スパニッシュ&バル巡り | ヒトサラ
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Amets
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情熱的なスパニッシュレッドと木の温もりに包まれる店は、美食の宝庫・浅草にあって異彩を放つ佇まい。バルのように気軽に、レストランのような本格料理が味わえるという絶妙なバランスも、店の大きな魅力となっている
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『エゾ鹿のソテー』。旭川から届く鹿は、牛肉と間違えるほどクセのないおいしさ。塩コショウでシンプルに
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『ヤギチーズのサラダ』。反面を焦がしたチーズの香ばしさとフルーツソースの爽やかな酸味が調和する
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数ある素材のなかでも、とくにシェフのこだわりが強いチーズ。牛、羊、ヤギなど多彩な種類が揃っている
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良質なジビエのために猟銃免許を取得してしまうほど行動派の服部公一シェフ。そのこだわりはどの料理でも実感できる
Amets
予約受付番号:050-5871-7883
お問い合わせ専用番号:03-3841-3022 住所:東京都台東区西浅草1-1-12
営業:17:30~L.O.22:30
休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日休) お店の詳細情報を見るスペイン仕込みの技を
シンプルな一皿に凝縮白磁の皿に鎮座する肉塊、木皿にざっくり盛られたポルチーニ。オムレツもチーズもおよそ飾り気とは無縁、潔いまでにシンプルだ。しかし引き立て役がなくとも、料理はどれも抜群の存在感を放つ。奇をてらうことのない直球勝負。それも本場仕込みの豪速球だ。
服部公一シェフは若くして渡西し、5年半に亘り数々の名店で腕を磨いた人物。最終的に伝統的な郷土料理に魅せられるまでに、洗練されたモダンスパニッシュから力強いジビエ料理まで、幅広く学んできた。ゆえに一言でシンプルといっても、氏の料理には確かな技術とスペイン料理への深い理解が内包されている。たとえば豚の血を使った腸詰・モルシージャ、あるいは殻ごとオイルで煮込む海老のアヒージョ。その“完成されたシンプル”ともいうべき料理は、奥深い旨みを伴いゲストに鮮烈な印象を残すのだ。
合わせるワインはスペイン各地から厳選。種類こそ多くはないが、どれも料理と見事に調和する逸品ばかりだ。ここにもまた、シェフの信念が垣間見える。気取らず、気負わず、しっかり旨い。まるで下町・浅草を象徴するかのような、至高の一軒である。 -
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Marisqueria El Pulpo
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現地のバルを思わせるカジュアルな店内には、プルポに因んだタコ関連の写真や絵、オブジェが随所に。一番人気のカウンターは予約で埋まってしまうことも多いが、フラリと訪れた人のために、2名用のハイスツール&テーブルも用意する
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『殻つきウニのプリン』。オープン当初から提供する【El Pulpo】の看板メニュー。凝縮された旨さに、きっと虜になる
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『渡りカニのパエジャ』。魚介の旨みを吸い込んだパエジャをベースに、渡りカニなど、そのときどきの旬で作る
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『車海老のニンニクオイル煮』。バル定番のアヒージョだが、ここは年間を通してフレッシュ車海老を使用。抜群の旨さ
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坂田慎吾シェフ。素材の旨さをシンプルに引き出すスペイン料理に魅せられて、すでに3年の月日が流れた
Marisqueria El Pulpo
予約専用番号:050-5871-7880
お問い合わせ専用番号:03-3269-6088 住所:東京都新宿区神楽坂4-3宮崎ビル1F
営業: 18:00~翌2:00(LO翌1:00)、土曜・日曜・祝日24:00(LO23:00)
休日:無休 お店の詳細情報を見るバルとして満足できる魚介料理を
提供したいから、鮮度にこだわるまるで地元の寿司屋にあるネタケースのように、入荷したての鮮魚や、頼めばパパッと出てくるタパスが庫内に並ぶ様が愉快。シェフ・坂田慎吾さんは言う。
「やっぱりカウンターが一番人気。『これ、何ですか?』なんて、指差しながら頼まれる方も多いですよ」
“Marisqueria”を謳うスパニッシュバルだ。マリスケリアとはスペイン語でシーフードの意。店名のプルポはタコのことで名の通り、魚介料理に並々ならぬこだわりを持つ。仕入れは築地のほか、全国からの直送品も。専門に扱う仲卸から仕入れたウニや海老は定番料理に、四季折々で入荷する魚介は“本日のオススメ”に。いずれの仕入れも最も大切にしているのは鮮度で、モノがいいからこそ醸せる魚介の美味しさを追求している。凡百のバルを凌ぐ、これぞ【El Pulpo】の真価。
「だから、ほかのバルさんより少しだけ高いかも……」
いや、そんなことはない。黒板に書き出されたタパスを眺めても真タコのフリットは800円、車海老を使ったアヒージョで900円、「今日は三陸産」のムール貝は大ぶりで身がプリップリ。これだって1000円。すべて税込で、原価率はかなりだろうと勘繰ってしまうのだ。
「まず満足できる料理を提供した上で、それに合うお酒も用意する。それが本来のバルの在り方だと思う」
こうした矜持も、そこらのバルとは一線を画す。 -
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アロセリア サル イ アモール
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代官山の八幡通沿いにあるビルの地下。オープンして2年ながら、店内には焼き物や陶器、ポスターなど現地で買い付けた調度品が飾られ、ずっと昔からここにあったかのような温かな雰囲気が漂っている
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ムルシア料理『小海老のカルデロ』の決め手はニョラスの入ったスープの旨み。アリオリソースと一緒に味わう
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エンサラダ・カンペラというラマンチャ地方の家庭料理『田舎サラダ』は、いわざスペイン版ポテトサラダ
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イベリコ豚とセラーノの2種類が揃う生ハム。各テーブルへと運び、ゲストの目の前で切り分けてくれる
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マドリッドのアロセリアで修業を積んだシェフの宮崎健太さん。延べ6年の滞在で郷土料理への愛を深めた
サル イ アモール
予約専用番号:050-5871-7884
お問い合わせ専用番号:03-5428-6488 住所:東京都渋谷区代官山町12-19 第三横芝ビルB1F
営業:17:30~L.O.23:00
休日:月曜(祝日は営業、パーティ応相談) お店の詳細情報を見るアロセリアから発信する
共同オーナーが愛する郷土の味「やるからには嘘っぱちの料理は絶対出したくない」 そうヴィクトル・ガルシアさんが力を込めれば、「今はバルが人気だけど、スペイン料理をブームで終わらせたくない。本当の郷土の味を知ってもらいたいんです」とシェフの宮崎健太さんが同調する。ふたりが出会ったのは、マドリッドでの修業時代のこと。スペイン料理の奥深さに惹かれたふたりは、2012年9月に共同オーナーとして【サル イ アモール】を開店。選んだのはアロセリアという米料理の専門店だった。
スペインの米料理といえば、パエリアが真っ先に頭に思い浮かぶ。だが、一口にパエリアといってもバレンシアでは鶏肉と兎が使われる一方で、カスティージャ・イ・レオンでは豚耳、豚足、チョリソーが盛り込まれ、カタルーニャではイカスミが加えられるなど、その特徴は地方ごとに実に多彩だ。そして、郷土料理の多様性をまざまざと見せつけられるのが、この店のスペシャリテでもある『小エビのカルデロ』。パエリアとは異なり、鉄壷のような容器で米を炊くムルシア地方の料理だが、これがシンプルなのに実に味わい深いのである。米は魚貝の旨みをたっぷりと吸い込み、鼻孔を擽るのは体験したことのない香気。これは魚貝スープに加えるニョラスという乾燥ピーマンが醸し出されるものだとか。カルデロだけじゃない。この店の料理のひと皿ひと皿には、奥深きスペイン料理の誘惑がそこかしこに潜んでいる。 -
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ティオ・ダンジョウ バル
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店内はスタンディングのみ。シェフがかつて訪れたマドリッドの陽気なバルの雰囲気をそのまま取り入れた。小皿料理のタパスの数々は、ニンニクとオリーブオイルをきかせた味付けが多く、食欲を刺激する
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『アーティチョークのソテー 生ハム風味』。刻んだ生ハムから出る塩気と旨味で味付けした味わい深いひと皿
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『モンゴウイカのフリット』。アリオリソースにつけて味わうフリットは、スペインビールとの相性抜群
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イベリコ豚の生ハムや、オリーブオイルなども、出来る限りスペイン産のものを使用。本場の味を追求する
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たくましいヒゲがトレードマークの壇上氏。毎年のようにマドリッドを訪れ、現地の味や雰囲気を確認しているそう
ティオ・ダンジョウ バル
お問い合わせ専用番号:042-444-5903 住所:東京都調布市布田2-37-7 エランクラス 1FB
営業:17:00~L.O.23:30
休日:月曜日 お店の詳細情報を見る扉を開けるとそこは異国。
バル先駆け店の底力ビールとタパスひと皿をサクッと楽しみ10分経たずに店を後にする人もいれば、5~10皿以上を平らげ、ワインを数本、ゆったり過ごすグループもいる。ゲストはめまぐるしく出たり入ったり、多い日には100人以上がこの店を訪れる。そんな自由な店こそが、オーナーシェフ壇上桂太さんが求めた、バルのスタイルだ。そう、ここ【ティオ・ダンジョウ】は、20年以上も前に恵比寿にオープンしたスペインバルの先駆け。ブームが起こるはるか昔に、本場の雰囲気をそのままに、日本人にバルの楽しみ方を伝えてくれた。
「メニューも、店も基本は変わらないですね。現地の味をそのまま伝えようと思っていたので、特に自分流だとかアレンジする必要はありませんでした」と壇上氏。
聞けば、カウンターの高さ然り、使う調味料やオイル、ナプキンフォルダーに至るまで、スペイン仕様。現地を訪れた際に買い付けたり、輸入したり、店はとことんスペイン一色なのだ。だからだろうか? 扉を開けるとそこにはこの店だけが持つ独特の空気が漂う。 スペインバルを、居酒屋や洋食のように文化にしたい。そんな壇上氏の想いは確かな結実の時を迎えている。 -
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フェルミンチョ
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「ストレートにおいしいものを」との思いからシンプルな料理を心がける作元慎哉シェフ。それだけに素材へのこだわりは強く、日本各地にアンテナを張って旬の食材を仕入れる。素材の味がダイレクトに伝わる力強いおいしさが持ち味
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バスク地方の伝統料理である『小イカのレジェノ墨煮込み』。なかにイカゲソとマッシュルームが詰まっている
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『100%純血種イベリコ豚ペジョータのロースのグリル(小)』。希少な豚の旨みをシンプルなグリルで実感
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『秋刀魚のマリナード(小)』。皮面をパリっと香ばしく焼き上げた秋刀魚を爽やかなオレンジソースで
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カウンター席はオープンキッチンを目の前に臨む特等席。作元シェフのスペイン仕込みの技を存分に楽しんで
フェルミンチョ
予約専用番号:050-5871-7881
お問い合わせ専用番号:03-6804-5850 住所:東京都港区西麻布1-8-13
営業:18:00~24:00(LO23:00)、土曜17:00~23:00(LO22:00)
休日:日曜・祝日(祝日は不定休) お店の詳細情報を見る気鋭のシェフが手がける
素朴かつ繊細なスペイン料理東京・西麻布。六本木の喧騒も一段落した閑静な路地に、ひっそりと佇む一軒。木を主役に据えた内装は気さくなバルのようであり、しかし漂う雰囲気やメニュー構成は気鋭のレストランのようでもある。そんな枠に囚われない空気が、この店の魅力となっているのだ。
登場する料理を前にしても、その印象が揺らぐことはない。繊細な味わいと前衛的なプレゼンテーションは【レストラン ネイチェル】や【カン・ファベス】といった名だたる名店仕込み。そこに素朴で力強い郷土料理のエッセンスも加わり、唯一無二の味へと昇華されるのだ。長きに亘りバスク、カタルーニャで修業を積んだ作元慎哉シェフの、本領発揮といったところだろう。
メニュー展開も一筋縄ではいかない。生ハムやアヒージョといった定番は押さえつつ、バスクの香り漂う料理も揃える。さらにサンマや和牛といった日本の食材まで自在に使いこなすのだから恐れ入るばかりだ。
気軽に楽しむ本物のスペイン料理。言葉にするのはたやすいが、これほどの満足感が味わえる店、東京中探してもそうそう見つかるものではない。 -
※このページのデータは、2014年10月上旬取材時のものです。メニュー、営業時間、定休日などの情報は変更されることもございますので、あらかじめご了承ください。