第122回:選ばれしトップシェフが一堂に会した「世界のベストレストラン50」
スペインのビルバオにて行われた「世界のベストレストラン50」で日本勢のトップに輝いた【傳】の長谷川在佑シェフ。世界第17位に入賞、そして昨年から一番順位が上がったお店に与えられる「ハイエストクライマー賞」を受賞。まるでオスカーのような華やかな授賞式から帰国直後の長谷川氏をゲストに、同じくスペインから帰国したヒトサラ編集長が独占インタビュー。興奮冷めやらない、現場で感じた二人の“生の声”をお届け。
日本勢のトップに輝いた【傳】の長谷川在佑氏
――世界で第17位。日本の代表選手のような感じがしますが、改めていかがでしたか?
長谷川:ありがとうございます。スポーツの勝敗とは違って日々お客様を喜ばせるという職業なので、例えば野球やサッカーだったら優勝するために勝つぞ!となりますが、結局僕たち料理人って、入賞するためにやるぞ!という風にはならないんですよね。本当に目の前のお客さんに、「また来たいな」って思ってもらうことを考えている。単純に、自分が出来ることを日々精一杯やっていくっていうことなので、なんかこう、自分たちが選ばれるっていうのが不思議な感じがします。なんか本当に、とても不思議。
世界へ発信する、日本料理の魅力
――長谷川さん自身が世界に向けて特別にやってらっしゃることってあるんですか?
長谷川:日本料理を知ってもらうには、まず富士山や桜など日本の魅力の一つに「あ、日本料理も食べてみよう」と思ってもらえることが大事だと思います。僕が重視しているのは、相手をもてなす気持ちが、本当の日本料理の神髄なんじゃないかなと思っています。例えば、食材だけであれば韓国だって、台湾だって鮎はいますし、それを普通に使世界のベストレストラン50っても日本料理っぽいけど、日本料理じゃないっていう感覚。なんと言ったら伝わるかとても難しいところですが……大切なことは食材や技法はもちろんですが何よりも、相手を思う気持ちの部分なのかなって思います。
ファミリー全員で感じた、世界の空気
「結局シェフなんて、(スタッフ)みんながいないと何もできないんですよ。」と長谷川氏。今回の受賞もスタッフみんなで喜びを共有し、若手のスタッフも世界で活躍しているレストランのシェフたちと刺激しあい、切磋琢磨できる仲間が繋がっていく素晴らしい時間が過ごせたと次世代の育成にも熱心な様子が伺えた。