第18回:シェフとして、経営者として
作家・田中康夫さんや本場の「ガンベロ・ロッソ誌」(イタリアのミシュラン)から評価されたが、当初は批判もあったという原田氏。職人気質で自身のお店を一年ほどで繁盛させ、予約の取れない店までに。イタリアで修業をしていない負い目もあったが、自身の表現を追求し続けたシェフは、オーナーとして自信を確立した今、オーナー目線のお店のピークへの持論とイタリア料理における「古典回帰」を語ってくれた。
世間の反応と自信の確立
――結構批判的なことを言う人がいたって聞きますが。
原田:そうですね。そもそも僕は古典的なイタリア料理をやろうと思っていなかったんです。少し新しめでコンテンポラリーな料理をやっていきたいと思っていたのでいろいろチャレンジをしたんですね。それをみて「こんなのイタリア料理じゃないよ」とまで言われました。特にイタリア料理を食べ慣れている方に言われましたね。
――そういう方がおっしゃる「イタリア料理」はどういったものですかね。
原田:現地で食べられるイタリア料理ですね。魅せ方とかが違うだけであって、根本的にやっていることはちゃんとやっていたんですが、そこを理解してもらえませんでした。
ライバルへの意地とプライド
――シェフとして意識される方っていうのは何人かいらっしゃると思うんですが、原田さんはどういう方を意識されますか。
原田:よく雑誌とかでライバルとはと聞かれるんですが、そんなに意識していないんです。しいて言えば僕のもとにいた人間ですかね。いま広尾の【アロマフレスカ】の頃、僕のもとで働いていた人間がオーナーシェフになって何人か活躍しているので、やっぱり彼たちがライバルですかね。変な姿を見せられないし(笑)。