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グローバルな食のパラダイスへ 香港の
TOPレストラン
Hitosara special

意欲的な東西融合や伝統復活など、シェフの挑戦を歓迎するダイナーが集まるのが、活気溢れる食い倒れの街・香港。
世界中から集まるシェフも食材も高水準な国際都市で、本場の広東料理はもちろん、
今の香港で食べるべき最先端レストランをご紹介します。

Photographs by Miyuki Kume, Billy Ha, Takuya Suzuki / Text by Miyako Kai, Shinji Yoshida
Coordination by Miyako Kai / Design by form and craft Inc.

月掲載
  • RONIN ローニン

    香港で楽しむ痛快なる
    日本料理と和酒のペアリング

     はて、ここは日本だったろうか? 椚のカウンターに座って、料理を楽しんでいると、そんな錯覚すら覚える。バックバーには、日本のシングルモルトが並び、冷蔵庫には名だたる日本酒銘柄がズラリ。目の前で酒を振舞ってくれる、カナダ出身のエリオット・フェイバー氏がこれまた流暢な日本語を話すから余計に頭が混乱するのである。
     それに拍車をかけるのが料理だ。たとえば、刺身の5点盛りには、福岡や築地からその日の朝に水揚げされ、夕方に店へと届いた魚も登場。それらが、タイならカラスミと柚子をのせた昆布締めに、イトヨリなら炭火で炙って醤油を和えてガーリックチップスを添えたりと、巧みに魚の旨さを引き出しているのである。NY【MASA】香港【Zuma】で研鑽を重ねたシェフ、マット・アバーゲル氏による、その素材の使い方には日本人も思わず唸ってしまうことだろう。さらに、それに合わせてすすめられるのが、日本国外への日本酒の普及に尽力した人に贈られる、「酒サムライ」の称号を持つエリオット氏が厳選した日本酒や日本のウイスキー。日本酒であれば而今や大信州、海外では珍しい生酒など、シングルモルトなら宮城峡にイチローズモルトにマルスウイスキー…。さらにはエリオット氏自ら仕込みに携わった日本酒のプライベートブランドやオリジナルのウイスキー、焼酎まで。まぎれもない、ここは香港の名酒亭である。

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