波打ち際までわずか5m。クラシカルなフレンチをホノルルの絶景とともに
「世界で一番ロマンチックなレストラン」
歴史あるハワイのタウン誌『Honolulu Magazine』でそう評されたのは、もう20年以上前。しかし、【Michel's at the Colony Surf】を形容する言葉の輝きは、いまだに色あせていない。窓の外では手の届きそうなところで波が砕け、開け放たれた窓からは穏やかな潮騒と潮風がゲストのもとへ届く。陽が傾いて、ワイキキの海と空がオレンジ色に染まる景観は息を飲むほど美しく、席に座るだけで不思議な充足感と恍惚感がこみ上げてくる。
そして、ゲストをさらなる歓喜で包み込むのが、名物の『ロブスター ビスク ア ラ ミッシェルズ』だ。焼いたエビの頭をスモークベーコンやトマト、少量の米とともに煮込んだスープは、驚くほど滑らかな舌触りで、濃密なエビの旨みがまったりと広がっていく。各テーブルへワゴンが運ばれ、給仕が見事な所作で鍋からスープをサーブ、さらに目の前でロブスターをフランベしてくれるパフォーマンスも、このひと皿を名物たらしめる理由だろう。
ロケーションに目が奪われがちだが、これらのクラシカルなフレンチがベースとなった料理はどれもが質実剛健。20kg以上の牛骨を使って4リットルほどしかつくれないというデミグラスソースなど、手間暇かけて仕込まれる料理がロマンチックなレストランの評価を不動のものにしている。