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青い海、青い空、豊かな自然
南国の風を感じる忘れられない食体験
タヒチの最新TOPレストラン Hitosara special

常夏の楽園タヒチが食材の宝庫であることはあまり注目されてこなかったが、
パイナップルやバニラ、ブルーシュリンプといった名産品に溢れている。
そんなタヒチの食材とトップシェフたちが化学反応を起こし、
タヒチは今、「ポリネシアンガストロノミー時代」を迎えている。

Photographs by Teiki Dev / Text by Murata Ryusuke
Design by form and craft Inc.

  • 【Velvet】のシェフを務めるフレデリック・プラントコスト氏。楽しそうに料理のことを教えてくれる姿から料理への愛が感じられる

    Le Velvet Restaurant ル ベルベット レストラン

    地産地消にこだわるシェフが織りなす
    パラディジアックフレンチ

     「パリで知り合ったヴァヒネ(タヒチの女性)のスーツケースに入ってタヒチまで来てしまったのです!」と陽気に語るのはシェフのフレデリック・プラントコスト氏。
     フランスの星付きレストランでの修業時代に知り合ったタヒチアンの奥様とタヒチにやって来てから、流れた月日は既に15年を数える。ホテル・ラディソンの【Cinq Sens】と【Hiti Mahana】でスーシェフを掛け持ちしていた頃に、折り紙付きという実力を持つという噂を聞き付けたホテル・タヒチ・ヌイのオーナーに打診され【Velvet】のシェフに就任。
     「キッチンは0から作り上げ、この場所で共に成長してきました。ここは僕の子どものようなものだと思っています」と感慨深げに語る姿が印象的だ。
     食慾旺盛なタヒチアンにも認めてもらえるようなフュージョンフレンチから、フランス系のお客様にも喜んでいただけるようなクラシックフレンチまで幅広く対応するシェフ。こだわりは地元食材にあるという。ポリネシアでは高級魚として知られるマヒマヒ、メカジキ、フェフキダイなどは信頼のおける漁師から仕入れ、エキゾチックフルーツやさつまいも、はちみつなども契約農家から入手する。
     「土地がもたらす豊かな食材を使うことで、タヒチならではのフレンチをお客様に五感を通して感じてもらいたい」という言葉の通り、皿に広がるのはフレンチポリネシアの世界観だ。
     前菜は『ジンジャーシュガーをキャラメリゼしたフォアグラのエスカロップ』。キャラメリゼに使用する砂糖にはタヒチ産の生姜で香り付けがされており、濃厚なフォアグラにキレを生み出している。フェイクマンゴスチンをベースに酸味を効かせたソースの存在感も抜群。食感・甘味・酸味・辛味・苦味と味覚を呼び起させる一皿である。
     メインは『ブダイのフィレ〜カボチャのムスリンとソラマメのポシェとともに』。温帯や亜熱帯の地域で食され、地元でも人気の高級魚ブダイはミディアムに仕上げられ口の中でほどけていく。その下には、レア・タヒチと呼ばれるタヒチ産のターメリックを忍ばせたカボチャのムスリン。ほんのりとスパイシーな風味を効かせつつも優しい味わい。家禽肉ベースのブイヨンでポシェし、甘味が引き出されたソラマメが発色も鮮やかでメインディッシュに統一感をもたらしている。
     タヒチでもトレンドとなりつつある地産地消をテーマに、裏付けされたフレンチの調理技術と南国情緒を感じさせるドレサージュで万人の心を掴むフレデリック・プラントコスト氏。世代交代の進むタヒチのグルメシーンを席巻していくことに間違いはなさそうだ。

    • 『ブダイのフィレ〜カボチャのムスリンとソラマメのポシェとともに』。「レア・タヒチ」というターメリックの香りがほのかに香る
    • 前菜の『ジンジャーシュガーをキャラメリゼしたフォアグラのエスカロップ』。フォアグラは一度急速冷凍させるのがポイント。ジンジャーシュガーの量で火加減を調整しながら焼き上げており、表面が絶妙にカリっとしている
    • トンガ産のバローナチョコを使用。それぞれに異なるスパイスを入れた3種のチョコムースが重なっている。下の層はサクサクとしていて、食感も豊かなデセール
    シェフの流儀 フレデリック・プラントコスト氏

    タヒチで食べていると感じられる料理を満喫してほしいので、デザートの器をココナッツにして表現してみたり、ローカル食材を使用しながらクオリティの高い料理を提供できるように日々勉強しています。お客様が料理を目の前にしたときに「タヒチらしい美しさ」を感じていただけるように力を入れた盛り付けにも注目してください。

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