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Alain Ducasse au Plaza AthÉnÉe アラン・デュカス・オ・プラザ アテネ
常に未来を見つめる料理界の巨匠が信じる
野菜、魚介、シリアルの果てなき魅力現在、世界7カ国に50以上の店を展開する、フランス料理界の重鎮アラン・デュカス氏。モンテカルロ、ロンドン、パリ、世界3都市で同時にミシュラン3ツ星店を手がける、世界唯一のシェフだ。
巨大なグループ・アラン・デュカス、フランスの旗艦店はパリの【アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ】だ。直訳すると、“プラザ・アテネのアラン・デュカス”。パリきってのラグジュアリーホテル「プラザ・アテネ」内に、2000年から居を構えている。-
正統派でモダンな高級フランス料理で3ツ星を獲得し続けてきたが、2014年、ホテル全体のリニューアル工事に合わせてこの店も改装を行い、新たなコンセプトを掲げ、新生【アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ】がお目見えした。
新コンセプトは、“持続可能な魚介、シリアル、野菜”をテーマにした料理。グループ内のシェフとして中東の店舗で活躍していたロマン・メデー氏を新たなシェフに据え、二人三脚でメニューを一新した。 -
自然の恵みと食材のナチュラルな美味しさを追求する新たなスタイルの料理開発のため、デュカス氏が日本訪問時にその料理に感銘を受けたという、精進料理人の棚橋俊夫氏を数ヶ月パリに招き、精進料理の哲学や技術も組み入れたという。
そうして誕生した、今までに例を見ないスタイルの新料理。その料理に対して初め、パリジャンはもちろん世界中からパリにやってくる食通の中には異議をとなえる者もあった。 -
フランス料理の花形といえば、やはり肉なのだ。【ラルページュ】が野菜に方向転換した時もそうだったが、フランス料理の最高峰である3ツ星店、かつ豪華ホテルのメインダイニングなのに、シリアルや野菜、イワシなどの大衆魚を主役にするなんて! という声が上がったのだ。
この大きな変化に対し、ミシュランも慎重な姿勢をとり、リニューアル後1年目は2ツ星に降格。しかし、デュカス&メデーが率いる厨房スタッフはこのコンセプトの可能性を信じ、料理をさらに追求し、翌年、有無を言わさず3ツ星を奪回して現在に至っている。 -
ひよこ豆、かぼちゃ、イワシ。文字にするとごく庶民的な食材だが、最高質のものを手に入れ、綿密に調整された完璧な調理法で極上の料理に変化させる。同時に、ヒラメやキャビアといった高級食材も取り合わせ、魚介、シリアル、野菜の魅力を、この店でしか実現できない料理に姿を変えて皿に乗せる。
食材の自然なおいしさを、調理という人間の技術と掛け合わせた、錬金術のような料理を生み出し、常に時代のその先を睨んでいるアラン・デュカス氏。今、ようやく時代がこの店のコンセプトに追いつき、その魅力は、ミシュランはもちろん世界のベストレストラン50でも高く評価されている。
シェフの哲学 ロマン・メデー氏
魚介、シリアル、野菜に特化した、今までにない料理アプローチ。豊かな自然が生産者たちを通して我々に与えてくれる全ての恵みを大切にしながら、デュカス氏と共に、その魅力を最大限掘り下げていきたいと思っています。
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Column
2018年世界のベストレストラン50で
ベスト・パティシエに選ばれた
セドリック・グロレ氏にインタビュー
インスタグラムのフォロワー数、100万越え。
【ル・ムーリス】シェフ・パティシエとして活躍する
セドリック・グロレ氏は、今、世界中が注目するパティシエだ。
世界から熱い視線が注がれる、【ル・ムーリス】のシェフ・パティシエ、セドリック・グロレ氏。彼のスペシャリテは、様々なフルーツの形を極薄のホワイトショコラで精密に再現し、そのフルーツのおいしさをジュレやコンフィなどに仕立てて内部にたくみに仕込んだ、”フルーツ”シリーズ。「季節が私を導いてくれます」と語るセドリック氏。四季折々の極上フルーツにインスピレーションを受けたこのシリーズは、美しいヴィジュアルと、シンプルかつ印象的な風味で、食べ手に大きな感動を与える。
ミルフイユやパリブレストといったクラシックなフランス菓子も、彼のもう一つのスペシャリテ。「形や風味は変えない、でも素材にこだわりぬき、一つ一つのパーツを研ぎ澄ませています」。彼の伝統菓子を食べると、その完成度の高さに、ミルフイユやエクレールはこんなにおいしいものだったのか? と、ため息がでる。
ファインダイニング【ル・ダリ】で提供するアフタヌーン・ティも人気だが、2018年春にはホテル内にパティスリーを併設し、店の前には日々長蛇の列。今、パリで最も熱いスイーツスポットになっている。