札幌へいくなら、この名店 | ヒトサラ
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焼肉 グルマンズいとう
- 札幌屈指の焼肉の名店【焼肉 グルマンズいとう】は2011年にオープン。上質な和牛と鮮度抜群のホルモン、あっと驚く副菜の充実で、予約の取れない人気店としても知られている
- 和食から料理の世界へ入ったという伊藤一夫氏。その後、焼肉店での修業を重ね、現在のスタイルに行き着いた
- 『ミノの湯引き』。新鮮なミノだからこそ生まれるホタテのような食感が真骨頂。薬味が効いた酢醤油で
- 旨みが強い『らんぷ』と赤身とサシのバランスがいい『いちぼ』。極上の肉はロースターでさっと炙って味わいたい
- 「焼肉は煙に燻されることで旨みがアップします」と伊藤氏。煙のあがる昔ながらのロースターをこだわって使用
肉よし、副菜良し、
カットよしの焼肉店今、札幌の中でもっとも予約の取れない焼肉店と言われているのが【焼肉 グルマンズいとう】。この店では、全国各地からその時期よい和牛を取り寄せるのだが、名前こそ控えるがどこそこの赤牛や、放牧させた銘柄牛など、そのこだわりは並々ならぬもの。あえて産地や銘柄を固定しない分、リーズナブルにいいものだけを提供できるというわけだ。さらにホルモン。こちらは鮮度が命と、道産にこだわり、取材時にも営業数時間前に当日分が届けれられていた。こだわりは肉のカットにまでおよぶ。通常、焼肉店では、出来る限り肉が柔らかくなるようカットするのが常識なのだが、ここではあえて噛みごたえがでるように肉の目に逆らいカット。
「肉には絶対の自信がある。だからあくまで食感にもこだわり、赤身本来の旨さも楽しんで欲しいのです」
オーナーの伊藤氏がこだわるカットが施されると、極上の赤身とホルモンは一層、肉本来の味と深みを楽しめる。
そしてこの店の凄さはまだまだ尽きない。ごろごろと野菜が詰まった肉厚のチヂミに、活きナマコを使ったムンチュ、エゾツブ貝の浅漬キムチ和えなど、個性豊かな副菜が充実。そのどれもが他とは一線を画すアイデアが施されているのだから、たまらない。旨い肉と、乙な肴、そして美酒も充実。予約困難も納得の名店なのだ。 -
Trattoria/Pizzeria Terzina
- かつての開拓使麦酒醸造所跡を活用した赤レンガが印象的な店内。この空間を見た堀川シェフのインスピレーションで移転を決定したという。古き良き空間は異国情緒満点
- 『道産豚とリコッタチーズのテルツィーナ風スパゲティー』。豚のポルケッタを使用したシェフのスペシャリテ
- 北海道の食材を使ったイタリアンの第一人者が堀川シェフ。野菜、肉、魚と極力、食材は地元産にこだわる
- 毎年、寒くなってきた頃に登場する『いろいろ野菜のバーニャカウダ』。温かいバーニャカウダソースで味わう
- 『平取短角牛モモ肉のアロースト』。繊維質が強く、非常にヘルシーな平取短角牛を絶妙な火入れでローストに
道産食材に情熱を注ぐ
老舗の札幌イタリアン自分の暮らす街を愛し、その土地で育まれた食材を大切にする。イタリアではそれが至極当然だった。鎌倉の老舗イタリアンで基礎を学び、自身が30歳の時に本場で腕を磨きたいと渡伊した堀川秀樹シェフ。80年代後半から90年代前半にかけて、氏はローマやベネトで本場の空気に包まれながらイタリアンと向かい合った。
帰国後、日本はまさにバブルの全盛期。イタリアンやフレンチの高級店が群雄割拠する中、氏がシェフに就任したのは北海道。それこそが札幌イタリアンを長く牽引し続ける【トラットリア/ピッツェリア テルツィーナ】。
「高級食材をふんだんに使って、豪華できらびやかな皿をつくると喜ばれた時代。でも、それは自分が感じたイタリアとはなにか違うなと。やはり土地の食材を愛せる場所で、素直なイタリアンが表現したかったのです」
氏が惚れ込んだ北海道の大地を感じさせる食材。しかし、オープン当初は苦労も多かったという。それを農家や生産者と根気よく相談を重ねながら、堀川シェフは何が欲しいのかを約20年に渡り、説明し続けた。するとどうだ。今、店に並ぶのは色鮮やかでたくましく育った大地を感じさせる野菜ばかり。昔からあるトマトやじゃがいももあれば、色鮮やかな西洋野菜なども充実。それを堀川シェフはひとつひとつを愛でながら、肉や魚、パスタと合わせていく。これこそが、氏が目指した札幌イタリアン。若き日に感じたイタリアンの素晴らしさを、氏は札幌という場所で見事に開花させた。 -
BLANC
- セラーにはフランス産のワインが8割。比較的リーズナブルな1本から、グランヴァンまで、350種約1000本のストックを誇る。残りの2割はイタリアとカリフォルニアが中心
- 『蝦夷鹿のロースト ねずの実風味の赤ワインソース』。スパイシーなねずの実とセルバチコの苦味がマッチ
- 『松前産蝦夷あわびのコンフィ』。60℃で3時間ほどコンフィにした極上の蝦夷あわび。肝のソースも絶品だ
- 「ワインとの相性と、季節の味を大切にしています」と山内シェフ。食材の滋味を引き出す調理が得意だ
- 天然のゴヨウイグチ、蝦夷鹿のヒレ肉やタン、真鴨など、オーナーが採ってきた食材が店には随時届けられる
ワイン好きが納得する
隠れ家レストラン幅広い人にワインの楽しさを伝えたい。そんなコンセプトで2005年に誕生したワインレストランが、フランス語で白を意味する【ブラン】。札幌でも最も賑わうすすきのの中心エリアのビルの1階。周囲の喧騒とは裏腹に、一歩足を踏み入れると、そこには大人の上質な空間が広がる。一枚板の白木がすらりとのびるカウンターは、一人客や常連の特等席。さらに奥のテーブル席の向かいには一面のセラーがどっしりと存在感を放ち鎮座。
「ワインを飲み慣れた40代以上の方に満足してもらうラインナップはもちろんのこと、ワインと料理のマリアージュを若い人にも味わって欲しいんです。店名が白を意味しているので、ぜひまっさらな気持ちで楽しんで見て欲しい」とシェフの山内功一氏。
北海道の食材をシンプルに調理した料理は、本場・パリや日本の名店を長く渡り歩いた山内氏の出したひとつの答えだ。
「肉も、魚も、野菜も、極上の食材が手に入るのだからシンプルにその味を生かすのが札幌でのフレンチ。それがこの店では、しっくりくると思っているんです」
今であれば北海道産のジビエ。運が良ければ、ハンターでもある同店のオーナーが自らハントした鹿や鴨などがその日のうちに届けられ、シンプルに旨みを引き出しながら山内シェフが調理してくれるのだ。そこに合わせるのは、厳選のワイン。食べて、飲んで、マリアージュに驚く。そんな食の楽しみを教えてくれる一軒だ。 -
TXOKO
- 今年の夏に移転をし、現在の場所で新たな船出をしたばかりの新生【チョコ】。現在の店はカウンターを中心にした13席。すすきのの雑居ビルの中に隠れるように佇んでいる
- 『朝イカの墨煮ビスカイヤ風 サフランライス添え』。小ぶりなイカの中にパプリカやゲソがたっぷり入る
- 『真だち(白子)と根セロリのムースとビーツのジュレ』。深海魚である鱈と根菜の土っぽさを合わせた
- 「事前に要望があればフルコースや古典的なフランス料理のコースも可能です」と按田シェフ
- バスク地方の地酒・チャコリは微発泡で魚介料理との相性抜群。その他のワインもバスクのものが中心
バスクで研鑽を重ねた
シェフの小さな実力店「TXOKO(チョコ)とは、フランスとスペインの国境に位置するバスク地方の言葉。バスクでは素人が各々楽しむ、美食クラブの総称として使われているのです」
店名の由来を聞けば、そう教えてくれる按田宏之シェフ。決して多くを語るタイプではないのだが、そんな美味しいものが集う店でありたい、そして自身の料理の背骨となったバスクの料理を楽しんで欲しいという願いがこの店名には込められている。
バスクで過ごしたかけがえのない時間。研鑽を重ねた星付きの店であっても、近所の人が厨房にご飯を食べに来たり、小さな子供からでも大歓迎であったり、レストランは実に身近で親しみやすい存在であった。それは街場のバルや老舗のビストロなどでも同様で、バスク地方の食への愛情と意識の高さに驚いたという。
「自分の店もそうありたい」。口数は少ないが、実直な按田シェフはそう話す。店をひとりで切り盛りするため、サービスはできる範囲。だからこそ、料理はお客様に伝わるように北海道の素材の味をシンプルに味付けし、そこにバスクらしい調味料やエッセンスを忍ばせる。
「料理でお客さまとコミュニケーションをとる。そこから料理を中心に会話が弾めば嬉しい」と笑う。
今であれば鱈。北海道では鍋にするのが定番だが、バスクもまた、鱈料理は豊富。しかも按田シェフ曰く、北海道の鱈はバスクとは比べ物にならないほど美味だという。それを白子にホホやノドの肉まであますところなく。すすきのの雑居ビルの地下には、そんな名店が潜む。 -
Le Gentilhomme
- 店のオープンから27年間にわたり北海道のさまざまな生産者とパイプをつくってきた大川シェフ。毎日のように届く食材は、まさに今が旬と言わんばかりの鮮度抜群、味わい濃厚、滋味豊かな食材が届く
- 『北海道産青首鴨のロースト トリュフのソース』はフォンドヴォーではなく、あえて鴨の出汁をソースに使った
- 人気の前菜『北海道産花ズッキーニのファルシに海の幸を添えて 生姜の香るホタテのコンソメと共に』
- フランス在住の洋画家・山崎修氏の絵画が飾られた店内。山崎氏は大川シェフのフランス時代の友人でもある
- 800種8000本を揃えるワインは、国内屈指の貯蔵数。さまざまな種類・ヴィンテージを求めワイン愛飲家が集う
変わらず進化を続ける
札幌のグランメゾン「おいしさとはなんだろうね。難しい質問だね」
札幌で27年続く、グランメゾン【ル・ジャンティオム】のシェフ大川正人氏はそう言って、少し考える。
「まずはソースを大事にしたい、そしてそれをしっかり受け止めるワイン。私のフランス料理はそれが基本です。そこに空間であったり、装飾のアートやサービスも含めて、この店の要素だと思うんですよ。さらに言えば、お客様に満足していただき、食材の生産者や料理人やスタッフが幸せになる。それが追求するおいしさかな」
27年続く、札幌きってのグランメゾン。この店を巣立って活躍するシェフも今では数多い。すすきのの外れにあり、決して安くはないフランス料理のフルコースで勝負する同店。ワインリストには通を唸らせるほどの銘酒の数々が並ぶ。それは、若き大川シェフが渡仏し、感銘を受けたフランスそのままなのだ。【ギー・サボア】【ヴィエイ・フォンテーヌ】【トロワグロ】など名店での修業の後、それを実直に表現したのが【ル・ジャンティオム】。北海道の力強い食材は、季節感のあるトラディショナルな大川シェフの料理にすっと馴染んだ。そうして紡ぎ続けた27年。食材も料理も常に先を見ているが、今なお、きちんと足元を大切にしたクラシカルな味わいは、色褪せずに最高の時間を約束してくれる。
誰か大切な人を喜ばせたい。もしもあなたがそう思うとき、こんな名店をご自身の引き出しにしまっておければ、相手の喜ぶ顔は約束されている。
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三國清三シェフ
今回、オススメしてくれたシェフのお店
※このページのデータは、2015年11月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。