オープン4年、モダン・ベトナミーズの旋風はいまだ冷めやらぬ
ホノルルのダウンタウンが美食街として注目されるようになって久しいが、そのムーブメントを築き上げたひとつがこの店といえる。2014年にオープンするや否やハワイのグルメシーンの話題をさらった【THE
PIG & THE LADY】。ここは、ファーマーズマーケットでイベント的に出店していた店が前身となったベトナミーズだ。
シェフは生まれも育ちもハワイという、ベトナム系アメリカ人のアンドリュー・リー氏。幼い頃に母親がつくってくれたという料理のレシピをベースにしながら、ハワイ育ち、フレンチでの修業というバックボーンも活かした、モダンなベトナム料理で名を上げた料理人である。
名物のバインミーは、ファーマーズマーケット時代からのスペシャリテで、10時間かけて柔らかく煮込んだ豚バラ肉をパクチーなどとともにバゲッドでサンド。ディップ代わりに牛骨のスープにつけながら食べさせるあたり、フレンチの要素も巧みに取り入れている。さらに、たたき風に火入れしたアヒ(マグロ)をスパニッシュトーストにのせたフィンガーフードもフュージョン感あふれる逸品。こちらはアンドリューが若かりし頃に憧れたスペインへの想いを形にした料理で、曰く「僕にとってはファンタジーな料理」だという。
オープンから4年。2016年10年にワードヴィレッジにオープンした姉妹店【Piggy Smalls】も絶好調とあれば、ハワイでのアンドリュー旋風はまだしばらく続くことを確信した。