新時代中華、 到来 | ヒトサラ
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Renge equriosity レンゲ エキュリオシティ
- タパスメニューのなかから好きな5品を選べる「タパス盛り合わせ5種」2,000円。写真は「四川風よだれ鶏」「牛みすじのタタキ 腐乳のディップで」「とらふぐの白子のフリット」「冷製のビーフン キャビアで」など
- クエのダシで作るツメがソース代わりとなった「岩手産ホロホロ鳥の胸 九重のツメで」2,800円
- 「季節の蒸し物」100g2,000円~。この日は駿河湾産の赤座エビが登場。ピーナッツ油でシンプルに
- 「実は自分が油に弱いんです」と明かす西岡シェフ。油にこだわるようになったのもそんな体質がひとつの要因に
- カウンターに置かれる3種類のビネガー。スプレー式の容器を使うことで“かけ過ぎ”を未然に防ぐ
Renge equriosity
予約専用番号 :050-5871-2933 お問合わせ専用番号:03-6228-5551 住所:東京都中央区銀座7-4-5 GINZA745ビル 9F
レンゲ エキュリオシティ
営業:18:00~24:00
休日:月曜 お店の詳細情報を見る中華タパスにワインを合わせた
カウンターチャイニーズの誘惑新宿3丁目の雑居ビルの2階。テーブルが1つとカウンターだけの空間。1坪ほどの極小の厨房でつくられる料理は、大皿ではなく2人前のポーションでサーブされる…。中国料理店としてはどう見たって規格外だ。
「食後感が中華になればいいと思っていますから」
そう笑うオーナーシェフの西岡英俊さんからは、中国料理だけにとらわれる様子は微塵も感じられない。オーダーが入ってから調理にとりかかるのが信条。むしろそこにあるのは、ツーオーダーだからこそ簡素化していった料理哲学だ。「油と塩分。美味しさを感じる要素の多くはここにある」と、西岡さんはその使い方にこだわる。定番の魚介の蒸し物。この日登場した赤座エビは蒸篭で蒸してから熱したピーナッツ油をかけて、白髪ネギを添えて。ほろほろ鳥の胸肉には、クエでダシを取り、中国醤油などで味を調えた“ツメ”をソース代わりに。「最近はイタリアのコラトゥーラという魚醤も使ったりしますね」と、油10種、塩8種、和洋中の醤油を使い分け、renge流の中国料理を生み出すのである。
ワインと楽しむ中華タパス。ここの料理をたらふく食べても胃にもたれないのはなぜか? 油と塩分。その使い方が実に巧妙なのである。 -
わさ
- ディナー、土日祝のランチともに料理はアラカルトのみ。週替りとなる手書きのオススメメニューのほか、定番の前菜や点心、肉料理、〆のお食事などを用意する。料理名は一般的な中華ながら、どの皿も独創的な味と盛り付けが光る
- 「わさ餃子」630円。餡に使う挽き肉は、豚肉の状態によって前足、後ろ足と部位を使い分けている
- 見た目も美しい「わさ風ピータン豆腐」840円。豆腐は千葉県から取り寄せる「月のとうふ」を使用している
- この日、大きな蒸籠では焼売などの点心類を中心に蒸し上げていた。豊富なワインと共に味わいたい
- 全国の生産者から届く野菜や旬の魚介など、食材選びにも余念がない。写真の本ズワイガニは春巻きに使用
わさ
予約専用番号 :050-5871-2934 お問合わせ専用番号:03-3718-2267 住所:東京都目黒区八雲3-6-22
営業:18:00~L.O.21:30(土曜・日曜・祝日12:00~L.O.13:30/18:00~L.O.21:30)
休日:水曜、第3火曜・木曜 お店の詳細情報を見る引き算から導き出される
妥協なきシェフのひと皿都立大学駅から徒歩10分強。住宅がひしめく閑静な自由通り沿いに店は位置する。扉を開けると、厨房では午前中から仕込みに奔走する山下昌孝シェフとスタッフの姿があった。XO醤、大間の本鱒の漬け、カニや野菜などの下ごしらえ…。素早く的確に進む作業の裏にシェフの料理に対する実直さが窺える。
「旨みは手間、味は引き算」とは、シェフの師匠【開花亭】古田等氏の教え。王道の中華料理とは一線を画する【わさ】の料理は、この言葉に集約される。ひと皿に凝縮された手間の結晶こそ、この店の神髄なのである。「単に手間をかけるだけではなく、かけどころも重要」と、例えば豚肉や豆腐など信頼する生産者から仕入れる食材に対しては極力シンプルに味を構成。供される皿はシェフのセンスを駆使した引き算の解答となるのだ。
昨年より、店名はシンプルな【わさ】となり「チャイニーズレストラン」を省いた。日本料理、フレンチ、イタリアンなどの手法を大胆に取り入れるシェフの才能あふれる料理は、もはや中華の枠に留まらない。シェフの妥協なき料理への探究心を今後も見守りたい。 -
casa nova
- 修業時代に本場そのままの広東料理と、日本人向けにアレンジされた料理の両方を学んだ五月女シェフ。そこにアジアのエッセンスや独自のアイデアを加えることで、さらに一歩進んだ「この店だけの味」を生み出している
- 料理は5,000円のコースのみ。メインディッシュはこちらの「蒸したナマズ」。淡白な身を自慢のソースが引き立てる
- 「クリスピーチキン 季節野菜とグリーンカレー添え」。香ばしい皮目とジューシーな身、スパイシーなソースが好相性
- 住宅街の一角にある看板もない店。入るのに少し勇気がいるが、店内はくつろぎの空間。そのギャップもまた魅力
- ホールを担当するのはコロンビア出身のリリアナさん。南米をはじめとしたニューワールドのワインも揃っている
casa nova
予約専用番号 :050-5871-2935 お問合わせ専用番号:03-3710-9804 住所:東京都目黒区五本木1-6-3
営業:17:00~22:30
休日:日曜 お店の詳細情報を見るエスニックの要素を添えた
緩急自在のコース料理店はかつて町工場として使われていた築50年の家屋。看板も暖簾もなく、初めて訪れるゲストを大いに戸惑わせる。なにも偏屈なわけではない。「日常を離れて、ゆったりと食事を楽しんでもらいたい」という配慮の結果なのだ。さて勇気を出して店内に入ると、イメージは一転する。オレンジ色の塗り壁と南米風のインテリア、BGMには陽気なラテン音楽。一般的な中国料理店を思い描く客はまたも意表をつかれるが、これも非日常の世界へ誘う心憎い演出だ。
そんな斬新さに彩られる店、もちろん料理も通り一遍ではない。たとえば料理に使われるアジア各地の調味料。カニ爪の揚物には甘酸っぱいマンゴーマヨネーズが爽やかさを加え、香ばしく焼き上げた鶏に添えたグリーンカレーが味の変化を生む。自在に使いこなす調味料が、定番の中国料理に深みを加えているのだ。また、看板料理であるナマズも、この店を語る上で外せないポイント。淡白でクセのない白身を、豊かな味わいに変えるアイデアと技術。シェフの力量が最も発揮される一品だ。メニューはコース1本のみ。強弱、緩急に富んだ構成で、中国料理の未知なる境地を堪能できるはずだ。 -
龍圓
- 中国料理の伝統や常識をただ踏襲するのではなく「素材をもっとおいしく食べるには、どうすることが最適なのか」を常に自問する栖原一之シェフ。もちろんそんな理想を実現するのは、芯となる技術あってのこと
- 下味をつけてから真空パックし、湯煎でじっくりと熱を通すことでしっとりとした食感に仕上げる「よだれ鶏」1,200円
- 「トリュフ塩のかに玉」2,000円。たっぷり空気を含ませながら焼き上げる。上質なトリュフの香りもポイント
- あえて色みを抑えたシックなインテリア。卓上に並ぶ料理の色彩がより際立つように、というこだわり
- 「ピータン豆腐」900円はカクテルグラスで。刻んだピータンの上にムース状にした豆腐が乗っている
龍圓
お問合わせ専用番号:03-3844-2581 住所:東京都台東区西浅草3-1-9
営業:12:00~14:00/17:30~L.O.21:00、日曜・祝日~L.O.20:30
休日:月曜(祝日の場合は翌日) お店の詳細情報を見る自在な発想で際立つ
こだわり抜いた厳選素材「枠に囚われないように、店頭から“中国料理”の看板は外してしまいました」と語る店主・栖原一之氏。より自由な発想で料理を生み出すためには、ジャンルという垣根さえ軽々と飛び越えてしまう。そうして生み出される料理は、誰にも真似ることのできない唯一無二の味となる。
フレンチの技法や和の食材、斬新なアイデアの数々。あらゆる要素を駆使する料理はしかし、揺るぎない芯の強さも持ち合わせている。その理由はひとえに徹底してこだわり抜いた素材にある。肉や野菜の生産者の元を訪ねるのはもちろん、油ひとつでも工場へ出向きその製造工程を観察する。そして自ら納得した食材だけを取り寄せ、次にその食材を活かす方法を考える。つまり発想の原点は食材にあり、取り入れる技法やアイデアは食材を活かすための過程に過ぎないのだ。「生で食べるのが一番おいしいなら、そのままお出しします」と栖原氏は笑うが、これこそが奇をてらうだけの創作料理との違いであり、食通の支持を集める【龍圓】の真骨頂なのだ。
創業20年。料理人として円熟期を迎える栖原氏だが、現在でも時間が許す限り料理を食べ歩き自らの栄養にするという。時を経てなお進化を続ける名店で、中国料理の新境地をご堪能あれ。 -
琉球チャイニーズ TAMA
- 祖母の料理を受け継ぐ中華と母の味がベースとなった沖縄料理。料理が玉代勢家の家庭の味ならば、それらをワインとともに合わせるのも玉代勢家の食卓のスタイル。気軽に楽しめる雰囲気が心を解きほぐす
- 煉りゴマのタレと酢醤油、ラー油で担々麺をイメージしたという「茹でワンタン」750円
- 「キラマンギン」900円とは黒島に伝わる麺料理。ポークランチョンミートとタマネギで焼きそば風に仕立てた
- ソムリエの資格も持つシェフの玉代勢文廣さん。約180種が揃うワインも3000円台のお手頃価格が中心に
- 豚のバラとロース、背脂で仕込む「自家製腸詰」600円。ピパーツという沖縄の島コショウが隠し味
琉球チャイニーズ TAMA
予約専用番号 :050-5871-2937 お問合わせ専用番号:03-3486-5577 住所:東京都渋谷区渋谷2-3-2
営業:18:00~翌3:00
休日:無休 お店の詳細情報を見る沖縄×中国。素朴で温かな料理は
母と祖母が作る家庭の味が原点に沖縄料理と中国料理。その2つを柱にしながら、料理として双方が交わることはない。
「祖母が上海出身、母が沖縄の黒島出身。だから中国料理も沖縄料理も、僕にとっては小さい頃から慣れ親しんできた味なんです」と話すのはオーナーシェフの玉代勢文廣さん。「琉球チャイニーズって何?」とよく聞かれるそうだが、双方を融合させたハイブリッドな料理を意味するのではなく、沖縄料理は沖縄料理、中華は中華として仕立てている。「オープン当初は創作に走ったりもしましたが、結局辿り着いたのはよりシンプルで素朴なこのスタイル」と、あくまで玉代勢家の家庭の味がその根底にあるのだ。
それは180種ほど揃えるワインも同様。奇をてらった取り合わせではなく、「自分の家では昔からワインと合わせて食べていましたから」とこちらも玉代勢家のスタイルを踏襲。壁際にズラリと並んだワインボトル。めぼしいワインを見つけたらどうするか? 自分でテーブルに持っていき「これ開けるよ」のひと声でOK。そんな気取らず、奔放に過ごせるのも、“家庭的”な店がゆえの魅力である。
※このページのデータは、2014年3月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。