囲むように14席のカウンターを配置。夏は鮎を、冬はジビエを提供しています

 育つ川によって、味も香りも異なる鮎。川辺川は、熊本県南部を貫流する日本三大急流・球磨川の最大の支流であり、“日本一の清流”とも称される一級河川です。

熊本・川辺川から直送された、新鮮な鮎を使用。この日は7月上旬、鮎の漁が解禁して間もない若鮎です

そんな清らかな川の良質な苔を食べて育つ鮎は、姿、味、香りの三拍子が揃っています。恵まれた環境から、20センチから、時に30センチを超える「尺鮎」が獲れることも珍しくありません。

『天然鮎の塩焼き』

コース料理のメインを飾る、『天然鮎の塩焼き』。そのままで、もしくは蓼酢をつけていただきます

 鮎は塩焼きにして頭からかぶりつき、ほくほくとした身と、ほんのり漂う心地よい内臓の苦みを一緒に味わうのが醍醐味。

鮎特有の躍動感が出るようのぼり串にし、丸みのあるフランス産・ゲランド塩を腹部分にまんべんなく振ります。頭から中骨まで丸ごと食べられるよう、囲炉裏に刺して強火の遠火で40~50分間じっくりと焼き上げていきます。

ジビエの名店【またぎ】で修行し、炉端焼きの技術を習得。内臓の水分を抜きつつ、身の水分は残す絶妙なタイミングを見極めます

 かぶりつくと、カリッと軽やかに焼きあがった頭は舌触りがよく、苦味も少ない。食べ進めるとふっくら瑞々しい身の旨味と、少し苦味はあるがどこかスッキリとした内臓の味わいとが混ざりあい、バランスも絶妙です。

『鮎の刺身』

「背越し」と「三枚おろし」の2種が楽しめる『鮎の刺身』。横には、おろし生姜と自家製の肝醤油

 コース序盤の『鮎の刺身』には、15〜16センチくらいの大きさがもっとも適しており、1人前に2匹使用します。頭・ヒレ・腹わたを取り、中骨ごとぶつ切りにした「背越し」は、皮の香りや骨のコリコリとした食感が広がります。その横には皮をはいだ三枚おろしも添えられ、2種の食べ方で楽しめるのもうれしいところ。

『鮎の雑炊』

薄口醤油で味付けした鮎のエキスたっぷりのお出汁に、米とほぐし鮎を乗せた『鮎の雑炊』

 〆は焼いた落ち鮎を使った『鮎の雑炊』。若鮎や夏鮎にはない独特な香りや甘みに、成熟した旨味が加わった味わい深い雑炊でコース料理を締めくくります。

 この日の塩焼きには若鮎が供されましたが、夏が終わる頃には30センチにも及ぶ大きな「尺鮎」がお店に並びます。若鮎なら7月から8月にかけて、店主自慢の川辺川の尺鮎を味わうなら8月から9月にかけてが狙い目です。

素材へのこだわり

川辺川の「天然鮎」に魅せられ、他の鮎は一切使用しないほどの徹底ぶり

熊本・川辺川のきれいな川で育った天然鮎は、透明感のある旨さが魅力です。サイズも大きく、尺鮎は30センチを超える程にまで成長します。初夏の出始めの若鮎から、秋頃に出回る子持ち鮎まで、成長により味わい深さが変わるのも魅力の一つです。

撮影/今井裕治 文/シマアキコ(ヒトサラ編集部)

全国のおいしい料理が
味わえるお店

鹿児島・霧島の天候川産の鮎を使用した『鮎づくしコース』

『鮎の背ごし』や『鮎の塩焼き』、『鮎の天ぷら』、『鮎めし』に加え、『鮎の焼干汁仕立て』など、鮎を丸ごと味わい尽くせる全9品が揃います
東京・神田

神田あじぐらなまこ屋

03-3256-7098

山里の野趣と都の風雅を併せ持つ「摘草料理」の名店の『焼物』

主人自ら野山に入り集めた野趣にあふれる自然の恵みが味わえる店。脇を流れる桂川で獲れた鮎を、豪快かつ丁寧に炭火で焼いた夏の絶品
京都・出町柳

美山荘

075-746-0231

常に創作し続けるシェフが、毎年提供するスペシャリテ『鮎とショコラ』

鮎は骨・肝まで丸ごと使用しており、肝の苦さとカカオマスのほろ苦さ、チョコレートの濃厚さが鮎のおいしさを一層引き立てます
兵庫・芦屋

KOSHIMO PLUS

0797-25-0040

岐阜県の名鮎を炭火で丁寧に仕上げた、『天然鮎 塩焼き』

「和良鮎」や「馬瀬鮎」、「郡上鮎」など岐阜県下の名川で獲れる天然鮎を使用。丁寧な下処理で美しく美味しく仕上げた逸品です
岐阜・瑞浪

御料理 柳家

0572-65-2102

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