ヒトサラSpecial そろそろ行きたいおとな鮨 | ヒトサラ
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鮨 小野(すし おの)
- 1973年群馬県生まれ。地元鮨店で、その魅力に開眼した小野氏。都内寿司店で15年修業後、『鮨 小野』を開業。旨いにこだわり、時に洋の素材も巧みに使い、鮨の本質を追求
- 和歌山県紀州勝浦で揚がった本マグロの大トロ。小野氏が目利きする厳選の食材に、江戸前の仕事が光る
- 宮城県産マコガレイの刺身、京都舞鶴産のサバはシメサバに、千葉外房産のアワビ蒸しは肝ソースをつけて味わう
鮨 小野(すし おの)
師の美技を写し、 日曜日は別の顔。店主・小野淳平氏が休みを取る日曜日のみ、屋号を『鮨 空』に変えて、二番手・米山淳氏が板場を仕切る。恵比寿・渋谷川沿いの路地裏、今や予約の取れない人気店にまで成長した『鮨 小野』のもうひとつの顔が『鮨 空』だ。 そこは二枚看板でありつつ、若手育成の場。 カウンター6席、個室2部屋の小体な店ながら、そこは、和の伝統美と現代美が融合した洗練の空間が広がる。腕を揮う小野氏の美しい所作。握りは小振りで、芯のある立ち姿。それが写し鏡のように、日曜日の店主・米山氏の握りにも投影されている。 仕入れや魚の仕込みは同じ。それでいて価格は3割ほどお得。 「僕が休みなのに自分の名前を掲げるのはおかしい。だったら、名前を変えてしまおうと。週に1日だけ営業する鮨屋も粋で面白いでしょ」と小野氏。 とっておきの鮨屋のもうひとつの顔。笑顔で満たされる、日曜日のカウンターを見れば、この店の実力もまた、言わずもがなだ。
名店の裏ワザ -
西麻布 鮨 真(にしあざぶ すし しん)
- ゲストの年齢、性別、体格、食べるスピードなどを瞬時に見極め、それぞれに最も適した握りを生み出す鈴木氏
- 江戸前の仕事が施された、旬の魚がずらり。氏の繊細な手さばきを楽しみに訪れる鮨通が多い
- 鹿児島出水産のアジ。ネタの上には青ネギ、シソ、生姜の絞り汁を加えたペーストで驚くほどの爽快感を生む
- 夜のおまかせで登場するつまみより。脂ののった金目鯛の炙り。大根おろしと自家製ポン酢でさっぱりと
- 愛知産の鳥貝。身が締まり、シャクシャクと小気味いい食感は鮮度の良さの証。貝好きにはたまらない一貫
西麻布 鮨 真(にしあざぶ すし しん)
昼の口福に浸るなら お決まりで決まり!「鮨が本当に大好きなんです。食べるのも、握るのもね。毎日、旨い鮨が食べられると思ってこの世界に入ったんだから」と無邪気に顔をほころばせる『鮨 真』の店主・鈴木真太郎氏。 この人、心底、鮨が好きなのだ。 高校時代の鮨店アルバイトにはじまり、13年におよぶ修業時代、さらに店を持ち現在に至るまで、鮨道、一直線。常に、自分が客だったらと自問し、喜ばれる仕事を提供してきた。本物の“旬”を味わってほしいからと、身を粉にして仕込みに励み、4つのネタ箱には常時鮨種が20種以上。厳選した素材を慈しむような仕事、対話するように優しく握る姿など、鮨好きが惚れ惚れする氏のカウンターは、まさに鈴木劇場。 そんな鈴木氏の仕事は夜だけのものではない。昼は採算度外視のお決まり。 「夜はつまみから始める人が中心だけど、昼は握り目当て。真剣勝負ですよ」 厳選した10貫に込められた握りの真髄。寝る間を惜しみ、週3日だけ提供される氏の昼の握り。味わえば分かる、本物の仕事とは何かが。
名店の裏ワザ西麻布 鮨 真
03-5485-0031 住所:東京都港区西麻布4-18-20 西麻布CO-HOUSE1F
営業:12:00~最終入店13:30(水曜・金曜・日曜のみ)/
18:00~23:00 休日:月曜 お店の詳細情報を見る -
すし岩瀬(すしいわせ)
- 西麻布『すし匠まさ』で修業した岩瀬氏。握り、つまみを交互に出す、すし匠スタイルはこの店でも健在
- 長崎県対馬産のアナゴ。外はカリッと香ばしいのに、中はレア状態で口の中でとろけてしまう
- 鹿児島出水産の春子。酢おぼろをまぶした手間のかかる一品も、妥協せず美しい一貫に
- 夏が旬の毛ガニは暑い季節ならではのお楽しみ。カニ身をほぐし、蟹みそで和えた酒肴に最適なひと皿
- 煮ハマグリはツメを使用しないのが岩瀬流。貝のエキスで煮ているので、ゆず皮を散らし、そのまま食べて十分美味
すし岩瀬(すしいわせ)
宝石箱のように輝く、 10食限定ばらちらし。ひと口目は酢おぼろの春子に、皮目を湯引きしたエボ鯛の昆布締め。ふた口目には、づけの赤身や酢締めの小肌。さらには鹿児島出水産の鯵に、唐津産の雲丹……と、箸を入れるたび、ネタが変わる名物のばらちらしは、鮨屋の粋を集めたランチ10食だけのお愉しみ。すべてのネタを数えると20種以上の魚介と野菜が丼を覆う。 「ネタ数だけでいったら、夜のおまかせよりも多いですから。自分の仕事を知ってもらうにはいいかもしれません」と店主・岩瀬健治氏。 2012昨年9月のオープンより、確かな仕事でファンを獲得する新宿『すし岩瀬』の若き職人だ。寡黙に仕込みを続けつつ、多くを語らない職人気質だが、そのぶん、宝石箱のように光輝く丼は物言わずとも訴えてくる。確かな目利きと丁寧な仕事を愉しんでくださいと……。 酢締めや昆布締めなど、仕事ごとに並べられたネタ箱から、丁寧に鮨種を丼に並べる。それはまるで、パレットから絵の具を選び、キャンバスに色を落としていく姿にも似て、惚れ惚れするほど美しい。
名店の裏ワザ -
鮨 青木(すし あおき)
- 次々と美しい握りを供しながらも、ゲストと絶妙の距離感でトークを展開する青木氏。氏との軽快なやりとりも楽しく、笑顔の絶えないカウンターも名店・青木ならではの光景かもしれない
- その時期とっておきの旬の素材が並ぶネタ箱は、見ているだけで心躍るほど。丁寧な仕事が伺える
- 夜のおまかせで供される、鯛三種盛り。塩昆布、ウニ、芽ネギとすべて違う食べ方で味わえる
鮨 青木(すし あおき)
銀座を代表する名店で 江戸前の仕事に触れる。言わずと知れた鮨の聖地・銀座にあって、今なおトップを走り続ける鮨店のひとつが『鮨 青木』。常に革新的な鮨を生み出し続ける一方、父から受け継いだ江戸前の技を駆使し、それぞれのネタの持つ可能性の追求も忘れない。名職人と謳われた、先代譲りの厳しい目で常に真摯に鮨と向き合う、それが店主・青木利勝氏だ。次々と握られる鮨は、端正かつ艷やか、それでいて気負いはない。そう、氏の握りはまさに、快活に笑う青木氏そのものなのだ。 そんな氏の握りを初体験するなら、ランチの握りがおすすめ。銀座の高級店と少々緊張はするが、勇気を出して訪れてみて欲しい。そこでは、昼のランチを目当てに訪れる美食家たちが、人知れず幸せを噛み締めている。さりげなくも細やかな心配りで、握りを供す青木氏。客はただ言われるがまま、出されるがままに、身を委ねればいいのだ。そう、ただ、おいしさに没頭できる。名店とは、やはり昼も名店なのだ。
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鮨かねさか(すしかねさか)
- 「夜はどうしてもお酒が中心。その分、昼はお腹いっぱいになって欲しいので、気持ちシャリを多めに握っています」と金坂氏。昼握りを味わった後の充足感は、この気配りにこそ現れるのだ
- 和歌山紀州勝浦産の本マグロ大トロ。赤酢の利いたシャリが濃厚なトロの旨みと絶妙にマッチ
- 江戸前のアナゴ。時間をかけて炊きあげたアナゴは口に入れた瞬間にとろけるほど、柔らかい
鮨かねさか(すしかねさか)
昼のお試しセットで 職人の矜持に触れる「シャリ、ネタ、ワサビ。鮨屋が使うのは、たったこれだけ。逃げも隠れもできないのが、さらしの仕事。だからこそ、そこに気持ちを込めるんです」 銀座『かねさか』の主人・金坂真次氏は、そう言って昆布締めにした明石の鯛を握ってみせる。白木のカウンターに置かれた瞬間、シャリはゆっくりと沈んでいく。すぐさま口に運べば、鯛ならではの食感を残して、昆布が磯の香りをのせる。ほろりとシャリはほぐれ、昆布が香り、口中で調和する。そして、鯛の旨みの余韻はいつまでも優しく残る。これこそ、江戸前の仕事であり、ミシュラン2ツ星の真骨頂。金坂氏が言う、気持ちを込めた鮨なのだ。 3日休むと感覚が戻らないと、店のオープンから10年、ほぼ休まずカウンターに立ち続ける金坂氏。こんな主人と馴染みになれたら……。そんな時こそ、ランチを効果的に使いたい。そう、『かねさか』もまた、ランチコースを5250円~と格安で提供。まずはランチで好みを計り、気に入れば夜のおまかせへ。
名店の裏ワザ鮨かねさか
03-5568-4411 住所:東京都中央区銀座8-10-3 三鈴ビルB1F
営業:11:30~14:00/
17:00~22:00PM(土曜・日曜~21:00)
休日:不定休 お店の詳細情報を見る
※このページのデータは、2013年6月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。