札幌の美食店 | ヒトサラ
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ふくろう亭
- 厳選したオーストラリア産の肩ロースのみにこだわる。やわらかい肉は臭みがなく、旨みを吸った野菜と一緒に味わうと至福の美味。ラムタンや行者ニンニク入りのソーセージも必ず注文したい
- 残ったタレを使い、お茶漬けをつくるのが【ふくろう亭】の名物。満腹であっても必ず注文したい
- 月寒スタイルのジンギスカンを提供して13年。絶品のタレは、受け継がれる秘伝のレシピによるもの
- 夫婦二人三脚ではじめたジンギスカン店で、現在は二代目・松村秀則さんが後を継ぐ
- すすきのの外れにある小さな名店で、飾りっけなしの店内は常に人であふれている
ふくろう亭
予約専用番号:050-5263-2759 お問い合わせ専用番号:011-512-6598 住所:北海道札幌市中央区南八条西5 キャピタルYMDビル1F
営業:17:00~22:30(日曜は17:00~22:00)
休日:月曜
お店の詳細情報を見る秘伝のタレが食欲を刺激
ジンギスカンの名店へ北海道の名物グルメと言って思い浮かぶジンギスカン。そのルーツは諸説あるが、スパイシーなタレにつけて食す月寒(ツキサップ)スタイルもそのひとつ。名店【ふくろう亭】は、まさにそんな月寒の味を提供する。
「妻の実家が月寒でジンギスカン店をやっていたのがはじまり。今は残念ながらなくなってしまいましたが、元祖とも言われる店でした。その味を継承しようと開いたのがこの店なんですよ」
現在もしばしば店に立つ初代の松村数則さんはそう教えてくれる。厳選したオーストラリア産のチルド肉の肩ロースの味はもとより、月寒スタイルはタレの味付けの良し悪しで好みが別れるという。今はなき月寒の店より伝わるタレは、醤油、ニンニク、ショウガをベースに16種類のスパイスを調合。柔らかく、脂の少ない肩ロースをこちらに付けて味わうと、肉の旨みと甘みを十分に感じながらもスパイスが食欲を刺激する。
さらにはオリジナルの羊を使ったベーコンや、行者ニンニク入りの羊ソーセージなど、脇を固めるサイドメニューも磐石の布陣。シメには使い終わったつけダレとごはんに番茶をかけてお茶漬けにするのが【ふくろう亭】流。満腹でもするする味わえてしまうこの危険な逸品もまた、秘伝のタレの魔力によるものなのである。 -
フレンチレストラン「ミクニ サッポロ」
- 三重の【志摩観光ホテル】や東京【タイユヴァン ロブション】を経てミクニに入った小川主水シェフ。食材のはしり、旬、なごりを大切に、素材が持つ滋味を引き出す調理に定評がある
- 『北海道産毛蟹と雲丹 ホワイトアスパラガスのババロアと甲殻類のジュレ和え』は春の大地を感じさせる
- 『上富良野産野うさぎのロティ 赤すぐり風味』。野趣あふれる野うさぎには、重めの赤ワインが絶妙にマッチ
- 札幌駅から直結というアクセス至便なフランス料理店。旅行者はもちろん、ビジネスパーソンなども多く訪れる
- 巨大なセラーを擁するワインは、ボルドーとブルゴーニュが中心。北海道産のワインやアメリカ、チリなども
フレンチレストラン「ミクニ サッポロ」
011-251-0392 住所:北海道札幌市中央区北五条西2丁目5 札幌ステラプレイス9F
営業:11:30~14:00/17:30~L.O.20:30
休日:火曜 お店の詳細情報を見る素材の味を捨てない
大地の料理が評判日本各地のテロワールや季節感を大切に、それぞれのシェフがその土地ならではのミクニ流フレンチを披露する名店【ミクニ】。三國清三シェフが生まれ育った北海道で人気を博す【ミクニ サッポロ】もまた、三國氏から絶大の信頼を得るシェフ・小川主水氏が自らの感性でミクニ流の料理を披露する。
「北海道は手を伸ばしさえすれば、素晴らしい食材が手に入る土地。鴨、鳩、羊、鹿、仔牛、豚…。肉だけでも数え上げればきりがない。そうだ、今日は上富良野のハンターさんから野ウサギのいいのが入ったんです。通常のコースではないですが、そんな料理もぜひ味わって欲しいですね」
そう言って、モモ肉と背肉はシンプルに焼き、内臓はソース、頭や足からはコンソメを抽出し、余すところ無く、野ウサギの滋味を楽しませてくれる。ホワイトアスパラにしてもそうだ。オマールのコンソメとアスパラの茎を一緒に煮て、その煮汁を葛でつなぎババロアに。皮も捨てずに塩で煮出して、その煮汁でアスパラを煮る。味を一切捨てずに、素材へ戻しこむのだ。
シンプルでいて滋味豊かなコースの数々。そこにはまさに、北の大地を詰め込んだ、小川シェフの北海道が表現されている。 -
鮨菜 和喜智
- 修業時代から、独自の鮨にこだわり名店などを食べ歩いていて研究に明け暮れた田村光明氏。現在も気になるお店は毎年、時間を見つけては食べ歩いている
- 稚内虎杖浜産の毛蟹と積丹産のバフンウニを一度和えてから握りに。コクのある味わいに
- 寿都産サクラマスの昆布締め。ねっとりと濃厚な旨みとキレの良い脂が共存するひとネタ
- 甘エビの雲丹醤油和え。酒を呼ぶ酒肴はおまかせで5品。飲み疲れしない銘酒のラインアップと抜群に合う
- 余計な装飾は削ぎ落とした全8席の店。旨い鮨を食べてもらう。そんな店主の気概が伝わってくる
鮨菜 和喜智
011-640-3768 住所:北海道札幌市中央区南2条西25-1-22
営業:18:00~20:00と20:00~22:00の二交代制
休日:月曜、月1回火曜休み お店の詳細情報を見る常に先を見据えて
挑戦を続ける鮨職人「秋に来ていただけたらな。もっともっと北海道尽くしでもてなせたんですが。今はいろいろです」
名店ひしめく札幌の鮨店の中にあって、ひときわ異彩を放つのが【鮨菜 和喜智】の田村光明氏。東京瀬田の【寿司久】を皮切りに江戸前鮨を学び、地元の札幌にて独立。その後も独自の解釈を交えながら、常に自らの鮨道を極めんと邁進する気鋭の鮨職人だ。2003年、32歳でお店をオープンした後も、2007年の改装時からはおまかせ一本に変更。ネタのグレードを上げた分、価格も上げざる得なかった。それでも常連は、数カ月先まで埋まる、この店の予約を楽しみにする。
「周りがどこもかしこも赤酢、赤酢と言い出すと、疑問に思ってしまうたち。炙りが流行った時も、そうですね。常に時代の流れというか流行りが正しいかは、疑っていますね」
いち早く赤酢を使い、その長所と短所を研究しながらシャリや酢の塩梅は変えてきた田村氏。今は、魚の熟成具合を研究中。
「塩や昆布、時間や季節で、どう魚の味を引き出すかいろいろ方法を試していきたい」と子供のように目を輝かせる。そんな氏のおまかせはエッジの効いた、つまみ5品と握り12カンが基本スタイル。
次に訪れた際、同じ魚が新たな握りに変わっているかもしれない。再訪が、楽しみな一軒だ。 -
レストランコートドール
レストランコートドール
予約専用番号:050-5263-2760 お問い合わせ専用番号:011-614-1501 住所:北海道札幌市中央区宮ケ丘1-2-38
営業:12:00~L.O.14:00/18:00~L.O.20:30
休日:無休 お店の詳細情報を見る -
温味
- 在香港日本総領事館の公邸料理人や、ウインザーホテル洞爺の【杜氏賛歌】料理長など、数々の役職を歴任後、札幌で【温味】を開店した山本真樹氏。自身の店では、気持ちを一番に料理をつくる
- 焼き物『時鮭の西京焼き しゃこの梅香り揚げ グリーンアスパラ』。食膳にて松の香りで薫香をつける
- お椀『とうもろこしのすり流し』。淡路産のハモの葛うち、新じゅんさいなどが食感をプラス
- 全6席のカウンターを中心に、2つの個室を備える。カウンターは禁煙だが、個室は喫煙可
- 【温味(ぬくみ)】という店名には、温かい味を提供したいという、店主の思いを詰め込んだ
妥協なき地道な作業で
高みを目指す3つ星店「とくに北海道だけにこだわっているわけではない。その時期のおいしいものを全国から集めています」
札幌の日本料理に、この店ありと謳われる【温味】の主人・山本真樹氏はいたって冷静だ。ミシュラン3つ星にも輝く名店は、いつ何時も素材に妥協はない。結果、時期によっては北海道産のエゾアワビや時鮭が食膳に並ぶこともあれば、築地から仕入れる最高級の鮮魚が並ぶこともある。ただおいしいもののため。純粋な料理人としての思いに妥協は一切ないのだ。
札幌にかつてあった日本料理【古屋】と大阪【かが万】での修業経験を持つ山本氏。どちらもルーツは大阪で、氏の料理のベースは関西風。それを地元食材や旬の食材を使い北海道らしい料理へと昇華させる。
「料理は気持ちが大切。例えば柔らかい葉物は、流水でさらして洗うより、たっぷりと水を張った状態で洗うほうが食材にストレスを与えないのです」
そんな小さな作業ひとつひとつに気を配る山本氏。料理の味を決める出汁は、本枯節を毎朝使う分だけ、運んでもらい、ひきたての味を大切にする。
だからだろうか、氏の料理はとにかく澄んだ印象だ。出汁にこだわり、食材に気を配り、季節を大切にする。そんな氏の料理は、札幌を、いや日本の四季を感じるにはうってつけだ。
※このページのデータは、2015年6月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。