旬味への誘い

和で良し、洋も良し
実りの季節、秋に
「米」の可能性を探る

食材が一斉に旬を迎え、食膳が華やかに彩る秋。この時期、日本人が決して無視できない食材「米」も旬を迎えます。
銀シャリに例えられる白ごはんで、米のふくよかな甘い香りを楽しむのも良いですが、今回は旬を迎えた海のもの、山のものをメインに引き立てつつ、美味しい米をさらに“おいしく”食べられる料理をご紹介します。
国産米を使った絶品の3皿のなかで時にいぶし銀の役割を果たす、米の食材としての懐の深さをご堪能ください。

たまごかけご飯

「かける」「からめる」だけのシンプルな調理にも無数のドラマあり。
麻布十番の酒処が提案する贅沢な「T.K.G」はトリュフが香る
美味探究で食材に糸目をつけず
翌朝まで酒好きが占拠する【右京】

 醤油か塩か、はたまたポン酢か。調味料ひとつとっても各家庭で不文律があり、老若男女が意見を交わせる日本のソウルフード「たまごかけご飯」。炊き上がったご飯に卵をかけて、調味料、場合によって薬味をあえて、からめるだけ。シンプルだからこそ、奥深い。そして各自のこだわりが強いこの料理で、女性を中心に圧倒的な支持を受け、一躍その名を知らしめた店が酒処【右京】です。
 もともと“美味しい料理”のためなら食材も糸目をつけずの姿勢だった同店。「高級食材のトリュフを身近に感じてもらう料理を探していた」と開発秘話を教えてくれたのは店主の岡田右京さん。試行錯誤のうえ、卵とトリュフの相性の良さに着目。結果、お酒を飲んだ後のシメとしてもぴったりの『トリュフたまごかけご飯』が生まれたそうです。
 「産地は秘密」の厳選した鶏卵は粘度が強く、味も濃厚。この卵2つ分の卵黄を「程よくからむ分量」であるこぶし大のご飯にかけて、最後にはイタリア産のトリュフを贅沢に散らします。
 一見するとトリュフという高級食材の部分にのみ目がいきがちですが、この味が絶妙。トリュフのほのかな塩気と芳香が卵の味を見事に引き立てています。
 出し尽されたと思われていた「たまごかけご飯」の相棒に、あらたな食材が見つかりました。

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岡田 右京店主
厳選した和酒250種、気の利いた酒肴100種が当店のウリ。シメの逸品に考案したの『トリュフたまごかけご飯』ですが、これを目当てに店を訪れるお客様も増えてきていますね

撮影/岡本裕介
文/ヒトサラ編集部
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    全国を探しまわって見つけた産地は秘密の鶏卵。濃度、粘度の高いこの卵黄をふたつ使用。ほどよい塩気とトリュフの芳香が「たまごかけご飯」の味と格を一段と引き上げています

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    贅沢な〆という点では『トリュフたまごかけご飯』にひけを取らない『ミニミニおちょこ丼』 ※3個セット

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    和酒250種は「今、飲みたい」銘柄を厳選。なかでももうひとつの“米”日本酒が充実。獺祭は全種を用意しています

shop-photo 右京

☎お問い合わせ専用番号:03-6804-6646

住所:東京都港区麻布十番2-6-3
営業:18:00~翌4:00
休日:年中無休
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土鍋ご飯

粒立ちの良い米の食感と、香り立つ匂いを楽しむなら断然、土鍋ご飯。
和仏融合、五感を刺激する〆の逸品は奥ゆかしき味わい
フレンチなのに、“土鍋ご飯”?
ユニークな創作料理が光る【ガルニ】

 大小、個性豊かな飲み屋が立ち並ぶ上野広小路で、屋台風居酒屋フレンチを標榜する【炭焼き&ビストロ ガルニ】。
 フレンチはハードルが高いと結論付けるのは早計。「居酒屋に立ち寄るよう、気軽にフレンチに触れてほしい」というコンセプトよろしく、メニューには懐に優しく、どこかなじみ深さを感じさせる料理が並びます。その中でも一際、異彩を放っているのが『日南どりとトリュフの土鍋ごはん』。
 平たくいえば、炊き込みピラフを“飲み屋”の人気メニューの土鍋ごはん風にアレンジしたもの。食材はきめ細かい肉質の「日南どり」。これをポルチーニ茸でとったスープでお客様の目の前で炊き上げます。ガラス製の土鍋の蓋から覗く調理工程を目で楽しみ、ふつふつと香る匂いを楽しみながら20分ほど辛抱。仕上げにスタッフがトリュフを散らすとようやく完成です。
 ポルチーニ茸に米、トリュフによる香りの三重奏を十分に堪能し、口に含めば、食材が主張し過ぎず、お互いの良さを引き出し合う“日本人好み”の味わい。コシヒカリにプチプチとした食感が特徴の雑穀「キヌア」をブレンドしたごはんを噛みしめつつ、和・仏が奥ゆかしく融合した逸品に思わず頬が緩みます。

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高田 潤一郎シェフ
フレンチ好きになるきっかけの店でありたいという想いから、ビギナーの方でも手軽に手を出せて、しっかりフレンチのエッセンスを加えたメニューづくりを心がけています。

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撮影/菊池 崇文
文/ヒトサラ編集部
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    ポルチーニ茸に米、トリュフによる香りの“三重奏”がたまらない『日南どりとトリュフの土鍋ごはん』。ご飯の“相棒”「肉味噌」も塩気や甘みが突出し過ぎず優しい味わい

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    看板メニュー『本日のブイヤベース』は〆にリゾットあり。これにするか、『土鍋ごはん』にするか悩ましいところ

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    コストパフォーマンスの高さが伺えるワインは、定番ものからニューワールド、さらには自然派まで40種以上を用意

shop-photo 炭焼き&ビストロ ガルニ

☎ご予約専用番号:050-5871-0725
☎お問い合わせ専用番号:03-3837-1927

住所:東京都台東区上野2-1-9 K-PLAZA4F
営業:【平日・祝前】
    ディナー 16:00〜00:00(L.O.23:30)
   【日・祝】
    ディナー 11:30〜00:00(L.O.23:30)
休日:無休
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パエリア

欧州の“米どころ”バレンシア地方が発祥のパエリア。
下北沢のスペインバルは国産米で本場の味を深化
スペイン料理を身近に手繰り寄せる
今、注目のバル【下北沢Baru】

 パエリアというメニュー名は耳にしたことがあっても、どんな料理か問われるとうまく答えられない方もいらっしゃるのでは? スペイン東部にあるバレンシア地方が発祥とされるこの料理。野菜や魚介類、肉などと一緒に炊きこむ食材メインの“ご飯もの”ですが、使用される米は日本と同様に短粒種が基本。とくれば、日本でも絶品のパエリアにありつけるはず。
 「とは言え、米の芯を残すアルデンテしかり、同じ短粒種でもスペイン産と国産ではやはり若干の違いがあるので、国産米で本場と同じ仕上がりにするのは難しい」と話すのは、下北沢のスペインバル【下北沢Baru】のシェフ田嶋真一朗さん。そこで田嶋さんはこの課題を、銘柄の厳選と調理法でカバー。結果、甘みや旨みの強い国産米の良さを生かしたパエリアを完成させました。
 今、【下北沢Baru】が推す『スキャンピ』は、ニュージーランド産の手長海老をメインに据えたパエリア。海老もさることながら、この料理のキーを握るのはやはり米。海老の旨味をしっかり湛え、心地良い食感を残した米を噛みしめていると、次第に口中に米特有の優しい甘みが広がります。メイン食材に負けず、しっかりと米が個性を発揮しています。
 食材の脇役に留まらず、メイン食材と“共存”するジャパニーズパエリアが、今夜も新たなスペイン料理フリークを生んでいるようです。

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田嶋 真一朗シェフ
「おいしいをちょっとずつ」が当店のコンセプト。タパスを皆でシェアするも良し、仕事帰りの「ちょい飲み」用のつまみ代わりにオーダーするおひとりのお客様も多いですよ。

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撮影/水野 誠
文/ヒトサラ編集部
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    手長海老がメインのパエリア『スキャンピ』。食感にこだわり辿り着いたという山形産の米「はえぬき」は絶妙な“炊き上がり”。海老の旨味がしっかり染みた逸品は〆にもちろん、ロゼワインをあわせてつまむも良し

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    60種の手づくりタパスは、味付けはもちろん食材にもひと工夫。こちらはスペイン産マヨルカ黒豚を使ったリエット

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    手を伸ばしやすい価格帯のワインもこの店の魅力。コストパフォーマンスの高さを実感するならグラスもおすすめ

shop-photo 下北沢Baru

☎予約専用番号:050-5871-1757
☎お問い合わせ専用番号:03-6407-1872

住所:東京都世田谷区北沢2-10-10-2F
営業:17:00〜00:00(L.O.23:30)
休日:無休
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旬カレンダー

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