冬の贅沢あんこう
春に産卵を控え、栄養をたっぷりと蓄えたあんこうが冬の訪れを告げます。骨以外捨てるところがないと言われるほど、あらゆる部位を異なる食感で楽しめる魅力たっぷりのあんこう。今回はあんこう鍋の名店、淡路町【いせ源 本館】と、フレンチの名店・六本木【ル・ブルギニオン】のあんこう料理をご紹介します。
春に産卵を控え、栄養をたっぷりと蓄えたあんこうが冬の訪れを告げます。骨以外捨てるところがないと言われるほど、あらゆる部位を異なる食感で楽しめる魅力たっぷりのあんこう。今回はあんこう鍋の名店、淡路町【いせ源 本館】と、フレンチの名店・六本木【ル・ブルギニオン】のあんこう料理をご紹介します。
【いせ源 本館】東京・淡路町
天保元年(1830)創業の【いせ源 本館】は、都内で唯一のあんこう専門店。青森県下北半島の風間沖浦で活きたまま水揚げされた「活あんこう」を、活〆の状態で仕入れます。店内で吊るし切りにて捌くため、刺身としても食べられるほど新鮮です。
そんな「活あんこう」を使ったいせ源の『名代 あんこう鍋』。身やあん肝以外にも、皮やひれ(トモ)、胃や卵巣(ぬの)、エラの“あんこうの七つ道具” と呼ばれるあらゆる部位が入っています。淡白でクセがない白身やゼラチン質のプルプルとした食感の皮、とろけるような肝など、1つの鍋でさまざまな食感や味わいを楽しめるのがこの鍋の醍醐味です。
味の決め手となるベースの割下は、水戸の味噌仕立てとは異なる醤油味。代々受け継がれてきたその味は、少し濃いめの醤油出汁ですがくどくなく、しばらく煮立てるとスープが具に染み込み旨さが増します。
お鍋を食べ終わったらたっぷりのネギを散らし、卵でといたおじやで〆ます。あんこうの出汁がきいたおじやは、これまた絶品です。往時の風情を残す店内で、冬の風物詩「あんこう」を余すことなく堪能してみませんか。
【ル・ブルギニオン】東京・六本木
冬の食材「あんこう」が、フランス料理でもよく使われていることをご存知ですか? 西麻布にある老舗フレンチレストラン【ル・ブルギニオン】には、冬になると毎年趣向を凝らして登場するあんこう料理があります。
今年はテリーヌ状にした『鮟鱇のフロマージュ ド テット』。通常は豚の頭でつくられるフロマージュ ド テットですが、こちらはゼラチン質の多いあんこうの身と内臓をテリーヌ状に固めた菊池シェフのオリジナル料理。修業時代に当時のシェフに褒められ、店のメニューに採用された思い入れのある一品です。
塩胡椒で味付けをし、ラビゴットソースを敷いて蕪のマリネであんこうを挟んだら、牡蠣のコンフィと彩り野菜をのせて完成。塩胡椒のシンプルな味付けと酸味のあるマリネによって、軽くて爽やかな味わいです。ワイン通である菊池シェフおすすめの白ワインとともに楽しめば、さらにおいしさが増すことでしょう。
老舗フレンチレストランでありながら、シェフをはじめとするサービススタッフが醸し出す穏やかな雰囲気も魅力の一つ。料理、サービスともに訪れた誰をも魅了する名店で、贅沢な時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
PICK UP
パプリカやししとうなどの唐辛子類が旬を迎え、ビールのお供、枝豆も欠かせません。トビウオやスズキ、シマアジも収穫期。
秋の味覚の王様、松茸が店頭に並びます。サンマの水揚げがはじまり、たっぷりと脂がのった戻り鰹の季節です。
収穫の秋、里芋類やカボチャなどがおいしくなる季節です。サンマに脂がのり、イワシやニシン、イカがなども旬を迎えます。
ズワイガニ漁、サクラエビの秋漁、さらに山の幸ジビエの狩猟が解禁。サツマイモやカボチャなどの甘味もピークです。
鍋に最適な冬野菜の白菜や大根、春菊がおいしい季節です。海の幸もカキやホタテが旬を迎え、魚は脂がのって旨味が増します。
年が明け、旬を迎える魚が一年で最も多いのがこの時期。アマダイやアカムツ、イカやアカガイが出まわります。
ホタテやタラ、あんこうなど鍋に入れたい魚が豊富。蕾菜やアスパラ菜などが花芽を伸ばし、春の訪れはすぐそこです。
富山のホタルイカ漁が解禁。あさりや蛤などもおいしく、潮干狩りのシーズンを迎えます。山菜が出始めるのもこの頃。
アスパラガスやたけのこが出まわり、新タマネギや新ジャガイモの収穫も始まります。真鯛や鰆も獲れ、春到来です。
初鰹が最盛期を迎えます。野菜は、絹さややスナップエンドウなどの豆類がおいしい季節となります。
キュウリやピーマン、空芯菜やつる紫などの夏野菜が出始めます。海の幸は鮎やキス、トビウオ、マアジが旬を迎えます。
スズキやトビウオ、真アジに加え、鮎やハモも旬真っ盛り。茄子やズッキーニ、ゴーヤーなどの夏野菜が食卓を彩ります。