巨匠健在! 今なおハワイのグルメシーンを牽引する名レストラン
ハワイのグルメシーンを語るうえで欠かすことができない、【Chef
Mavro】のオーナーシェフ、ジョージ・マブロサラシティス氏。ロイ・ヤマグチ氏、アラン・ウォン氏とともにHRC(ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ)を世に広め、さらにはハワイ料理の概念をも変えた人物だ。それだけではなく、氏がハワイへ訪れたのは、全米自動車協会によるレストラン格付けにおいて、名門ホテル「ハレクラニ」のメインダイニング【La
Mer】をファイブダイヤモンドに輝かせるため。シェフが退任した以降も、【La Mer】がのべ28年にわたってその輝きを保ち続けているのは周知の事実だろう。
そんな巨匠の料理といえば、とにかく地元ハワイの食材にこだわること。たとえば、『Big eye AHI&OPAH
POKE』はハワイの郷土料理「ポケ」をアレンジしたひと皿だが、本来マグロが使われるこの料理には何と赤マンボウも使われている。
「20年前はヒレ以外は捨てられるだけで、ハワイでは誰も使っていなかった。けれど、ちゃんと料理すればすごく美味しいんだ」
ジンにも使われるスパイス、ジュニパーベリーと塩でマリネした身はコリアンダーをまぶし、炙られ、それに加えてドライトマトの酸味やクレソンのピューレの苦味、カラマンシーによる柑橘の爽やかさなどが折り重なる。複雑な味わいながら、口の中で渾然一体となって、着地点はしっかりと「ポケ」なのである。これぞまさにHRCの真髄。前菜のひと皿に巨匠の片鱗を見た!