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  4. 日本酒のラベルから自分好みの一本を見つける方法

日本酒のラベルから
自分好みの一本を見つける方法とは?

ビールで乾杯した後、お刺身や冷や奴、焼き魚や珍味がテーブルに並び始めると、「さあ、日本酒の出番!」そう、日本酒は食中酒なんです。やっぱりおいしい和食はおいしい日本酒で楽しみたいですよね。でも、純米酒や大吟醸、生酒やあらばしり…等々、種類が多くて何を選べばいいのか迷うことはありませんか? 実は日本酒の味の違いはラベルに表示されている内容である程度は理解できます。今回は自分好みの一本を見つけるためのラベルの見方を紹介します。

1.日本酒のラベルに表示されている内容とは

最近の日本酒のラベルは英文やイラスト入りなど、凝ったデザインのものが多くなっています。見るだけでも楽しいのですが、実はこのラベルには日本酒選びのヒントがいっぱいです。
まず、ラベルの中央に大きく書かれているのはお酒の銘柄です。ポイントは銘柄の次に大きく書かれている「特定名称」と「製法のカテゴリー」を確認すること。この2点をチェックすることで、日本酒がどのようにしてつくられたか知ることができ、味の予測につながります。

2.自分に合う日本酒の選び方

日本酒を知る上で最初に理解したいのは、お米だけのお酒「純米タイプ」か醸造アルコールを添加している「本醸造タイプ」かということ。これは「特定名称」に表記されています。


純米酒はお米と麹のみで作られたお酒で、余計な添加物を含んでいません。一方、本醸造酒はアルコール添加物を含んだ日本酒です。このアルコール添加物とは、「醸造アルコール」と呼ばれ、日本酒に個性を出すために使用されます。全体における使用割合は10%未満です。

吟醸酒、大吟醸酒とは酒米の磨き方のことで、「純米タイプ」にも「本醸造タイプ」にもあります。大吟醸酒の場合、精米歩合は50%以下ですが、これはお酒に使う酒米が50%以下という意味で、その他の半分以上は削って捨てるということです。とても贅沢な話ですが、日本酒の雑味のないきれいな味はこのようにして生み出されています。

  

※普通酒(一般酒)と呼ばれる日本酒もあります。これは、アルコール添加物が10%以上のものを指し、流通する日本酒の7割を占めています。居酒屋などの飲み放題メニューに多いといえるでしょう。

3.味や香りで日本酒を分類

日本酒の味わいはとても繊細で明確に分類するのは難しいのですが、味と香りで大まかに分類すると4タイプになります。

  • 香りの高いタイプ「薫酒(くんしゅ)」
    果物や花のような華やかでフルーティな香りが特徴です。酒米を磨いた大吟醸系や吟醸系に多く、全体的に甘い風味が感じられますが辛口もあります。
  • 熟成タイプ「熟酒(じゅくしゅ)」
    琥珀色に色付いたものが多く、熟成を感じさせる深い味わい。とろりとした甘みや酸味、旨みが合わさった力強いタイプです。ロックで楽しめます。
  • すっきりタイプ「爽酒(そうしゅ)」
    みずみずしく、軽くて口あたりがなめらか。さらっとして、飲みやすい本醸造系や普通酒系に多く、生酒にもこのタイプがあります。
  • コクのあるタイプ「醇酒(じゅんしゅ)」
    お米のふくよかな香りが感じられ、旨みやコクが強くしっかりとした味わいが特徴。最も日本酒らしいタイプで、主に純米酒や生酛系に多くあります。

4.酒母づくりの仕込みは3種類

日本酒のラベルで「生酛(きもと)」や「山廃(やまはい)」の表記を目にしたことはありませんか? これは酒母(しゅぼ)づくりの仕込みのことを表わしています。日本酒づくりには「麹(こうじ)づくり」「酒母(=酛・もと)づくり」「醪(もろみ)づくり」の3つの工程があり、酒母づくりはお酒になる一つ前の段階で味の決め手になるものです。


この酒母づくりの仕込みには大きく3つの方法があります。
①人工の乳酸を使用する「速醸酛仕込み」
②天然の乳酸菌を取り込むために米や米麹をすり潰す「山卸し」をする「生酛仕込み」
③「山卸し」の作業をせずに天然の乳酸菌を取り込む「山廃酛仕込み」

ちなみに、乳酸にこだわるのはお酒の中の雑菌をなくすためです。

生酛(きもと)づくりは、昔ながらの手間と時間をかけてつくる製法で、深みのある味わいとコクが魅力です。また、手づくりの酒母から育った酵母菌は生命力が強く、発酵の最後まで生きているため余分な糖分を残さないのが特徴です。お米の旨みを最大限に引き出すので、スッキリとしたキレがあり、しかも濃醇な味わいです。とても手間がかかる製法のため、現在行っている蔵はごくわずかです。お店で出会ったら、ぜひ一度試してください。

5.絞り方と出てくる順番で変わる味の違い

日本酒はお米を発酵させた、お粥のような状態の「醪(もろみ)」を布でできた酒袋に入れて搾りますが、この搾り方と搾って出てくる順番によって、日本酒の味は驚くほど変わってきます。「製法のカテゴリー」で表記されている内容です。

代表的な3つの絞り方

  • 自動圧搾ろ過機(ヤブタ式)
    アコーディオンのような蛇腹状の圧搾機の中に醪を流し込み、両側から圧力を加えることで酒を搾り出す一般的な搾り方です。早く搾れるので酸化が少ないメリットがあります。
  • 槽搾り(ふねしぼり)
    醪を酒袋と呼ばれる布袋に入れ、横にしながら重ねていき、やさしく圧力をかけて搾ります。雑味の出ない日本酒本来の風味に仕上がります。  
  • 袋吊り
    醪を入れた酒袋をタンクの中に紐で吊るして搾ります。"搾る"というより"滴り落ちる"感じなので、「雫しぼり」「雫取り」とも呼ばれます。味、香りとにも最高レベルの仕上がりで、贅沢な搾り方のため高級なお酒に多いのが特徴です。

出てくる順番で味の違いを楽しむ

  • あらばしり
    搾って一番初めに出てくるお酒で、少し荒々しい味わいですが、華やかな香りやフレッシュさを楽しむことができます。
  • 中取り(なかどり)・中汲み(なかぐみ)
    あらばしりの次に出てくるお酒で、透明感のあるバランスの良さが魅力です。一番安定した味が楽しめます。  
  • 責め(せめ)
    最後に出てくるお酒のことで、雑味が多いものの、味わいがドッシリしていることから酒好きにはおすすめです。

6.にごり酒とは

醪を搾った直後は、お酒の中に米や酵母などの小さな固形物が浮遊しています。この固形物のことを「滓(おり)」といい、滓を沈殿させ上の澄んだ部分を使用することで透明なお酒ができます。そして、この沈殿した滓を混ぜたものがにごり酒です。にごり酒は、にごりの程度でいくつかの種類に分けられます。ここでは代表的な「滓絡み(おりがらみ)」、「ささにごり(うすにごり)」、「活性にごり」を紹介します。

 
  • 滓絡み(おりがらみ)
    滓絡みとは、搾ったあとに残る「滓 (おり)」を取り除かずに作るお酒のことで、おり酒とも呼ばれます。滓絡みは瓶の底に滓が沈殿している状態なので、飲むときにはこれを混ぜてから飲みます。混ぜるときは、やさしくそっと混ぜるようにしましょう。また、沈殿している濁りを混ぜずに、上澄みの部分と滓をそれぞれ味わう楽しみ方もあります。濃厚で力強い飲み口が特徴です。
  • ささにごり・うすにごり
    ささにごりは漢字で細濁りと書き、滓で少々にごっている状態のお酒のことです。うすにごりは、ささにごりよりもさらに滓が少ないお酒です。両方とも、見た目も味も似ていますが、うすにごりの方がより透明感が高いといえます。味はスッキリとして、まろやかさも感じます。  
  • 活性にごり
    活性にごりとは、醪の発酵が続いている状態のものをそのまま瓶詰めした日本酒のことです。瓶詰め後も炭酸ガスが発生し、生酒のフレッシュな爽やかさ、シャンパンのようなシュワシュワとした口あたりを楽しめます。味は酸味のある甘さが特徴で、炭酸が好きな人やカクテル感覚で飲みたい人におすすめします。
  • どぶろく
    どぶろくは、にごり酒と混同されがちですが、はっきりとした違いがあります。にごり酒は粗ごししたお酒ですが、どぶろくはこさずにつくるお酒です。にごり酒は「清酒」の区分になりますが、どぶろくは「その他醸造酒」です。

まとめ

世界的な日本食ブームで、日本酒も注目されるようになりました。しかし、その一方で日本酒を飲まない、飲んだことのない日本人も多いといわれています。飲まない理由として、ビールや酎ハイなどの選択肢が増えたこともありますが、「ラベルに書いてある言葉の意味が分からない」という回答も多いそうです。
今回は、「日本酒のラベルから自分好みの一本を見つける方法」というテーマで、ラベルに書かれた言葉の意味を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 明日からは、「漢字だらけで意味が分からない」とスルーしないで、ラベルを見て自分好みの日本酒探しができそうですか。日本酒は日本食と一緒で、四季の中でおいしく変化します。香りや味わいは温度や器によっても変わります。おいしい日本酒との素敵な出会いがありますように。

イラスト:タニダアヤ

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