1. ヒトサラ

【焼肉屋さん監修】
夏=肉!!
「魅せる」焼肉のお作法

夏といえば、焼肉! 暑気払いにと焼肉を食べる機会が増えるこの季節ですが、「炎上して真っ黒こげ!」「食べてみたら生だった…」など、焼き方に苦戦した経験は誰でもあるはず。そんな悩みを、富士山の麓にある「焼肉 亜羅人」の奥脇オーナーにぶつけてみました。手切りにこだわり、自ら現場に立ち続けるプロが伝授してくれた、「魅せる」焼肉のお作法とは?
「焼肉 亜羅人」の奥脇剛一オーナー 「焼肉 亜羅人」の奥脇剛一オーナー

一、火を制する者は、肉を制す!!

焼肉

お肉を焼くその前に、大切なのは網をよく熱すること。温度が低いとお肉が網にくっつきやすくなるので、炎が安定してくるまで待ちましょう。奥脇さんのお店では、注文を取ったときに火をつけて、お肉が到着する頃に適切な温度になるようにしているそうです。

もう一つ注意しておきたいのが火力の差。最も温度の高い中央部分にお肉を置くと、すぐ焦げてしまうこともあります。とくに炭火は独特の風味が楽しめるメリットがありますが、網の中央と端の部分の火力差が大きいので、火力が一定の範囲に収まりやすいガスよりも、焼け具合に少し注意が必要です。

一、最初は、タンから焼くべし!

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お肉を注文する順番にもお作法があります。原則は、「脂の少ないものが先、多いものが後」「塩系が先、タレ系が後」。脂が多かったりタレがついたものを最初に焼くと、すぐに網が汚れてしまうためです。たとえば牛肉なら、赤身系→ハラミ系→カルビ系、という流れがベターです。

そして最初に注文すべきは、なんといっても「タン塩」。タンにわずかに乗っている脂が、トップバッターを飾るにふさわしい理由です。タンを網に乗せたら数秒置いて脂を溶かし、すぐにひっくり返します。何切れか焼くことで網に適度な脂がなじみ、次のお肉も焼きやすくなるのです。

一、焼くのは少しずつ、食べる分だけ!

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焼肉の醍醐味は、網いっぱいにお肉を敷き詰めて焼く贅沢感!? じつはこれ、ご法度です。おいしい焼肉を味わうためには、「少しずつ、食べる分だけ焼く」のが正しいお作法。たくさんのお肉を一度に焼こうとすると、お肉に目が行き届かなくなかったり、食べるペースが追いつかなかったりして、焦げや焼きすぎの原因になります。とくに脂の少ない赤身は、焼きすぎると固くなり、おいしさが半減することも。

だからといって、四六時中お肉の焼け具合を気にしていれば、会話を楽しめなくなってしまいます。せっかくのお肉を楽しくおいしく味わうなら、人数分をゆっくり焼いていくことが大切なのです。

一、「強火の遠火」でSTOP!炎上

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焼肉で必ずと言っていいほど陥るのが、お肉の炎上。立ちのぼる炎と煙に慌てふためいていると、あっという間にお肉が黒焦げになってしまいます。原因は、脂の多いお肉を強い火の上で焼いてしまうこと。ボタボタと落ちる脂に引火して、お肉もろとも大炎上してしまうというわけです。

これを防ぐためには、脂の多いお肉は網の中心から遠ざけて焼くことが有効です。上手な魚の焼き方として「強火の遠火」という言葉がありますが、同じことが言えます。炭火やガスの強い火から生じる輻射熱を利用することで、脂を落としすぎず、うまみを閉じ込めて焼くことができるのです。

一、これが焼ければ一人前!ホルモンの心得

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焼肉のうち、最も難易度が高いのがホルモン。脂もタレも多く、前述した大炎上につながりやすい、なかなかの曲者です。いつ焼けているのかわからず、ついつい焼きすぎて、脂が落ちきって皮だけ残ってしまったという経験はないでしょうか。しかし、ホルモンはコツをつかめば劇的においしくいただけるのです。

そのお作法は、最初に皮を焼き、一回だけひっくり返す、というもの。皮を裏にして網に乗せ、焦げ目がついてきたら裏返して、こんどは脂の部分に火を通します。しばらく待って脂が落ちだしたら、もう食べごろ。カリカリの皮とプリプリの脂があいまって、ホルモンならではの食感と旨みを堪能できます。

一、ためらうなかれ、網交換

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ちょっと煩わしいのが、網の交換。店員さんが気を使って交換してくれることも多いですが、タイミングを逃して真っ黒の網のまま焼きつづけてしまうと、せっかくのお肉に焦げがついておいしく食べられなくなってしまいます。そんなときは、躊躇しないで交換してもらいましょう。とくに、タレ系のお肉を焼いた後に塩系を注文する際は必須です。

ただし、あまり頻繁に交換していると、そのたびに網が熱せられるまで待たなくてはいけません。前述したように、「脂の少ないものが先、多いものが後」「塩系が先、タレ系が後」の原則を守ってお肉を焼くことで、網交換を最小限に抑えることができます。

一、基本を押さえて、みんなで楽しい焼肉を!

ここまで、おいしい焼肉を味わうための基本を紹介しましたが、一番大切なのはそれぞれの好きなお肉を好きな焼き方で味わうことです。そして、もう一つ大切にしたいのは、火の周りにみんなで集まってわいわい食べる、焼肉の本質的な楽しさ。取材した奥脇さんが焼肉店を志したのも、そんな高揚感やワクワク感が大好きだったからなんだとか。ここで紹介した6つの「お作法」を押さえて、この夏、もっともっと焼肉を楽しみましょう。

「焼肉 亜羅人」
取材協力
焼肉 亜羅人
撮影・編集
佐藤史親

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