第111回:ある日の照寿司のメニューから(産地、仕入れ業者、仕事など)
2017年の冬。ヒトサラ編集長が【照寿司】さんを訪れたときのこと。代表的な冬の食材から、豊前の海で獲れた新鮮な魚介に加え、地元の良い土壌でとれた野菜など、ここでしか食べられない、素材を堪能した。当時のメニューをはじめ、産地や仕入れ、職人仕事について詳しくインタビュー。【照寿司】の人気の秘密に迫る。
渡邉氏が惚れ込んだ、「放血神経締め」の魚たち
――「熟成ではなく、寝かせている」という魚。これはどういったものなんですか?
渡邉:たまたまFacebookで見つけたんです。一度送ってもらったら、もうこれに惚れ込んじゃって。「放血神経締め」っていう技が施された魚というのは、血液を生きているうちに全部抜くんですよね。魚の生臭さっていうのは、魚の血がそうさせているので、それをもう根本から抜いてあげることで、腐敗にもつながらない。香りも色もとっても美しいままなんです。身が真っ白できれいなんですよね。これを届けてくれる五島列島の井手口さんには本当にお世話になっています。
鮑、鰆、鮪に紫雲丹。素晴らしい食材を活かす力とは
――渡邉さんも大きい方だけど、包丁も大きければ、ネタも大きいし、大振り系でバーンといくんですよね。
渡邉:そうですね。そういった意味では非常に男性的かもしれない。地元北九州っていうと、鮑の一大産地で、うちはもう500g以上、600、700gで毎日数キロずつ蒸しているんですけど、本当に素晴らしい漁場で。シンプルに蒸してお出しするんですけど、もう1個を4~5人前で切っちゃう。で、肝ソースと合わせます。肝の脂分と味付けの塩味。それからシャリのお酢。全部混ぜたらマヨネーズになっちゃうくらい(笑)。この肝の香りがたった濃厚なマヨネーズをシャリで召し上がっていただくという。
――贅沢ですよね。聞いてるだけでもおいしそうでしょ?