フレンチの名店で味わうごほうびランチ。 | ヒトサラ
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Florilege
- 自在な発想でかつてない美味を作り上げる川手寛康シェフ。その料理は突飛な閃きの結晶のようで、実は科学的根拠に基づいて、綿密な計算の上で組み立てられている。印象深く、驚きがあり、そしてしっかりとおいしい。それがシェフの料理の真骨頂
- 低温で火を入れた牡蠣をヒジキとオカヒジキで包んで揚げる「牡蠣のかき揚げ」。川手シェフの独創性が光る一品
- 1ヶ月以上塩漬けにして熟成させる「馬肉のロースト」。焦がし野菜がアクセント。料理はすべてランチコースの一例
Florilege
奔放な想いが料理に潜む 綿密な計算と伝統の技「おまかせで一本のディナーに対して、ランチはプリフィクス。選ぶ楽しさを味わって頂ければ」と語るのは、オーナーシェフの川手寛康氏。ランチとディナーで明確に方向性を変え、異なる楽しみを提案する。だが、プレゼンテーションが変わろうとも、素材の質やレシピはまったく同じ。無論、料理への思いも何ら変わることはない。 シェフの思いの根幹は「自由であること」。ゆえに料理にはいつも意外性が潜んでいる。シシャモやドジョウといった和の食材、あるいは唐揚げやかき揚げなどの技法。だが、単に奇をてらうのではなく、あくまでもフレンチの枠組みに着地する。珍しい食材なら、あえてフレンチの伝統的手法で仕立てる。逆に定番の素材なら、レシピで個性を演出する。奔放なようで計算され尽くされた上質な料理は、いつも驚きで迎えられ、満足の笑みで受け入れられる。 自由な発想と精密な技で仕立てられる、ここだけのフランス料理。訪れたすべての人の記憶に残る味と時間を約束する稀有な一軒だ。
Florilege
03-6440-0878 住所:東京都港区南青山4-9-9 AOYAMA TMI 1F
営業:12:00~L.O.13:30/18:30~L.O.21:00
休日:水曜 お店の詳細情報を見る -
L’EMBELLIR Naoto Kishimoto
- 食材について語る際、とにかく笑顔を絶やさない岸本直人シェフだが、厨房に立てば一転鋭い眼光に。自然の恵みをひと皿に描き出すよう、生産者が丹誠込めて作り上げた食材に最後のひと仕事を施すのである
- 「秋の訪れ カマスと茄子の炭火焼き ソース・ブールブラン」。茄子を千葉県産カマスで包み、土佐の備長炭で焼き上げた
- 食後にコーヒーとともに出される小菓子。この日はパータフリュイにクグロフとフィナンシェが添えられて登場
L’EMBELLIR Naoto Kishimoto
素材の秘めたる魅力を導き出す 情緒豊かなランチコースオマール海老やフォアグラを全面に打ち出したコテコテのスタイルは好まない。かといって素材をこねくり回すようなことはもってのほか。2006年のオープン以来、オーナーシェフの岸本直人氏が一貫してこだわってきたのは、国産食材を主役に据え、その魅力を引き出したフレンチ。 「先週は長野、今週は京都、来週は秋田……。店が終わってすぐに飛んでいくことも珍しくない」 岸本氏が全国を訪ね歩き、本当に旨いと思える食材を探し出すのは、その出会いの感動や土地の匂いまでをひと皿ひと皿に落とし込むため。 この日、アミューズブーシュとして登場したショウサイフグのフリットは、フグ調理師免許を7年前に取得し、日本を代表する食材・フグをメニューに組み込んだひと品で、和栗のスープはパリの街角でドラム缶を使って焼かれる焼き栗をイメージ。長野でしゃぶしゃぶとして味わい、感銘を受けた千代幻豚は、あえてミンチにしてバラ肉の蒸し焼きと……。 そんな情緒に富んだ品々がディナーでなくランチコースで味わえるのだから贅沢極まりない。素材に対する岸本氏の飽くなき探求心はゲストの想像力すら豊かにする。
L’EMBELLIR Naoto Kishimoto
03-6427-3209 住所:東京都港区南青山5-2-11 R2-A棟B1F
営業:11:30~L.O.14:00/18:00~L.O.21:00
休日:月曜、日曜のディナー -
Cuisine[s] Michel Troisgros
- 2011年からの1年間、東京のフレンチレストランで働いた経験は、日本の食材や和食に対するギヨーム氏の好奇心をさらに高めた。帰国後には【メゾン・トロワグロ】でも研鑽を積み、名店の料理哲学を学んだ
- 「サーモンのマリネ 柚子胡椒の香り」。柚子胡椒はシェフがフランス時代から使っていたというお気に入りの調味料だ
- 「仔牛のもも肉のフィナンシエール風」。もも肉はクレピーヌで包むことであえてロースト感を控えている
Cuisine[s] Michel Troisgros
クラシカルでありながら革新的 進化し続けるフレンチの名店45年という長きに亘り、ミシュランガイドの三ツ星を保持し続ける【メゾン・トロワグロ】。その3代目オーナーシェフ、ミッシェル・トロワグロ氏が、フランス国外で監修する唯一のレストランとして手がけるのが、ここ【Cuisine[s] Michel Troisgros】だ。現在、エグゼクティブシェフとして厨房を率いるのはギヨーム・ブラカヴァル氏。昨年8月に就任した若き料理人だが、旅を愛し、食材や季節をリスペクトする心など、ミッシェル・トロワグロ氏との共通点は多く、革新的に挑み続ける料理哲学をしっかりと受け継いでいる。 そんな志は、ランチコースにも顕著だ。サーモンはユズ胡椒でマリネし、ユズ果汁を加えたヨーグルトソースと合わせることで、和の食材をしなやかに調和させる。フィナンシエール風に仕立てたメインの仔牛のモモ肉は、ソースにキノコを使うのでなく、スライスしたマッシュルームを散りばめることで、より季節感を強調。グローバルかつ自由な発想を取り入れた料理の数々。それらに触れる度、まだ見ぬ世界を冒険するかのような楽しさが込み上げてくる。
Cuisine[s] Michel Troisgros
03-3348-1234(代表) 住所:東京都新宿区西新宿2-7-2 ハイアット リージェンシー 東京
営業:12:00~L.O.13:30/18:00~L.O.20:30
休日:水曜(1~11月) -
Les enfants gates
- スペシャリテである田舎風から旬素材で仕立てる季節の味まで。小さな台形のテリーヌに、シェフのイマジネーションと技が遺憾なく発揮される。とくに、前例のない食材のコンビネーションを絶妙なバランスで組み立てるのは類まれなるセンスの賜物
- 前菜の小さいテリーヌ。旬の素材を組み合わせて季節感溢れる味に仕上げる。写真はサンマ、シイタケ、山芋の一品
- 海老とササミの食感のコントラストが魅力の「活オマール海老と地鶏のササミのミキュイ オリエンタル風のテリーヌ」
Les enfants gates
10 cm四方のテリーヌに フレンチの粋を凝縮する最も有名なフランス料理の定番であるテリーヌは、同時に無限の広がりを秘めた料理でもある。ここは、そんなテリーヌの可能性をひたすら追求する店。あるときは、伝統的手法で重厚な旨みを、またあるときはかつてない食材の組み合わせで感動を演出する。実力派シェフのイマジネーションの元、テリーヌは自在に姿を変えて、ゲストを驚かせるのだ。 メインディッシュのないランチコースは、5cm四方の小さなテリーヌで幕を開ける。季節の素材を取り入れた前菜に、コースへの期待は高まる。続いてはスープを挟んでテリーヌを2皿。常時9種類揃う中から、好みのものをチョイスできる。熟成を経て深みを増した田舎風から色とりどりの野菜、オマール海老をふんだんに使う逸品まで。さまざまな個性を放つ美しいテリーヌ・コレクションは、メイン料理に引けを取らぬ存在感を放つ。 メインを省略することでより気軽な雰囲気を醸しつつ、テリーヌで十分な満足感を生み出す。ランチタイムにだけ楽しむことができる、格別なひとときである。
Les enfants gates
03-3476-2929 住所:東京都渋谷区猿楽町2-3
営業:12:00~L.O.14:00/18:00~L.O.21:30
休日:月曜(祝日の場合は翌日) お店の詳細情報を見る -
レストラン タテル ヨシノ 銀座
- 銀座の地にありながら開放的な空間を演出するメインダイニング。壁面にはフランス人アーティストがシェフの料理コンセプト“自然”に合わせて作成したオブジェが大胆で印象的に配されている
- 4品から選べる前菜。写真は「トーション仕立てと、マリネのフォアグラ フリュイセック添え」
- 6品から選べるメインディッシュ。写真は「仔羊のロースト クルミのペルシャード仕立て」
レストラン タテル ヨシノ 銀座
大地の味をひと皿に落としこむ フレンチの巨匠の味を銀座で自然や風土に逆らわず、大地の実りをそのまま皿に盛り込むような「テロワ(大地)」の料理。パリ、芝公園、汐留とそのすべての店で星を獲得し続ける吉野建シェフが美食の街・銀座の地で表現するのは、やはり自然を感じる大地そのものの味わいだ。まさに、氏の真骨頂である自然を慈しむ味わいは、この銀座でも変わらずに、そして色褪せず、輝きを増し続ける。 店を訪れてまず感じるのは、その開放感。銀座4丁目にありながら、ビルの12階に位置する店は驚くほどに開放的。7mはあろうかという驚きの天井高に、メインダイニングはその大半がガラス張り。ランチであるなら、陽光降り注ぐ、天空の楽園がそこに出現する。 さらに素材の持つ味わいを極限まで引き出し、華麗な一皿に仕上げる料理。フォアグラ、野うさぎ、エクルヴィス(フランス産ザリガニ)など、フランス料理のトラディショナルな素材が、モダンに仕上げられる。見た目にも華やかな、その独創的な味はまさに世界を魅了する味。 そう、銀座の地であっても、大地の味を、そしてフランスの味を、吉野シェフは伝統と革新を持って表現し、届けてくれるのだ。
レストラン タテル ヨシノ 銀座
03-3563-1511 住所:東京都中央区銀座4-8-10 PIAS GINZA12F
営業:11:30~L.O.14:00/18:00~L.O.21:00
休日:火曜、他 お店の詳細情報を見る
※このページのデータは、2013年10月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。