至福の逸品~dish stories~ vol.17

自然の甘さと深い味わいに感動「フルーツトマトの冷製カッペリーニ」~リストランテ ホンダ~

夏野菜といえば「トマト」。ビタミンが豊富で体を冷やすことから、夏の暑い時期に食べるのがよいとされてきた。最近では品種の改良が進み、昔ながらの青臭いトマトからプチトマト、甘みの強いフルーツトマトなど、たくさんの種類が出回っている。トマトに含まれる成分は健康や美容によいことから、最近ではダイエットや化粧品に使われるほど。今回は豊富な種類のなかから、特に代表的な2種のトマトを使った冷製パスタをご紹介。

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撮影/岡本 裕介

繊維質に優れ、美容と健康によい「トマト」

南アメリカのペルーやエクアドルが原産地のトマトは、ナス科ナス属の多年草植物で、色はピンク系・赤系・緑系の3つに大別することができる。日本で一般的とされているのはピンク系のトマトで、赤系は加工用とされていた。しかし、昨今、赤系のトマトにはリコピンという抗酸化作用を持つとされている成分が多く含まれていることから、注目が集まっている。また、トマトの大きさも大玉、ミニ、中玉とあり、それぞれ重さによって、サイズが決められるようになっている。

高温多湿の日本では栽培が難しかったトマトも、品種改良によって多く普及させることができるようになった。一般的にトマトの旬は6月から8月。食物繊維やビタミンA、Cが多く含まれ、キュウリなどと同様に体を冷やす「寒の野菜」であることから、夏の暑さにはトマトがよいという説もある。昨今、がんの予防やダイエット、肌の酸化を防ぐ成分であるリコピンが注目されたことから、トマトに対する関心も一気に高まった。

同じフルーツトマトでも、種類によって味わいが少しずつ異なる。ヘタの下まで赤くなっているものが熟した美味しいものだという。写真左がファーストトマト、右が桃太郎だ。

トマトの種類と味わいの違い

かつては独特の酸味と青臭さの残っている大玉のトマトが一般的だったが、今では改良が進み、その種類は増え続けている。特に最近は甘みが強く、酸味の少ない種類のトマトが好まれている。完熟の食べ頃を迎えたフルーツトマトは、まるで砂糖でもかけているのかと思うほど。その味わいはすでにフルーツの域といっても過言ではない。

そんな至福のトマト2種を使いこなしてつくる料理が味わえるのが、東京・北青山にある、【リストランテ ホンダ】。収穫時期によって異なる種類のトマトを使い分け、それらの味わいが最も生かされる料理をつくり提供している。今回紹介するのは、『徳島産 フルーツトマトの冷製カッペリーニ 水牛のモッツァレラチーズを添えて』。産地も味わいも異なる2種のトマトを使った、素材本来の旨みが凝縮されたトマトの冷製パスタである。

2種のフルーツトマトを使い、一つはソースとしてクーリー、もう一つはトマトそのものを味わっていただくために飾りにと、それぞれに調理をして、最後に重ね合わせる。

『徳島産 フルーツトマトの冷製カッペリーニ 水牛のモッツァレラチーズを添えて』

徳島産のトマト桃太郎で作ったフレッシュなクーリーの水分を抜き、より濃厚なソースをつくって極細パスタのカッペリーニと和える。それとは別に、高知産のファーストトマトを、モッツァレラチーズとともに飾り付け、最後にオリーブオイルを少量加えて素材の旨みを引き出す。フレンチとイタリアンの両技術を身に着けている本多シェフならではの調理法で、それぞれの持ち味が生きている。

飾られたトマトを食べた途端、口いっぱいに広がる甘みに驚き、カッペリーニに絡みついた濃厚なトマトの深い味わいに思わず顔がほころぶ。トマトは季節によって甘味や酸味が変わってくるため、トマトのクーリーがガスパッチョに変わるなど、時期ごとに料理も変化する。栄養価も高く、味も濃厚な旬の食材トマト。その底力を知り尽くした本多シェフのトマト料理で旬の滋味を存分に味わいたい。

驚くほどに甘いトマトと、フレッシュなモッツァレラチーズ、バジルとのハーモニーを楽しんだ後は、クーリ―(裏ごし)したトマトを絡めたカッペリーニに舌鼓。

常連客が勧める逸品 ~稚鮎のアニョロッティ~

常連客が勧める逸品 ~稚鮎のアニョロッティ~

稚鮎のアニョロッティ(コースの一品)
鮎を丸ごとワインと白ポルト酒で骨まで柔らかくなるほど煮込んでペースト状にし、パルメザンチーズを混ぜたものをアニョロッティ(パスタ)に詰め、サマートリュフとアーモンド、稚鮎のフリットを添えた、初夏の定番料理。濃厚かつ鮎独特のほろ苦さが大人の味わいを醸している。

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季節の一品 ~初鰹と春ナスのカルパッチョ 生姜と白バルサミコ~

季節の一品 ~初鰹と春ナスのカルパッチョ 生姜と白バルサミコ~

初鰹と春ナスのカルパッチョ 生姜と白バルサミコ (コースの一品)
旨みを引き出すために鮎の魚醤で下味をつけた初鰹に、サッと揚げて皮をむいた春ナス、オレンジで煮たヤングコーンを、生姜と白バルサミコ、オリーブオイルで和え、フライドガーリックや紫蘇の実を飾った、彩りも鮮やかな季節の一品。

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このページで紹介したお店

リストランテ ホンダ

リストランテ ホンダ 【東京・北青山】

【営業時間】
ランチ   12:00~14:00(LO)
 
ディナー 18:00~22:00(LO)
【定休日】
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌火曜日)
【TEL】
03-5414-3723

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編集後記

会社から徒歩3分の場所にある、【リストランテ ホンダ】。メインストリートを右に少しはいったすぐのところにある隠れ家レストランだ。店内はとてもシンプルで飾などもなく、一枚の絵が飾られているだけ。そこには「絵はお客様であり、料理もまた絵のひとつである」(お店にお客様がいれば店内は賑やかな雰囲気で彩られ、料理はお客様に感動と幸せを感じてもらう絵のようなもの)という本多シェフの持論が隠されている。美味しい料理をつくるためには、新鮮な旬の素材をいかに手に入れるかが勝負。取材の日にいただいたトマトのパスタは、まさにそれを物語る一皿だったといえる。「素材ありき」で時代に流されない本質的な味を追求した料理、夜に改めて味わいたいと思った。

リストランテ ホンダ

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