二人の世界に浸るのではなく、下町の流儀に則り粋に振る舞うこと。それが女心をつかむ近道だ。もっともここ【大多福】に複雑なルールはない。客は鍋を覗き込み好きなタネを注文するだけ。食べる順番もない、同じタネを繰り返し注文しても構わない。燗酒でなくワインを合わせたっていい。つまり自由なのだ。100年の伝統を受け継ぐおでんは、どう味わおうと舌と心を満たしてくれるのだから。大切なのは老舗という舞台を存分に楽しむ心意気。それだけで今宵のデートは、ぐっと思い出深いひとときになるだろう。
大多福
03-3871-2521[ アサクサハナヤシキ ]
食事の前の寄り道なら【浅草花やしき】がいい。ここは1853年に開園した日本最古の遊園地。民家すれすれを駆け抜けるローラーコースターや“本物が出る”との噂まであるお化け屋敷など、体験しないとわからないスリルできっと二人の距離を縮めてくれるはず。また、花と緑に彩られ、鯉が泳ぐ池も備えた園内は、ただ散策しているだけでも十分に楽しめる。03-3842-8780
余裕ある大人の魅力をアピールするのに、鮨屋ほど最適な舞台はない。それが花街の面影を残す風情豊かな街であれば、なおのこと。【鮨処 幸】は、凛とした空気が心地よい下町の名店。15歳で料理の世界に飛び込み腕を磨いた大将・林幸史さんが仕立てる正統派の江戸前鮨が堪能できる。もちろんお好みでの注文もできるが、刺身や酒肴を盛り込んだコースも揃うので、余計な気負いは無用。テンポ良く供される料理とともに味自慢の地酒を傾け、会話を楽しむ。その贅沢な時間は、きっと二人の代えがたい思い出になるだろう。
鮨処 幸
03-3874-1880[ デンボウインドオリ ]
駅から店へ向かう道、少し遠回りして【伝法院通り】を歩いてみるのはいかがだろう。ここは、歴史の街・浅草にあって、ひときわ江戸情緒が香る場所。昔ながらの瓦屋根やその店の商品を象った伝統の木看板、火の見櫓や半鐘など、時代劇でもおなじみの光景が広がる。一部店舗のシャッターに夜の江戸八人衆が描かれているので、営業時間外に訪れて探してみるのも楽しい。03-3845-5291(やまとみ呉服店)
女性の間でも日本酒の魅力が見直されつつある昨今。行き先に迷ったら【手打そば 日本酒 山介】を選ぶといい。揃うのは名の知れた銘酒だけではない。小さな蔵元の隠れ酒、おなじみの銘酒の裏酒、季節がらみの新酒や生酒。店主・佐々木直樹氏が鋭い嗅覚で集めた地酒の数々は、どれも滋味あふれる逸品揃い。鮮魚や珍味をはじめとした肴も、酒と互いに引き立て合う上質な味わいだ。そして〆には、香り高い打ちたてのせいろ蕎麦。酒をたしなみ、蕎麦で〆る。そんな粋なデートも、たまには悪くない。
手打そば 日本酒 山介
03-6456-1831[ スミダガワテラス ]
浅草から築地の勝鬨橋まで隅田川沿いに整備された【隅田川テラス】は、食後にゆったり散歩デートを楽しむのに最適のスポット。春の桜や夏の花火、花壇に咲く季節の花々など四季折々の情景が楽しめるほか、ライトアップされる数々の橋も美しい。また一説には水辺の雰囲気は女性の心をリラックスさせやすい、という話も。その効果のほどは、あなた自身でお試しを。03-5320-5413(東京都建設局河川部計画課低地対策係)
懐石料理でデートというと、ずいぶん上級者だと思われるかもしれない。しかしモノは試し、一度ここ【懐石料理 牛肉しゃぶしゃぶ 浅草 若鹿】を訪ねてみて欲しい。京都で修業を積んだ2代目調理長が手がける日本料理は、四季折々の旬を盛り込んだ味わい豊かな逸品。器や盛り付けも目を奪うほどの美しさだ。しかし思うほど堅苦しくはなく、適度に居住まいを正すことでいまが特別な瞬間であることを自然に感じさせてくれる。この店を体感すれば、懐石がこれからのデートに欠かせない選択肢であると気づくはずだ。
懐石料理 浅草 若鹿
03-3842-3943[ カッパバシドウグガイ ]
食事の前にショッピングを楽しむなら【かっぱ橋道具街】がいい。約800mの道路沿いに170店以上軒を連ねる店は、ほとんどが調理道具や店舗装飾、包装用品など。古くからプロの料理人御用達の商店街として知られたが、近年は観光客の増加。スタイリッシュな輸入キッチングッズや珍しい製菓材料なども揃うため、料理好きの女性たちがこぞって訪れている。03-3844-1225
相手の好みはもちろん、体調にまで気を配るのができる男のデート。高タンパクな上に低カロリー、コラーゲンや鉄分も多い馬肉なら、健康志向の女性にもきっと満足してもらえるはず。【馬刺屋マサシ浅草店】は、そんな馬肉の専門店。希少部位を馬刺しで食べられるほか、すき焼きやステーキなどもすべて馬肉。専門店ならではの豊富なメニューで、馬肉の魅力を味わいつくすことができる。一説には美肌効果もあるという馬肉。おいしく食べて、かつ彼女の魅力がさらに増したなら、それはこの店のおかげかもしれない。
馬刺屋マサシ浅草店
03-3842-5600[ ジダイヤ ]
浅草に着いたらまずは雷門周辺などから発着する【時代屋】の人力車に乗って名所めぐりへ。快適な人力車に揺られながら高い目線から眺める町並みは、徒歩とは違う開放感満点の風景。各所をめぐりながら車夫が話す解説にも、思わぬ逸話やこぼれ話が潜んでいて興味深い。何より二人で詰め合って乗る車上での密着感は、幸先良いデートを予感させてくれるはず。03-3843-0890