1. ヒトサラトップ >
  2. 旬味への誘い >
  3. めでたさの象徴「鯛」 多彩な料理で味わい尽くす

旬味への誘い

めでたさの象徴「鯛」
 多彩な料理で
   味わい尽くす

「めでたい(鯛)」縁起ものとして食膳を飾る「鯛」。この喜ばしい魚は春に旬を迎えます。食材としても“万能”で、刺身や煮物、蒸し物、鍋物など、多彩な料理でその魅力を発揮します。今回は都内人気店が提供する『鯛めし』、『甘鯛のウロコ焼き』、『真鯛のカマのフリット』の3品をご紹介。春の訪れを感じさせる「鯛」の滋味を存分に噛みしめてみましょう。

鯛めし

鯛の魅力を最大限に引き出す『鯛めし』で
春の芳香と旨味をほっこりと噛みしめる
四季折々を旬の食材で表現する
「和」の隠れ家【麻布 秀】

 旬の素材の旨さは、シンプルな調理法で堪能するのが贅沢というもの。鯛料理の王道といえる『鯛めし』は、鯛を丸ごと入れた炊き込みご飯。鯛と米は、互いの良さを引き出し合い、格を一段引き上げる組み合わせです。一粒一粒にうつった鯛の旨味が口中に広がる幸せを、ゆっくり噛みしめるのがこの料理の楽しみ方。
 【麻布 秀】は旬の食材の良さを引き出す和食店。板長の小菅安則さんが語る『鯛めし』の一番のこだわりは「いい鯛といいお米を使うこと」。兵庫県淡路から仕入れる桜鯛に、新潟県産のコシヒカリ。極上の食材が揃ったら、あとはご飯を炊くのみ。とはいえ、シンプルな料理こそ和食の命である出汁が決め手に。
 板長は出汁づくりに試行錯誤を繰り返し、繊細な味付けを料理ごとに施しています。『鯛めし』を炊く際は鯛のアラとカツオ節から出汁をとり、少しの醤油を加えて味を調整。鯛は最初に焼き上げることで香ばしさを纏い、旨味に奥行きが出ます。
 つくり置きは一切せず、オーダーが入ってから調理を開始。30分ほどで完成すると、料理人が客席へ土鍋を運びます。蓋を開ける瞬間こそ『鯛めし』の“見せ 場”。炊きあがったご飯が湯気と芳香を振りまき、高揚感を煽ります。料理人が骨を抜き、ふっくらとした身とご飯を混ぜた状態でテーブル席に再び登場。春の 訪れをほっこりと噛み締めてみましょうか。

chef-photo

小菅 安則 氏
出汁に使う食材には特に気を配っています。「昆布」は、北海道産の日高昆布、「かつお節」は、鹿児島県・枕崎産の本枯れ節、塩は沖縄の深海塩を使用しています。

小菅 安則 氏の情報を見る
撮影/永友 啓美
文/ヒトサラ編集部
  • main-photo

    季節の移ろいを五感で感じられる『季節の炊き込み御飯』。冬は蟹、夏は玉蜀黍など、四季折々の食材を使用。『鯛めし』は春先の2か月のみ味わえる。「米には米」という料理長の言葉通り、日本酒を合わせるのも粋

  • sub-photo

    通年で提供される「おでん」の人気メニューが『トマトと豚バラ』。5種類の削り節からとった出汁の味わいが秀逸

  • sub-photo

    『鯛めし』には木の芽を添えて。「木の芽の香りは春の香り。和食の定義です」。余った御飯はお土産にできる

shop-photo 麻布 秀

☎お問い合わせ専用番号:03-5444-6585

住所:東京都港区麻布十番2-12-8 武田ビル
営業:18:00〜00:00 (L.O.23:00)
休日:不定休
お店の詳細情報を見る

甘鯛のウロコ焼き

甘鯛の美味しさは香ばしいウロコにあり
鯛のポテンシャルが、こんがりと花開く
鮮魚を用いたスペシャリテが真骨頂
広尾のフレンチ【レストラン オカダ】

 日本ならではの食材にフランスの技を加えたこの魅力に出会えるのが【レストラン オカダ】の『山口県萩から届いたアマダイのウロコ焼き 魚介のエキスとハーブのソース』。メニュー名からどんな料理かというイメージはつきますが、「食べたことがない」という声も多く聞こえる「ウロコ焼き」。ウロコがついたままこんがりと焼き 上げるこの料理は、もとはフランスにはない、「若狭焼き」とも言われる和食の調理法です。なぜ、概ねほかの魚では「ウロコ焼き」にできないのか。理由はウ ロコの柔らかさにあります。甘鯛の繊細なウロコだからこそ、このスペシャリテが成り立ちます。
 たっぷりめのオリーブオイルで、シェフの岡田宏さん曰く、「揚げる」と「焼く」の中間でじっくりと火を入れます。こうすることで「シンプルですが、魚の旨味を最大限に生かせます」。仕上げに、鯛のアラでとった旨みたっぷりの出汁にバター、 フレッシュハーブを加えて焼くのがオカダ流。「フランスから友人のシェフが来たときにも、自信をもって提供できるメニューです」。
 味わってほしいのは当然、焼きたての美味しさ。パリパリに焼けたウロコの香ばしい食感と、ふっくらと柔らかい白身の優しい甘さ。異なる食感を、ソースが ひとつにまとめます。上からオイルをかけて開いたウロコは花が咲いたような華麗な見た目に。皮、ウロコ、身と余すところなく鯛の旨さを噛みしめれば、食材として の鯛のポテンシャルを再評価できるはずです。

chef-photo

岡田 宏 氏
香り高い季節のフルーツを使ったパフェやシャーベット、焼き菓子などデザートも支持を得ています。前菜からデザートまで、ワインとともにゆっくりと堪能してください。

岡田 宏 氏の情報を見る
撮影/佐藤 顕子
文/ヒトサラ編集部
  • main-photo

    甘鯛は水分が多く、鮮度が命。仕入れは甘鯛の産地として代表的な山口県萩から。シェフが4年半のフランス修業で学んだ「現代のビストロ料理」をベースにした、国内外から旬の食材が集まる東京ならではの絶品フレンチ

  • sub-photo

    佐賀県産のイタリア米を牛乳で炊いた『リオレ』は店の看板デザート。キャラメリゼしたナッツがまた美味

  • sub-photo

    本場ワイナリーで2年半ワイン造りに従事した経験を持つ岡田シェフ。取り揃えるワインリストはフランス産が7割

shop-photo レストラン オカダ

☎お問い合わせ専用番号:03-5475-1522

住所:東京都渋谷区広尾5−17−11アーパス広尾1F
営業:火〜金18:00〜25:00(L.O.24:00)
   土 22:00(L.O.24:00)
   日 21:00(L.O. 23:00)
ランチ 土日12:00〜15:30
休日:月
お店の詳細情報を見る

真鯛のカマのフリット

イタリアン、フレンチの技を持つシェフの答えは、
良い真鯛なら無駄を省いて“揚げるだけ”
ジャンル横断で天衣無縫の業が光る
隠れ家イタリアン【IL BAFFONE】

 恵比寿の隠れ家イタリアンとして知られる【IL BAFFONE】。フレンチ、その後イタリアンと渡り歩いたオーナーシェフ関山博之さんによる、食材を生かすことを前提に、ジャンルを横断した変幻自在の料理が楽しめる店です。
 それでは、フレンチとイタリアンの技法を持つ関山さんなら、旬の「真鯛」をどう調理するのか。その質問に対し関山さんは「良い鯛なら、揚げるだけだよ」と闊達に笑います。
 今回、紹介する『天然真鯛のカマのフリット』は、関山さんの言葉を借りれば、文字通り「揚げるだけ」。一方で、シンプルな料理だからこそ、その食材選び、調理法に料理人としての“格”も滲む、難しい料理です。
 水気をとった新鮮な真鯛のカマに自然塩をまぶすと、あとは通常のフリットと同様の手順。揚げ時間はおよそ5分前後。“およそ”の理由は、その日の食材のコンディションや気温、湿度などを考慮しつつ「泡の出かたや音」で若干、前後するから。つまるところ、料理人の勘がものを言うのです。
 目の前に供された料理にナイフを入れると鼻孔をくすぐる真鯛の仄かな甘い香り。口中に含むとフリット特有のサクサクとした軽い口当たりに、ホクホクした真鯛の甘みが広がります。
 関山シェフが大事にするのは手数ではなく、食材、真鯛への愛情。この料理をシンプル過ぎるのでは、と感じる人もいるかもしれませんが、美味しいこそ正義。だからこそ、強気のフリットなのです。

chef-photo

関山 博之 氏
もとはロックバーのマスターに憧れ、料理の世界に足を踏み入れたのですが、今はイタリアンを経営しています。ですから、せめて一部でも自分の夢を叶えられるよう、店内は大好きなLPを飾り、BGMに70年代のアメリカンロックを採用しています。

関山 博之 氏の情報を見る
撮影/中込 涼
文/ヒトサラ編集部
  • main-photo

    今回の「真鯛」は愛媛県の佐田岬から仕入れたもの。カマの大きさに応じてその数や、サラダの量を調整。ベビーリーフ、紅芯大根、紅しぐれ大根が入ったサラダはさっぱりとした味わい

  • sub-photo

    同じく旬を迎えたホワイトアスパラを濃厚なソースとともに楽しむ『フランス産ホワイトアスパラのビスマルク風』

  • sub-photo

    店の看板メニュー『岩手県産短角牛ロースの炭火焼き』は噛むほどに口中にジューシーな旨味が広がります

shop-photo IL BAFFONE

☎お問い合わせ専用番号:050-5263-0633

住所:東京都渋谷区恵比寿4-19-7
営業:【平日・土】
   ディナー 18:00〜23:00 (L.O.22:00)
   【火〜土】
   ランチ 11:30〜15:00 (L.O.14:00)
休日:日曜日・祝日 ※平日月曜日のランチは休み。
お店の詳細情報を見る

旬カレンダー