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グローバルな食のパラダイスへ 香港の
TOPレストラン
Hitosara special

意欲的な東西融合や伝統復活など、シェフの挑戦を歓迎するダイナーが集まるのが、活気溢れる食い倒れの街・香港。
世界中から集まるシェフも食材も高水準な国際都市で、本場の広東料理はもちろん、
今の香港で食べるべき最先端レストランをご紹介します。

Photographs by Miyuki Kume, Billy Ha, Takuya Suzuki / Text by Miyako Kai, Shinji Yoshida
Coordination by Miyako Kai / Design by form and craft Inc.

月掲載
  • ta vie旅 タヴィ

    フレンチ×日本料理を
    香港やアジアのエッセンスで色付け

     軽井沢の名店【エルミタージュ ドゥ タムラ】で5年、世界にその名を轟かせる【龍吟】で3年、さらに香港の【天空龍吟】ではオープンニングシェフを任せられた佐藤秀明氏。フレンチと日本料理を学んできた経歴を持つが、佐藤氏はそれらをただ融合しただけの料理をつくるようなことはしない。むしろ、「そういう店は他にいくらでもある。なるべく日本的な要素は控えるようにしています」という。だからこそ、そこに加わる香港、アジアというエッセンス、自分らしさは、この店の、佐藤シェフの真骨頂ともいえる。
     たとえば、アワビが殻ごと登場したかのように見える一品。が、実はフェイク。殻に見えるのは、アワビの肝とほうれん草のペーストを折り重ねて焼いたパイで、白ワインやコニャック、香味野菜で柔らかく煮込んだアワビの身に被せている。これは、ジビエを使ったシヴェというフランスの郷土料理を、アワビに置き換えたものだ。さらに、ワインも香港らしく、中国の寧夏(ニンシャー)という産地をラインナップするほか、水出し茶と料理とのペアリングの提案にもこの店らしさが溢れる。
     「香港には街中にマーケットがいっぱいある。毎日足を運んでいるといろんな発見があったり、イメージが膨らんだり、他の店のシェフと出会ったりね」
     そうして見つけて来た食材、出会いが佐藤氏のアイディアの源。そこには旅するような新たな驚きとの邂逅が待ち受けている。

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