柔軟さとアイデアとセンスが、名店仕込みの味に溶け合う
ハワイ・リージョナル・キュイジーヌの名店【Alan Wong's】出身のシェフ、ウェイド・ウエオカ氏と、奥様でありパティシエールのミシェル・カー・ウエオカ氏の夫妻が立ち上げた店。オープンから5年が経ち、ホノルルでの人気をもはや不動のものとしている。その理由は、食材の魅力を引き出す名店譲りの調理テクニックに夫妻の感性が加わった、ここでしか味わえない料理が楽しめるからだ。
「決め事は、ハワイの食材を必ず組み入れること、ひとつだけ」と、ウェイド氏が話すように、料理は実に自由自在。調理にフレンチなどの技法を取り入れる一方で、「先日も日本の四国へ行ってきたばかり。愛媛でも味噌や醤油、きなこ、うどんなど、素晴らしい出会いがあった」と、異国で見つけてきた食材や調味料をも、すんなりと取り込む柔軟性がある。
そのセンスは料理の端々からも感じられる。サーモンのタルタルには明太子や紅ショウガなどをあしらい、コナ産のカンパチにはチーズのように削った餅をまぶしたり。その料理に国境はなく、新たな味との出会いは食の楽しさを再確認させてくれる。
そして、楽しみは食後のデザートにも。奥様のミッシェル氏がつくるデザートにゲストはトドメをさされる。『KULA STRAWBERRY ""SHAVE ICE""』のいちごやゆずの爽やかさ、餅アイスやタピオカの食感、ハイビスカスの香り…。口の中で溶け合い渾然一体となった味わいは、ただただお見事!