ダウンタウンのレストラン最前線 ハワイでダウンタウンのグルメが注目を集めはじめたのが2014年ころ。 とりわけ、チャイナタウンの小体なレストランは大きな話題を集めたが、現在はその熱はどうなっているのか? 現状を探るべく、ヒトサラ編集部がいくつかの店を巡ってみた。

【THE PIG & THE LADY】  まず足を運んだのは、2014年にオープンするや否やハワイのグルメシーンの話題をさらった【THE PIG & THE LADY】。ここは、ファーマーズマーケットでイベント的に出店していた店が前身となったベトナミーズレストランだ。シェフは、生まれも育ちもハワイというベトナム人のアンドリュー。母親のレシピをベースにしながらも、ハワイ育ち、フレンチでの修業経験というバックボーンをいかしたモダンなベトナム料理で名を上げた。
 名物のバインミーは、前身のファーマーズマーケット時代からのスペシャリテだ。10時間かけて柔らかく煮込んだ豚ばら肉をパクチーなどとともにバゲッドでサンドし、ディップ代わりに牛骨のスープにつけながら食べさせるあたり、実にこの店らしい。たたき風に火入れしたアヒをスパニッシュトーストにのせたフィンガーフードは、アンドリューが若かりし頃に憧れたスペインへの想いを形にしたもので、曰く「僕にとってはファンタジーな料理」だそう。オープンから3年。2016年10年にはワードヴィレッジに姉妹店【Piggy Smalls】をオープンしたばかり。ハワイでのアンドリュー旋風はまだしばらく続くことを確信した。

【Grondin】  【THE PIG & THE LADY】がオープンするちょっと前、2013年にチャイナタウンに登場したのがこの【Grondin】だ。【THE PIG & THE LADY】がベトナミーズ×フレンチであるのに対し、こちらのコンセプトはラテンとフレンチの融合だ。といっても、綯い交ぜになるのではなく、料理としてそれぞれが独立しているイメージ。たとえば、カウアイシュリンプを使ったセビーチェや、ミートパイのようなエンパナーダがエクアドルスタイルで供されたかと思えば、シャルキュトリーやステーキは完全にフレンチスタイル。それを地の食材を使い、ハワイのチャイナタウンで味わうから、実に面白い。訪れた日は、運がよく当日の早い時間に予約が取れたが、夜の帳が降りると店内はほぼ満席状態となった。なお、ここではワインも楽しめるが、カクテルもおすすめ。『スモーキング・マゲイ』はテキーラとメスカルにチリの辛さがきいた意外性のある味わいが、印象的だった。

【Senia】  そして、最後を締めくくるのは2016年の暮れにオープンしたばかりの【Senia】。今、ハワイで最も注目されるレストランのひとつでもある。シェフを務めるのは、ホノルルの会員制レストラン【VINTAGE CAVE】の初代料理長を務めたクリス・カジオカ氏と、NYの三ッ星などで研鑽を積んだアンソニー・ラッシュ氏だ。
 この店を象徴するひと皿といえば、スペシャリテのひとつとして勧められた『チャード・キャベジ』だろう。運ばてきた皿だけ見れば、苔むした盆栽の根のよう。しかし、これが味わうとよい意味で期待を裏切ってくれた。ディープフライしたキャベツの焦げ、味付けに使われた塩昆布、苔のような緑はモリンガパウダーというスーパーフード……。それらを一緒に味わうと、お好み焼きのような味わいなのである。クリス氏が日系4世ということを聞けば納得だが、そのモダンなプレゼンテーションで供されると、そのひと皿のインパクトはとてつもなく大きい。ほかにもマグロのタルタルにはポン酢のジュレが使われていたり、レバーペーストの上にはイクラをもしたハニービネガーをのせていたり、多分に日本の食文化に影響されていることは事実だろう。
 ダウンタウンならではのミクスチャーなグルメは、今ハワイの大きな潮流のひとつになっている。そして、ダウンタウンから発信されるグルメは、まだなお強い影響力を持っていそうだ。

Luxury Hotel in HAWAII ハワイの美食トリップにはホテルステイも一流に…

MOANA SURFRIDER, A WESTIN RESORT & SPA

その佇まいから“貴婦人”とも称される、ワイキキ最古のホテル

 ハワイのラグジュアリーホテルのパイオニアとして1901年に創業し、今年で116周年を迎えた【モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ】。そのクラシカルで気品ある佇まいから『ワイキキのファーストレディ』と称される建物は、まさにワイキキビーチの象徴ともいえる存在だ。創業当時の姿を今にとどめるバニヤン・ウイングは、ハワイのホテルで唯一となったビクトリア様式の木造建築。客室はそのバニヤン・ウイングをはじめ、ダイヤモンド・ウイング、タワー・ウイングの3棟で構成され、眺望や設えもさまざまな全791室を擁している。ホテルの目の前はもちろんワイキキビーチで、中庭にはシンボルでもある樹齢100年以上のバニヤンツリーが立ち、その姿を楽しめるよう、レストランやビーチバーなどをレイアウト。クラシカルな佇まいとバニヤンツリーのもとで寛ぐゲスト、そして目の前の海。まさにオアフのベストロケーションといっても差し支えない。そして、タワーウイングにはハワイ唯一のオーシャンフロントのスパも完備。ハワイの美食を楽しむ旅なら、やはりホテルもハワイの一流を選びたい。

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