『どんぶり委員長』
作品データ/『どんぶり委員長』(1巻より抜粋) 作者:市川ヒロシ 『WEBコミックアクション』連載、全4巻 ©市川ヒロシ/双葉社
クラスメイトから真面目で堅物、高飛車と思われている委員長は、食事の作法やしつけに厳しい家庭で育ったためか、丼料理を「男だらけの店で食べる品のない食べ物」と偏見丸出しの価値観を持っていました。そんなある日、家庭科の調理実習の時間に、親子丼を作り美味しそうにたいらげる男子生徒・吉田を見て、どうしても丼料理が食べたくなってしまい……。
そこで後日、呼び出した吉田に無理矢理、親子丼を作らせることに。委員長の熱量に負け、渋々作ってくれた吉田の親子丼を食べた委員長は、たちまち丼料理の虜になるのです。それからさまざまな丼料理を吉田に作らせては食べ、どんどん丼料理の魅力に取りつかれていくのでした。
「パスタに合うものはごはんにも合う」? 丼料理の真理がここに…!?
学食でナポリタンを食べていた委員長。そこに聞こえてきたのは、同じ炭水化物だからという理由で、「パスタに合うものはごはんにも合うんだよ」と友人と話す吉田の声でした。その会話を盗み聞きしてしまった委員長の頭の中は、もうナポリタンを丼にしたものでいっぱいになってしまいます。
半ば強引に吉田を説得し、いざナポリタン丼を作らせることに。工程のほとんどが普通のパスタのナポリタンと同じ簡単なもので、あっという間にナポリタン丼は完成します。「パスタを超える絶品ナポリタン丼」と自信満々に料理を出す吉田ですが、確かにその見た目はかなり美味しそう。居ても立っても居られず、さっそく一口目を口にした委員長は、「めちゃめちゃ合うううう…!!」と感動したご様子。
ケチャップ、ソーセージ、タマネギ、ピーマン、そしてお米。すべての材料のバランスの素晴らしさに、一心不乱にナポリタン丼を食べ続ける委員長でしたが、いよいよ最後の一口となってしまいます。そんなラスト一口は、罪悪感に苛まれながらも粉チーズをふんだんにかけて、最後まで楽しみながら完食するのでした。
作中には、詳細に料理手順が描かれているだけでなく、材料や分量も記してあるので、マンガを真似して作ってみてはいかがでしょうか。
固定観念に捉われずオン・ザ・ライス! 丼料理が見せる無限の可能性
「ナポリタン丼」という料理をみなさんはご存知でしたか? ネット検索してみると、レシピサイトなどには出てくるものの、やはりナポリタンと言えばパスタ料理――といった固定概念に捉われていた方も多いのではないでしょうか。
今回紹介した「ナポリタン丼」のように、柔軟で新しい思考が美味しい料理に繋がることもあるでしょう。そして、お米というフィールドの上であれば、どんなプレーをしても許されてしまうのが丼料理最大の魅力とも言えるでしょう。
この考え方は、私たちの日頃の生活にも直結するところがあるかもしれません。
社会にはルールがあります。それは人と人が、より安全かつ快適に暮らすために絶対に守らなければならないものばかり。しかし、そのルールを重く捉えすぎてしまい、「こういうときはこうする」、「その問題はこうやって解決する」といった、凝り固まった考えで生活してしまうことはありませんか?
もちろん、ルールを守ることは大切。しかし、ルールを守ったうえでならば、どのような発想や工夫をしてもいいものなのです。一見非常識な行動に見えても、今後それがスタンダードになっていくことだってあるでしょう。むしろ、そういった固定観念に捉われなかった人たちが、新しい時代を開拓してきたとも言えますよね。
…………と仰々しく解説しましたが、シンプルに表現するなら、“丼は自由!!”の一言に尽きるのです(笑)。丼料理は、牛丼やカツ丼といった王道ばかりでないのはもちろんですが、極論、“お米の上に何かを乗せる”というたった一つのルールさえ守れば、どんな食材を用いようが、どんな調理法を用いようが成立させられるのです。
みなさんも、パスタ料理であるナポリタンの具材をオン・ザ・ライスするような自由な発想で、ぜひオリジナル丼を作ってみてはいかがでしょうか。
