第144回:この夏、【ポークビンダルー食べる副大統領】をオープン
代々木八幡エリアで不動の人気を誇るポルトガル料理店を営む【クリスチアノ】の佐藤幸二シェフは現在6店舗を経営中。そんな彼がこの夏、新たにオープンしたのは、酸っぱ辛いカレーが癖になると話題の“ポークビンダルー”の専門店、その名も【ポークビンダルー食べる副大統領】というお店。奥渋に位置し、カウンター6席ほどのこじんまりとしたお店が放つインパクトのあるカレーは一体どんなお店なのか?その誕生秘話を徹底インタビュー。
気になる、『ポークビンダルー』ってなに?
――ロゴの上に小さく書いてある「ポークビンダルー食べる」っていう面白いネーミング(笑)。ネーミングセンス抜群ですよね。
佐藤:それ含めて店名なんですよ。副大統領だけじゃなくて(笑)。僕がポルトガル料理屋さんをやっていて、ポルトガル料理に『カルネ・デ・ビーニャ・ダリョス』という、お酢やにんにくを使った料理があるんですけど、その料理から派生したのが「ポークビンダルー」っていうインドのカレーというのを知って。基本的にお酢とニンニクをスパイスで煮込んだカレーです。なかなか食べられるお店がなかったんですけど、ある時、食べる機会があったんです。そしたらものすごくおいしくて。そんな時にお店やらない?って言われたので「これだ!」と思いましたね。
コンセプトは、「とっつきやすい、ポークビンダルー」
佐藤:ポークビンダルーをご存知な方からすると酸っぱいカレーっていうイメージが強いんですが、「みなさんのイメージを変えたいな」という思いもあったので、酸味だけじゃなくて辛味があったり、野菜の甘みがあったりだとか、そういう部分を強調して、もっと身近に、とっつきやすいものとして考えてもらいたいなと思ってレシピをつくりました。単純に、カレー粉と野菜を煮込んでおしまい。インドのカレーって基本ダシを使わないで水なんですよね。同じように水でコトコト煮込んで。豚肉は一日かけて発酵させています。
――これが、めちゃくちゃおいしいんですよね。酸っぱすぎず、辛すぎず。野菜もたっぷりで約10種類ほどがこんもり乗っかっていて。