ふわとろ卵が決め手親子丼
鶏の産卵量が減る冬から春は、母体の中で卵が成熟する期間が長くなるため、栄養価が高く、もっとも美味しくなると言われています。そんな卵の旨味と鶏のコクとのハーモニーを堪能できる、人形町【玉ひで】、外神田【鳥つね自然洞】、赤坂【赤坂 ざんまい】の「極上の親子丼」をご紹介します。
鶏の産卵量が減る冬から春は、母体の中で卵が成熟する期間が長くなるため、栄養価が高く、もっとも美味しくなると言われています。そんな卵の旨味と鶏のコクとのハーモニーを堪能できる、人形町【玉ひで】、外神田【鳥つね自然洞】、赤坂【赤坂 ざんまい】の「極上の親子丼」をご紹介します。
【玉ひで】東京・日本橋
1760年(宝暦10年)創業。将軍家の御前で、鷹がとらえた鶴を捌く「御鷹匠」を務めた初代が開いた、鳥すき(軍鶏)専門店が【玉ひで】の始まり。
名物『鳥すき』の割下に卵を溶いてつくる親子丼を同店が考案したのは、明治24年のこと。当時は斬新だったスタイルが現在では定番となり、老若男女に愛され続けています。
「親子丼は、卵と鶏肉の味をそのまま感じられる料理です」と8代目の山田耕之亮さん。シンプルだからこそ、素材の質が味を左右します。秘伝の割下は、醤油の風味と本みりんの芳香を効かせた江戸らしい仕上がりで、砂糖や酒は一切使っていません。その割下に、筋肉質で力強い味わいの東京軍鶏を投入。鶏肉から溢れでる旨味を卵にとじ込めることで、至高の味が完成します。
朱色の丼に広がる、黄金色がなんとも鮮やか。卵が鶏肉を“ふわり”と包み込んでいるため、舌の上で旨味がとろけ出します。歴史に想いを馳せながら、本物の味をご堪能ください。
【鳥つね自然洞】東京・末広町
「卵の旨味って、黄身で決まるんですよ」。そう語るのは、東京・末広町にある鶏料理専門店【鳥つね自然洞】の店主、佐々木さん。同店が提供するのは、トロトロの半熟卵が魅力の親子丼です。とくに1日限定20食の『特上親子丼』は、毎日売り切れてしまうほどの人気メニュー。
使用するのは、日本三大地鶏のうちの2つ、秋田の比内地鶏と名古屋コーチン。出汁は一切加えずに、醤油、みりん、水、それにほんの少しの砂糖を加えた、当店特製の割り下で煮込みます。
要の卵は、色鮮やかで濃厚な兵庫県産の「日本一こだわり卵」を贅沢に3個使っており、ひと口頬張ればその黄身の濃厚さに驚かされます。「卵はかき混ぜてしまうと黄身の味が薄まってしまう。溶きすぎないのが一番」と佐々木さん。50秒ほど火入れをしてすぐにどんぶりに盛るため、半熟でトロトロの卵がのった、鳥つねの親子丼ができ上がるのです。
濃厚な卵の旨味、地鶏のコク、割り下の染み込んだ米。それぞれの味が立った3つの素材を1つの丼で堪能できる『特上親子丼』は、一度食せばやみつきになること間違いなしです。
【赤坂 ざんまい】東京・赤坂
冬から春にかけての卵は、栄養価も高く、味も濃い。産卵の量が減り、卵が母体にいる期間が長くなるからだと言われています。そう、今の季節はまさに卵の“旬”なのです。
【赤坂
ざんまい】で使用する卵は、開店当初から使い続けているという「日本一こだわり卵」。卵臭さがなく、黄身が驚くほど鮮やかなオレンジ色で甘みも強い。味がしっかりしているため、割り下との相性も良いのです。
「親子丼は、レベルの高い料理ですよ。はっきり言って難しいです。」そう料理長が話す理由が、この卵の扱い方に隠されていました。卵は、混ぜすぎるとコシがなくなり、ふわふわになりすぎてしまう。コシを抜かないよう混ぜ合わせ、沸騰して勢いのある所から丁寧に鍋に注ぎ入れます。それからは、ほとんど鍋の中をさわらないといいます。鍋をゆすって、卵の揺れ方で仕上がりを判断し、火の入りの悪い部分だけスプーンですくって調整するのです。
表面がほどよく揺れる絶妙なタイミングで火からおろされた卵は、地鶏の旨みが染み出た命の割り下を吸い、黄金に輝いています。その洗練された確かな手捌きに「さほど語ることはしていない」と言う料理長の技を感じます。
ランチではメインとして。夜は数々の絶品料理と、季節ごとに仕入れられる日本酒を楽しんだ後の〆として、数人でシェアしていただくのが【赤坂 ざんまい】の愛情たっぷりの親子丼の楽しみ方です。
PICK UP
パプリカやししとうなどの唐辛子類が旬を迎え、ビールのお供、枝豆も欠かせません。トビウオやスズキ、シマアジも収穫期。
秋の味覚の王様、松茸が店頭に並びます。サンマの水揚げがはじまり、たっぷりと脂がのった戻り鰹の季節です。
収穫の秋、里芋類やカボチャなどがおいしくなる季節です。サンマに脂がのり、イワシやニシン、イカがなども旬を迎えます。
ズワイガニ漁、サクラエビの秋漁、さらに山の幸ジビエの狩猟が解禁。サツマイモやカボチャなどの甘味もピークです。
鍋に最適な冬野菜の白菜や大根、春菊がおいしい季節です。海の幸もカキやホタテが旬を迎え、魚は脂がのって旨味が増します。
年が明け、旬を迎える魚が一年で最も多いのがこの時期。アマダイやアカムツ、イカやアカガイが出まわります。
ホタテやタラ、あんこうなど鍋に入れたい魚が豊富。蕾菜やアスパラ菜などが花芽を伸ばし、春の訪れはすぐそこです。
富山のホタルイカ漁が解禁。あさりや蛤などもおいしく、潮干狩りのシーズンを迎えます。山菜が出始めるのもこの頃。
アスパラガスやたけのこが出まわり、新タマネギや新ジャガイモの収穫も始まります。真鯛や鰆も獲れ、春到来です。
初鰹が最盛期を迎えます。野菜は、絹さややスナップエンドウなどの豆類がおいしい季節となります。
キュウリやピーマン、空芯菜やつる紫などの夏野菜が出始めます。海の幸は鮎やキス、トビウオ、マアジが旬を迎えます。
スズキやトビウオ、真アジに加え、鮎やハモも旬真っ盛り。茄子やズッキーニ、ゴーヤーなどの夏野菜が食卓を彩ります。