名店の味を 気軽に。 | ヒトサラ
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やきとり阿部 (旧店名:焼き鳥 gallus)
- 店内は【鳥しき】同様カウンターが中心だが一部が対面式になったユニークなつくり。ダクト付きの焼き台を採用しているため、炭火による煙の匂いも気にならず、スマートに過ごすことができる
- 焼き鳥は単品での注文も可能だがおまかせコースも人気。コースには前菜盛り合わせや鶏スープも付く
- 前菜盛り合わせ。通常は2人前だが、写真は1人前。この日は鶏肉のリエット、もも肉の燻製などが登場
- 福島県の契約農家から届く伊達鶏は、抜群の鮮度を保ったまま紀州の備長炭で丁寧に焼き上げていく
- 店を任されるのは【鳥しき】で1年半みっちりと研鑽を積んだ阿部友彦さん。若き焼き鳥職人だ
やきとり阿部 (旧店名:焼き鳥 gallus)
予約専用番号:050-5871-7642 お問い合わせ専用番号:03-5422-9834 住所:東京都品川区上大崎3-3-4 Miyuki House1F
営業:18:00~L.O.23:00
休日:日曜(土曜もしくは月曜が祝日の場合は連休) お店の詳細情報を見る日本一の名店仕込みの焼き鳥
ワインと合わせると……割烹料理店を思わせる凛としたカウンター。目の前の焼き台から次々と繰り出される渾身のひと串に、舌が肥えた食通も思わず顔を綻ばせる。ミシュランガイドで一つ星を獲得したこともある目黒の人気店【鳥しき】。言わずと知れた予約困難な焼き鳥店であり、その焼き鳥は日本一との呼び声も高い。
そんな名店が2013年6月にオープンしたのが、同じ目黒にある【やきとり阿部(旧店名:焼き鳥 gallus)】。朝締めの伊達鶏を使った焼き鳥のポテンシャルは本家同様。ト体で届く鶏肉は、鮮度を損なわぬよう仕込みの段階で部位ごとにばらし、焼き鳥の命ともいうべきタレは、開店に合わせ月日をかけて本家から受け継いできたものを使う。では、本家との差別化は一体どこにあるのか? 店主の阿部友彦さんが言う。
「【鳥しき】でワインを求めるお客さんがすごく増えてきたんです。であれば、『焼き鳥とワインに特化したお店があってもいいのでは?』と、始めたのがこのお店」
焼き鳥の美味しさはそのままに、合わせるワインは60種ほどをオンリスト。本家では焼き鳥ひと筋だが、前菜盛り合わせ、〆の鶏モツカレーなど、ワインと合わせたくなる洋風メニューも用意する。焼き鳥×ワイン。今では珍しくない取り合わせだが、さすがは名店仕込み。そのマリアージュには、やはり顔が綻ぶ。 -
ビストロ ヌガ
- 壁に書けられた名作映画のポスターなど、パリのビストロをイメージした店内。2階席はよりシックな空間になっており、2名がけのテーブル席が中心。デートなどの際には2階席がおすすめだ
- 手長エビやムール貝、ホタテ、牡蠣、鮮魚などがたっぷり入った『スープ・ド・ポワソン』
- 提供までに60分を要する『仔羊のロースト』。ゆっくりと火を通し、驚くほどジューシーに仕上げる
- ワインバー【シノワ】の系列店ということもあり、一部を除き、ほぼフランス産のワインを揃える
- 「ボリュームがあるものが多いので、シェアしてもらうのがいいと思います」と宮元一成シェフ
ビストロ ヌガ
:03-6254-5105 住所:東京都中央区銀座6-12-2 東京銀座ビル1F
営業:17:30~L.O.24:00(土曜は12:00~、日曜・祝日は12:00~L.O.22:00)
休日:無休 お店の詳細情報を見るワインと料理が奏でる
パリの雰囲気を味わって銀座6丁目の路地裏を歩いていると、ここはパリの街角なのでは?と錯覚を覚えてしまう店がある。【ビストロ ヌガ】は、そんな本場の空気感まで届ける店。店内に一歩足を踏み込めば、心地よいシャンソン、さらには客の笑い声やおしゃべりの喧騒までも、実に心地よいBGMを奏でてくれるのだ。ここが銀座と渋谷にあるワインバー【シノワ】の姉妹店と聞けば、至極納得してしまうだろう。そう、見た目は賑やかなビストロなのだが、ふとセラーに目をやれば、レア物から年代物まで、ワインラバー垂涎の品も多数。ワイン好きが夜な夜な集うからこその楽しげな雰囲気が自然と溢れてくるのだ。
料理もまた秀逸。3日以上かけてつくり上げる『スープ・ド・ポワソン』は、スープと魚介を別々に出すマルセイユスタイル。大ぶりの『自家製ソーセージ』は、豚のもも肉をベースに、のどや耳、豚足なども加え、ぷるぷるのゼラチン質と小気味良い食感をプラスする。
「たっぷり食べて、たっぷり飲んでがビストロの基本。だからボリュームもパリに負けないようにしたかった」と宮元一成シェフ。どのお皿も、しっかりのボリュームに加え、味への工夫こそがシェフの真骨頂なのだ。
女性同士やカップルも多いのだが、実はワイン好きの男性客や、会社の同僚であろう男性陣も気兼ねなく楽しめる骨太感も魅力。そう、酒好きが生み出す、楽しげな空気こそがこの店の最大のウリなのだ。 -
アンティカ・トラットリア シュリシュリ
- 「材料さえあれば、何でもつくりたい」との想いで厨房に立つ高橋シェフ。ゲストのちょっとしたリクエストにも応えてくれるフレキシブルなもてなしは、イタリア修業の経験から身につけた
- 『仔羊のラグー ストロツァプレティ』。ボローニャでの修業時代に現地のシェフからたたき込まれた料理
- シチリアといえばまずはパネッレから。ワインのつまみとしてはもちろん1杯目のビールにもよく合う
- 約80種をストックするワインセラー。シチリアをメインにしたイタリアワインが大半を占めている
- 店は【ドンチッチョ】より落ち着いた雰囲気だが、気さくなスタッフのもてなしは本店ゆずり
アンティカ・トラットリア シュリシュリ
予約専用番号:050-5871-7643 お問い合わせ専用番号:03-6721-1331 住所:東京都港区青山2-18-20 南青山コンパウンド1F
営業:12:00~L.O.14:30/18:00~L.O.22:30
休日:日曜(月曜が祝日の場合は連休) お店の詳細情報を見るシチリア料理を柱に
高橋シェフの色が輝く東京におけるシチリア料理の草分け的存在として知られる【トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ】。その姉妹店と聞いて訪れた人は、少し拍子抜けするかも知れない。わいわい、がやがや、本場シチリアのトラットリアさながらの雰囲気を醸し出す【ドンチッチョ】とは異なり、【シュリシュリ】はアンティークのインテリアの中にゆったりとテーブルをレイアウトした落ち着いた空間。メニューには鰯とウイキョウのカサレッチェ、マグロのオーブン焼きといったシチリア料理以外にも、多彩な郷土料理が並ぶ。
「イタリアでの修業時代に拠点となったのがボローニャでした。本店のシチリア料理を大切にしつつも、自分の色も出して行けたら」とは、【ドンチッチョ】で6年の研鑽を積んだ高橋健太シェフだ。例えば、ひよこ豆のペーストを薄く伸ばしカラッと揚げたシチリア名物のパネッレは、シチリアのリパリ島のレストランで学んだキューブスタイルを踏襲し、トロリと蕩ける食感に。仔羊のラグーソースでいただくストロッツァプレティという手打ちパスタもボローニャでみっちりとたたき込んだ味だという。
オープンからおよそ1年半かけて、少しずつ打ち出してきた【シュリシュリ】の色。はじめは【ドンチッチョ】の味を求めて訪れるも、やがてこの店の味に魅了されて常連になっていった客も少なくない。 -
タテル ヨシノ ビズ
- 大きくとった窓が開放的な雰囲気を醸すダイニング。テーブルクロスは敷かれているが、ウェイティングプレートはなく、カジュアル感を演出。パークホテルの25階というロケーションも申し分なくランチタイムなら浜離宮を望むこともできる
- ルクルス『スモークした牛タンとフォアグラ ミルフィーユ仕立て』。前菜のなかの一品で柿のピュレを添えている
- アミューズ『牛肉のリエット ボルシチ風』。真っ赤なビーツのエスプーマのなかにリエット。美しさに目を見張る
- 『サーモンのミキュイ ブロッコリーソース』。脂乗りも抜群のサーモンを絶妙の火入れでしっとり仕上げ
- 吉野建シェフ。テロワの料理をコンセプトに掲げ、自然や風土に逆らわず、大地の実りをそのまま皿に盛り込む
タテル ヨシノ ビズ
:03-6252-1155 住所:東京都港区東新橋1-7-1パークホテル東京25F
営業:11:30~L.O.14:00/18:00~コースL.O.21:00、アラカルトL.O.22:00
休日:無休自然の恵みを実感する、
テロワの料理をもっと気軽に例えば、メニューの前菜にリストアップされた『ルクルス:スモークした牛タンとフォアグラ ミルフィーユ仕立て』。美しく層を成す、タンとフォアグラのコントラストが見事で、コースの冒頭から気持ちは早くも高揚していく──。
吉野建シェフがつくる料理はかくのごとく、いつも華麗。パリに自身の店を構え、16年もの間、ミシュランガイドで星を獲得し続けてきた実力を痛感する。そして、さらに驚くのは食してから。燻製香が漂うタンのしっかりとした旨みは、濃厚なフォアグラのコクと渾然一体に。理に適った取り合わせを実感する、その妙味は、自然や風土に逆らわず、大地の実りをそのまま皿に盛り込んだ、「テロワ(大地)の料理」の具現化にほかならない。
素材が持つ、個性や魅力を極限まで引き出し、美しくも華麗なひと皿に仕立てる。【タテル ヨシノ ビズ】は、そんなシェフの料理をもっと気軽に楽しんでもらうべく、今年から営業を開始した新店。「普段遣いのフランス料理」をコンセプトに掲げており、ディナーコースでも4800円&6800円という価格設定にまず驚くが、料理は基本的に吉野流の美しいフレンチを踏襲。そのスタイルは『レストラン タテル ヨシノ』の入門編ともいえるだろう。
「お客様のことを考えて調理する。だから、美味しさはわかりやすく、明快に」。そんなテロワの料理が気軽に楽しめる新店の登場。それは時代の要請なのかもしれない。 -
レストラン間
- コース料理の数々、スタッフのサービスはまさにレストランのそれだが、店に堅苦しい雰囲気は一切ない。オープンキッチンから伝わってくるライブ感もまたこの店の魅力のひとつだ
- 厨房を仕切るのは表成治シェフ。味わい、香り、食感など、多彩な調理法を駆使して野菜の魅力を引き出す
- おまかせコース『野菜のオーケストラ』のメイン。この日は黒毛和牛種かつべ牛のグリエ ソースペリグー
- ひと皿目の前菜として必ず登場する野菜のパフェ。約15種の野菜が織りなす重層的な味わいが楽しめる
- ワインはフランス産が約80種。コスパがよく、ワイン慣れしてない人でも親しみやすい味わいのものも多い
レストラン間
予約専用番号:050-5871-7640 お問い合わせ専用番号:03-5708-5234 住所:東京都渋谷区恵比寿南2-25-3 EBISU HANA BLDG1F
営業:18:00~L.O.20:00、金・土曜・日曜12:00~15:00/18:00~L.O.20:00
休日:月曜、第3火曜 お店の詳細情報を見る野菜を駆使した全7皿が秘める
サプライズと抜群のコスパアミューズが供されて幕を開ける【レストラン間】のディナーコース。この店のスペシャリテともいうべき一品は、続くひと皿目の前菜で早くも登場する。その名も季節の野菜のパフェ。
まずその見た目が楽しい。背の高い透明な器に、新鮮な生野菜のほか、紫キャベツのマリネやカリフラワーのムース、ゴボウのフリットといったまざまな調理法を駆使した野菜が、まるで“パフェ”のごとく盛られてくるのである。そして、一口味わえば旬の野菜のビビッドな食感と滋味が渾然一体となって舌を楽しませる。それはまさしく『野菜のオーケストラ』と名付けられたコースを象徴するかのような一品。ゲストの心をグッとつかむのである。
このひと皿だけでも使われる野菜はおよそ15種。全7皿のコースになれば、その数は40種類以上にも及ぶ。
「野菜はとにかく種類が豊富で、旬がはっきりしている。調理法によっても味わいも多様に変わっていきますから使っていて本当に面白いんです」とはオーナーシェフの表成治さん。野菜を主役にしたコースは、同じ恵比寿の人気店【ビストロ間】で料理長を務めた時に築き上げたもの。エンターテイメントのひとつとして捉えるこの店の料理には、食べる楽しさと喜びを呼び覚ます魅力が詰まっている。
※このページのデータは、2014年9月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。