飲食店サクセスガイド
お店の繁盛に貢献する情報をご紹介
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記事掲載日:2025年8月7日

株式会社MFP
THE WAGYU BROTHERS料理人 菊池 航氏
東京・浅草の中心に位置する【THE WAGYU BROTHERS】。厳選された和牛を贅沢に使用したハンバーガーが評判を呼び、Googleレビューでは4.9という高評価を獲得。「日本文化の魅力をアメリカのカルチャーと融合させたい」という想いが反映された同店では、素材や料理へのこだわりが光ります。その成功の秘訣を紐解いていきます。
一番多いのはアメリカのお客様で、全体の3~4割ほどを占めています。その他、シーズンにもよりますが、スペイン、フランス、オーストラリアの方も来店いただいています。アジア圏では、フィリピンやシンガポールからのお客様が多い印象です。
まず、日本の文化である「和牛」とアメリカの文化「ハンバーガー」を融合させるというコンセプトを明確にしたことです。特に「すき焼き」は日本のソウルフードなので、その魅力を知ってもらいたいという想いからメニューに取り入れました。
こだわっているのは、過度なアレンジを避けて、本来のすき焼きの味わいを大切にしている点です。旅行中に他のお店ですき焼きを食べたお客様も「このバーガーは本物のすき焼きの味だ」と納得してくださいます。ハンバーガーという馴染みのあるスタイルで、日本の本格的なすき焼きの味を体験できる。このシンプルなコンセプトが、想定以上に海外の方に支持される結果となりました。
日本人にも人気だという『SUKIYAKIバーガー』。とろりと流れる黄身が和牛とバンズを優しく包み、奥深い味わいが広がります
接客面では、最近増えているモバイルオーダーではなく、あえてスタッフが直接オーダーを取りに伺い、お客様と積極的に触れ合うことを心がけています。浅草・下町ならではの温かさを知ってもらいたいという想いもあったためです。お客様の帰国後もInstagramのDMでやり取りが続いたり、友人のように親しくなれることも大きな喜びです。こうしたコミュニケーションが、リピーターやGoogleレビューの投稿へと自然につながっているのかなと思います。
またサービス面では、単品のハンバーガーにポテトやピクルスだけでなく、チキンも付けたワンプレートで提供している点も好評です。単価はやや高めでも「これ一皿でしっかり満足できる」と、お得感も感じてもらえるようです。
何よりも和牛の品質は譲れないポイントです。パティに使う和牛はA5ランクのものをブロックで仕入れ、ステーキ用、すき焼き用、パティ用と、毎朝店内で部位ごとに加工しています。こうすることで品質を保ちながらコストを抑えられ、和牛バーガーとしては良心的な価格を実現できています。冷凍肉は一切使わないので、和牛ならではのとろけるような食感を味わっていただけるのが自慢です。
新鮮な和牛肉の肩ロースを使用した手づくりのパティ。豊かな風味とふわふわの食感に驚くお客様も多いのだそう
調理法についても、バーガーの基本は守りつつ、和牛が一番おいしくなるように特注のバンズやわさびを隠し味にしたステーキソースで独自の工夫を加えています。一方で、バーガーに添えるチキンは、日本では手に入りにくいバターミルクを自家製でつくり、アメリカ現地の味にこだわっています。アメリカの文化も日本の文化も大切にしながら本物の味を追求することが、和牛の魅力を世界に伝える一番の方法だと考えています。
また、多様なニーズに応えるため、ベジタリアンバーガーやハラールチキンを使用したチキンバーガーも用意し、グループで来店された際に、どなたでも一緒に食事を楽しめるよう配慮しています。
グループや家族で訪れてもゆったり過ごせるソファ席。店内の広々としたレイアウトは、訪日観光客にも好評です
InstagramやTikTokを運用しています。動画では、モデルやインフルエンサーの方にお願いするのではなく、実際に働いているスタッフが登場することで親近感を持ってもらえるように工夫しています。また、Instagramストーリーでは来店してくれたお客様の写真をシェアすることで、お店の賑わいやリアルな雰囲気を伝えるよう心がけています。
SAVOR JAPAN経由で、本当にさまざまな国の方から予約をいただいています。Googleマップにも予約リンクを設置することで、お客様がお店を見つけてから予約まで、スムーズな流れをつくれていると感じています。
※記事内容は記事掲載日時点の情報です
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