ドリームブックが叶えた美しきミャンマー料理
移民の多いハワイ。とりわけアジア系移民の占める割合が多く、それに伴いアジアンフードの充実は店の数こそ少ないけれど、クオリティーでは大都市にも勝るとも劣らない。その中でも異色、ハワイ唯一のミャンマー料理店【Dagon】を経営するシェフ・サイ氏が今年、アップスケールな2号店【Rangoon
Burmese
Kitchen】をダウンタウンにオープンさせた。さっそく地元紙では大絶賛、フーディー達からは絶大な支持を受けている。
重厚なテーブルや壁紙など、インテリアの彩りは華やかであるのに落ち着いた空間。母から受け継いだというミャンマー料理の数々はオーセンティックであるのに、今の時代にもしっくりと馴染む。伝統料理のひとつである『新生姜のサラダ』には香ばしくローストしたココナッツを入れて食感も味もハワイ増し、その上盛られた皿は上品で麗しい。この店はシェフの持って生まれた美的センスと食へのバランスが絶妙に調和しているのだ。
サイ氏はアメリカへ移住して以来、ドリームブックと自ら呼ぶ1冊のノートを作り、そこに夢を書き続けてきた。どんなメニューにするか、内装はいかに作るか、どんな客層に来て欲しいか。供された食事をゆっくりと咀嚼するように夢のかけらを書き記し、書き足し、書き直し、ドリームテーブルと呼ぶに相応しい店がまたひとつ出来上がった。