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至福の逸品〜dish stories〜 vol.22

独特の苦みが夏バテを防ぐ、琉球に伝わる伝統料理「ゴーヤチャンプル」〜琉球料理 みやらび〜

スイカやキュウリと、夏に旬を迎える食材は、そのほとんどが暑さから身体を守る役割を持っている。今回紹介する「ゴーヤ」もそのひとつ。特有の「苦み」が、体内にこもる熱を排出し、健胃を促進して夏バテを予防してくれるのだ。その栄養価の高さから、日本では調理の際に捨ててしまっている種の周りの「わた」部分も、調理して食べる国があるほど。今回は、そんな夏に効く食材「ゴーヤ」についてご紹介しよう。

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撮影/永友 啓美

夏野菜の代表格「ゴーヤ」

スパムや豚肉、豆腐と炒め合わせた『ゴーヤチャンプル』。サッパリとした塩味と独特の苦みがクセになる一品だ。夏の暑い時期になると、出来たてのゴーヤチャンプルと冷えたビールのシンプルな組み合わせに魅せられて、沖縄料理を食べに行こうと考えることも増えるだろう。
   そんな夏野菜の代表格ともいえる「ゴーヤ」(別名:ニガウリ)。イボイボの突起がある緑色の野菜で、独特の苦みがあり、突起の大きさや色合いによって苦みや味の濃さが変わる。実はこの苦味のなかに含まれている、夏バテを防ぐ栄養素の「モモルデシン」が、胃の働きを活発にして消化を促進、気分をスッキリとさせ、身体を冷やしてくれる。また、ビタミンCの含有量が多く、通常ゴーヤ100gに含まれるビタミンCの量は、トマトの約5倍もあるといわれていることからも、夏にゴーヤを食べることがどれほどよいかがわかる。そんなゴーヤの生産量・消費量の最も多いのが沖縄だ。

丸い突起が特徴の「ゴーヤ」。昔は入手が困難な食材で、沖縄へ行った際に、手持ちでこっそりと忍ばせて仕入れたこともある。色が濃く、突起部分が細かい方が苦味が強く、コクがあるとされている。

苦みが夏バテを防ぐ健康野菜

「旬の野菜を食べることは体に良い」という考え方が根付いている沖縄でのゴーヤの収穫期は、4〜10月までの7か月と長い。種類も地ゴーヤと棚ゴーヤがあり、突起のないタイプの地ゴーヤの方が、苦みが強く、味も濃くてビタミンCも多く含まれているため、好まれているという。調理をするときには、苦みを抑えて食べやすくするために、塩もみや茹でこぼしといった下処理を行うことが多いが、その苦みこそが健胃を促進すること、また旨みでもあることから、沖縄では苦いままを使用することも多い。そんな沖縄のゴーヤを使った定番料理といえば『ゴーヤチャンプル』。スパムや豚肉と島豆腐、卵、ゴーヤを炒め合わせてつくる料理だが、その独特なコクや旨みはそのままに、よりヘルシーなゴーヤチャンプルが味わえる店がある。健康のバランスを大切に、手間ひまかけてつくる「琉球料理」が堪能できる、東京・市ヶ谷の【琉球料理 みやらび】だ。

料理人の石川文俊さんは、女将:川田さんの従兄弟で、10代の頃から【琉球料理 みやらび】の料理をつくり続けてきた。沖縄の味を守りつつ、新しい要素を取り込んだ料理をつくっている。

自家製のラードで上品に仕上げる『ゴーヤチャンプル』

 【琉球料理 みやらび】のゴーヤチャンプルは、一般的に知られるそれとは少し異なる。島豆腐でなく通常の木綿豆腐を水切りして、きつね色に炒め、そこにスライスしたゴーヤを塩もみや茹でこぼしをせずにそのまま加えて炒め合わせ、卵のとろみが残る感じに仕上げる。ほかと大きく異なるのは、豚肉やスパムが使われていないこと。らふてーを仕込んだときに出た脂身でつくった自家製ラードを旨みとして使用するのだ。味付けは塩であっさりと、隠し味に醤油をサッと加えて風味を出している。肉類こそ入っていないものの、ラードのコクと旨みが存分に豆腐や卵に染み込んでおり、卵を半熟にすることで全体を上品かつまろやかな味わいに仕上げてある。
   暑さを乗り切るバランス食材のゴーヤ。体内温度が高くなりがちな季節の食生活に上手に取り入れ、夏バテ防止、体力強化に役立てたいものである。

らふてーをつくるときにそいだ脂身部分で抽出してつくった、自家製のラードでつくる『ゴーヤチャンプル』。コクと旨みのある上品な味わいに仕上げてある。

常連客が勧める逸品 〜らふてー〜

常連客が勧める逸品 〜らふてー〜

らふてー   1050円(1人前)
豚の三枚肉を1日煮込んで脂を茹でこぼし、そのあと四角く切って煮詰めていく、沖縄料理の定番ともいえる料理。3日間かけてつくるらふてーは、箸で崩れるほどに柔らかく、トロトロの食感に魅せられる常連が後を絶たない人気メニューだ。

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お店のおすすめ 〜どぅるわかしー〜

お店のおすすめ 〜どぅるわかしー〜

どぅるわかしー   735円
沖縄のタームー(田芋)を蒸し、細かく刻んだものに筍やシイタケ、出汁を加えて練り上げた一品。芋本来の甘みとコク、ねっとりとした独特の粘り気が特徴。手の込んだ料理として知られており、つくるのに時間がかかるため、滅多に出会えない幻のメニュー。沖縄の焼酎との相性もよい。

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このページで紹介したお店

琉球料理 みやらび

琉球料理 みやらび 【東京・市ヶ谷】

【営業時間】
17:30〜23:00(L.O 21:40)
【定休日】
土・日・祝
【TEL】
03-3261-3453

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編集後記

東京・市ヶ谷の閑静なエリアにある琉球料理【みやらび】。店内は和モダンな空間となっており、よくある「沖縄らしい」店とは少し趣が異なる。自家製のジーマミー豆腐、どぅるわかしーにみぬだるなど、こちらで味わうことができる「宮廷料理」は栄養のバランスに優れ、手間ひまをかけて丁寧につくられており、現代の沖縄料理とは一線を画する。特に「ジーマミー豆腐」は、女将と料理長が3年の歳月を費やして研鑽を重ねた力作。都内でも数少ない、滋味あふれる「琉球料理」を、地元の焼酎や女将の笑顔とともにじっくりと味わいたい。

琉球料理 みやらび

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