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  3. 夏本番。痺れる辛さの“旨辛中華”で、暑さを乗り切る

旬味への誘い

痺れる辛さの
 “旨辛中華”
    夏の暑さを乗り切る

唐辛子の旬は7月〜9月。唐辛子に含まれるカプサイシンは発汗が促すという健康効果もあるので、夏バテ解消にも効果的。今回は旨くて辛い中華料理の中から、『麻婆豆腐』、『火鍋』、『家郷鶏(ジャーシャージ)』の3品をご紹介します。この夏は”旨辛中華“を食べて、暑さを乗り切りましょう。

麻婆豆腐

2種の山椒が奏でる痺れ味と、刺激の中に広がる甘さ
花椒の香りがたまらない『麻婆豆腐』
趙楊氏の世界最高峰の技に痺れる
本場の味を伝承した【四川料理 趙楊】

 辛さを抑えた甘口のものから激辛と呼ばれるものまで、辛さの幅を持ちながら日本に深く浸透している『麻婆豆腐』。“旨さ”と“辛さ”を兼ね備えた四川料理の代表格です。
 『麻婆豆腐』をはじめとした四川料理の味を日本の料理人たちに伝承した、この道では言わずと知れた巨匠が、【四川料理 趙楊】の趙楊(ちょうよう)氏。若くして本場・四川省成都にある【金牛賓館】の国賓宴会料理長を務めたキャリアの持ち主です。
 定番の『麻婆豆腐』は、1999年のオープン当初には日本人向けに辛さを抑えた味付けにアレンジしたそうですが、お客さんの声を受け、ほどなく本場の味に回帰。料理人として培った経験値で香辛料のバランスを見極め、本場が認めた最高の技を施しています。
 日本では花椒を抜いて辛さを抑えた味付けも市民権を得ていますが、「唐辛子の辛さである“辣味”と、花椒の痺れる辛さである“麻味”が2つ揃ってはじめて本場の味わいです」と趙楊氏。そんな痺れる辛さの中に、ふんわりと広がる自家製豆腐や肉の甘さを味わうのがこの料理の愉しみ方です。
 さらに、味の決め手となるのが「花椒」と「山椒」。いずれも四川から取り寄せた最高級品を使用。赤はまろやかな辛さ、青は激しい刺激を与え、実の青みが豊かな香りを演出します。「2種類の山椒を組み合わせることで味に奥行きを出し、深みを与えます。刺激の中に旨みが広がるんです」。
 ともすれば辛さだけが強調されがちな四川料理ですが、本来は香りを楽しむ料理。四川風『麻婆豆腐』の痺れる辛さの中に漂う痛快な香りも味わってみてください。

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趙楊 氏
2年間発酵させた自家製豆板醤と、四川から取り寄せる最高級品の山椒。味の決め手となる香辛料に徹底してこだわることで、揺らぐことのないおいしさの土台をつくりあげています。

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撮影/玉川 博之
文/ヒトサラ編集部
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    中華鍋で炒める工程が先にあるものの、炒め料理ではなく煮込み料理。調理のポイントは「中華鍋で混ぜる時に豆腐を崩ないように、おたまの背を使ってやさしく押し出すようにすること」

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    料理を引き立てるのが、味わい深い熟成中国酒。甕出し紹興酒や熟成老酒など、こだわりのラインナップ

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    これもまた“旨辛”の様相を呈した人気メニュー『鶏の四川唐辛子炒め』。ヒリヒリとした辛さが病み付きになる

shop-photo 四川料理 趙楊

☎お問い合わせ専用番号:03-3289-2006

住所:東京都港区新橋1-5-5 グランベル銀座ビルll 7F
営業:【平日・祝前】17:30〜23:00 (L.O.22:00)
   【土・祝】17:00〜22:00 (L.O.21:00)
休日:日曜
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火鍋

四川では暑い夏にこそ食す『鴛鴦(おしどり)火鍋』
ピリッとした辛さの先に広がる確かな旨味
伝統を守りながら独自の四川料理を追求
本場の熱気を伝える【神楽坂芝蘭】

 紅白のスープと具材のバリエーションが楽しめる『火鍋』は、中国全土で古くから愛される鍋料理。日本でもブームの後に人気が定着。唐辛子が浮いた麻辣スープの赤い見た目から、スパイスが湯気に乗った芳香、舌がピリッと痺れる辛味まで、五感で辛さを堪能できます。
 辛い料理は、辛さと味わいを両立できるかが争点。逃げ場のない辛さに覆われて旨味が感じられない料理もありますが、そんな杞憂を払しょくするのが【神楽坂芝蘭】のめくるめく四川料理たち。激辛好きは勿論、辛いものが得意ではない人をも虜にしています。
 今回紹介する『鴛鴦(おしどり)火鍋』は、多様な唐辛子を使い分けた豊かな辛味が味わえる麻辣スープが肝。「辛い料理は辛さの中にコクと旨みがないと、痛いだけになってしまう」と話すのは、オーナーシェフの渡辺嘉朗氏。
 麻辣スープには本場から仕入れた約13種類の香辛料をブレンド。この中で、『鴛鴦火鍋』でしか味わえない格別な風味を演出しているのが、コロンと真ん丸い「朝天唐辛子」を使用した「ズーバージャン」です。すっきりとした強い辛味と、食欲をそそる風味が特徴。「朝天唐辛子」の種と芯を取り除いて炊き、ミンチにかけます。労力と手間がかかるため、四川省でも使用している店舗は稀有。「ズーバージャン」を使うことで、「塩味を増やさずに、甘みと香りと辛さを強め、コクと旨みを付与することができます」。
 香辛料を炒めてスパイシーな香りをスープに移し、豆板醤を溶いたら、麻辣スープが完成。スープの辛さを纏った肉や野菜を噛みしめると、辛さの先には確かな旨さが広がります。しっかりと味付けをし、コクと旨さを確立させるからこそ、ピリッとした辛さの奥にある旨味が鼻孔を抜けていくのです。
 四川では暑い夏にこそ汗を流しながら『火鍋』を食べるのだそう。この夏は、現地の熱気が感じられる一軒で『火鍋』を囲んでみましょうか。

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渡辺 嘉朗 氏
香辛料は一番いいものが出回る9月に、毎年現地から仕入れています。本場の「豆板醤」は足し算がいらない調味料。コクや甘みがあって、料理の味わいを何段階も引き上げてくれます。

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撮影/永友 啓美
文/ヒトサラ編集部
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    “旨辛”な麻辣スープと、ナツメやクコの実、松の実、生姜、八角など薬膳の素材を加えた白湯スープ。「鴛鴦鍋」に2種類のスープを張り、鶏・豚・牛・羊などの肉、魚介、野菜、キノコなどを煮る

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    『鴛鴦火鍋』に合わせて飲みたいのが、香り高い「白酒(パイチュウ)」。紹興酒やワインも各種取り揃える

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    日本の食材で本場の味を表現した『四川ダック』。岩手県産の鴨肉をこんがりとローストし、特製スープに浸す

shop-photo 神楽坂芝蘭

☎お問い合わせ専用番号:03-5225-3225

住所:東京都新宿区神楽坂3-1 クレール神楽坂2 2F
営業:ランチ  11:00〜14:30(LO)
   ディナー【平日・土】17:00〜22:00(LO)
       【日・祝】17:00〜21:00(LO)
※連休最終日は21時まで営業。祝前日の日曜は22時まで
休日:無休
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家郷鶏(ジャーシャージ)

青唐辛子と粒山椒の異なる辛さが痛快
爽やかな旬の刺激『田舎風蒸し鶏の青唐辛子かけ』
“四川の家庭料理”を標榜し、人気食堂に
小岩の隠れ家食堂【四川家庭料理 珍々】

 小岩の住宅街に佇む【四川家庭料理 珍々】は、唐辛子や香辛料を駆使した四川料理をベースに、重慶市出身の黄革さんが考案した家庭料理が味わえるお店です。2001年にオープンしてから数年はメニューを設けず、その日仕入れた食材でつくる“おまかせ”のみで営業していたそう。日本人がイメージする中華料理とは異なりますが、美味しくてホッとできる家庭的な味わいが評判を呼び、国内外からファンが集まる人気店へと進展しました。
 この隠れ家食堂で、常連客を中心に好評を得ているのが、山梨県から仕入れた無農薬野菜を生かした期間限定のメニュー。たとえば7月から夏の間だけ提供しているのは、田舎風蒸し鶏に旬の青唐辛子をかけた『家郷鶏(ジャーシャージ)』という料理です。「うちの料理は大体オリジナルです。レシピを考えるのが楽しい」と笑う黄革さんが、「青唐辛子の風味を活かすために味を想像してレシピを考えた」という、ここでしか味わえない一皿。
 塩味で茹でた鶏もも肉の上に乗せるのは、みじん切りにした生の青唐辛子。赤く完熟させる前に収穫したものが青唐辛子です。赤唐辛子が加熱すると辛さが増すのに対して、加熱すると辛さが和らぎます。そのため、生でふんだんに乗せて辛さと香りを殺さず、且つ薬味のような役割も果たしています。  鶏もも肉、青唐辛子はいずれも塩味をつけて全体を統一。その上に粒山椒を散らし、油を回しかけたら出来上がりです。この料理は「青唐辛子に和える塩のバランスと、熱い油をかける時の温度が重要」とのこと。ピリっとした山椒の痺れる辛さ、ヒリヒリする旬の青唐辛子の刺激的な辛さ。ベクトルの異なるふたつの辛さが奏でる、爽やかな夏の味に出会えます。

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黄革 氏
会社の同僚や友人同士で訪れるお客さんが多いです。大人数でにぎやかに、料理を取り分けて美味しそうに食べている姿を見ると、愉しくなりますね。土日は近所の家族連れの予約で埋まります。

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撮影/佐藤 顕子
文/ヒトサラ編集部
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    青唐辛子やズッキーニ、茄子など、山梨県から仕入れる無農薬野菜のみずみずしい素材の味を生かした、旬の料理が人気。山椒や唐辛子は四川省から仕入れ、「自家製の調味料しか使用しない」という徹底ぶり

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    黄革さんの料理に合うのは、やはり紹興酒。10年、15年、18年、20年、30年ものをラインナップ

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    『蒜泥白肉』(豚肉のニンニクたれかけ)は、豚肉にニンニクとショウガ、辣油がからみ、ご飯が進む味付け

shop-photo 四川家庭料理 珍々

☎お問い合わせ専用番号:03-3671-8777

住所:東京都江戸川区西小岩4-9-20 島村ビル
営業:18:00〜23:00 (L.O.22:00)
休日:月曜
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