最初に重要になるのがお店選び。幹事として、「自分が行きたいところ」を選ぶのはNGです。メンバーの男女比や上司・先輩の好みを考えて候補を選定しましょう。お酒好きが多かったり人数が多めの場合は、居酒屋で飲みなおすのが良いでしょうし、逆に人数が少なめの場合や女性が多いときは、バーなど落ち着いた空間で雰囲気を変えて飲むという選択肢もあります。歌うのが好きなメンバーだったり気心の知れたメンバー同士であれば、カラオケがおすすめ。そうした二次会がちょっとマンネリ気味という場合は、年齢層を問わずに楽しめるボウリングという手もあります。
次のステップは、事前にきちんと出欠を取っておくことです。「二次会はその場の流れで」と曖昧にしておくと参加率が低くなり、二次会そのものがお流れになってしまうケースもあります。後から「カラオケに行きたかったのに」「なんだか飲み足りなかったね」などとメンバーに言われては、幹事失格。一次会の案内と一緒に、二次会があることもしっかり伝えて出欠をとり、だいたいの人数を把握します。この時点で参加率を上げることができれば、当日の雰囲気で「ドタ参」する人が減り、急に人数が増えて入れる店がなくなるリスクを低減できます。
だいたいの人数を把握できたら、候補のお店に予約を入れましょう。一次会場からの距離や二次会メンバーの顔触れなどから候補を絞って予約をします。重要なのは、一次会の終了時刻を考えて二次会スタートの時間をしっかり決めておくこと。こうすれば「まもなくお楽しみの二次会です!」とお開きを切り出しやすくなり、一次会がダラダラ続いてしまうことがないので、二次会に参加しない人にとっても早く帰れるメリットがあります。また、二次会への道すがらキャッチに引っかかってしまうという失敗も防げるので一石二鳥。事前にお店を決めて予約することは、二次会成功の必須条件なのです。
とはいえ、体調を崩したり翌日に出張が入ってしまうなど、二次会に行けなくなってしまう人も出てくるのが現実。一次会の開始時刻が遅れ、それを引きずったままお開きが遅れることもあります。このように、直前に開始時間や人数が変わる可能性を織り込んで、コース料理や飲み放題の予約はしないほうが無難です。ただし、それらが当日の変更可能なものであれば、予算を考えて利用する価値はあります。いずれにしても、予約時にお店側に二次会であることを伝え、簡単に打ち合わせをしておくことが大切です。
いよいよ当日。二次会のスタート時間が迫ってきたら水とお茶をオーダーして、一次会の終了をそれとなく知らせましょう。これで無事にお開きになっても、気を抜かないでください。二次会場への誘導という大事な仕事が残っています。ここで会計に手間取ってしまうと、二次会参加者が外で待ちぼうけを食らってしまうことになります。寒い季節であればなおさら、外で待たされるのは辛いものです。これを防ぐには、お開きになる前に会計を済ませてしまい、一次会を締めてそのまま二次会に誘導するのがベター。また、誰かに誘導役をお願いして先に二次会場へ行ってもらうのも良いでしょう。会計を済ませた後、宴席の忘れ物チェックをしてから二次会場に向かうことができるのでオススメです。
会食や接待の二次会は、ゲスト側の好みを考えてセッティングすることが何よりも重要です。事前に相手の好みをリサーチしておき、それに応じて候補のお店をいくつかピックアップしておくとよいでしょう。難しい場合は、できるだけ多くのジャンルのお店を候補に挙げておくのが無難です。飲み会編でも触れたカラオケやバーのほか、パブやスナックなども選択肢に入れたいところです。可能であれば、当日会食が始まる前にグルメサイトなどで空席状況を確認しておくと安心です。
食事も進み、ご飯ものが出てくる頃が二次会へのお誘いのタイミング。「この後、もう少しお付き合いいただければ」「場所を変えて、もう少しお話しできれば」などと切り出して二次会へ誘いしましょう。断られたら「そうおっしゃらずに」と一度だけ引き留め、それ以上無理に誘わないのがマナーです。OKであれば、ゲストの意向を聞きつつ、その場の雰囲気を考えてどんなジャンルのお店にするかを決めます。その後、ゲストから見えないところで候補の店に予約を入れましょう。デザートやお水お茶を出してもらっている間に、トイレに行くふりをして席を立つのがおすすめです。一緒にお会計も済ませてしまえば、スムーズに二次会場に移動することができます。
もし接待だった場合は、二次会場の立地についても考える必要があります。大前提は、ゲストに負担をかけないこと。一次会場から歩いて行ける場所であることは必須です。また、帰りの足についても考えておきたいもの。ゲストに帰りに乗ってもらうハイヤー・タクシーがつけやすい、大通り沿いかその周辺がベターです。都市部の入り組んだ路地だと、お店の前に車がつけられずゲストを歩かせてしまうことになりかねません。予約するときに、お店の人にタクシー・ハイヤーの手配ができるかどうかリサーチしておくべきです。そして二次会の最後には、車へ送りながら「遅くまでありがとうございました」と手土産を渡すと好印象です。
ここまで確認したとおり、どんなシチュエーションの二次会でも重要なのは、事前にしっかりリサーチをして必ず予約を入れること。一緒に酒席を楽しむメンバーを思い、どうしたら楽しんでもらえるか考えながらお店探しをしましょう。また、セッティングを自分ひとりでかかえこまず、上司や同僚、仲間に協力をしてもらうのも意外と大切なことです。ぜひ、楽しみながら幹事役をこなして、二次会を成功に導いてください。