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和食のマナー

おさえておきたい3か条

箸使いを制す者は和食マナーを制す

おしぼりは手を拭くもの。それ以外を拭くのはタブー

畳のへりや敷居は踏まない

和食の基本

Basic

日本料理は伝統的な「本膳料理」、宴会で供される「会席料理」、 お茶で供される「懐石料理」の3つに分けられます。 ここでは、一般的な食事会で出される「会席料理」を中心に述べていきます。

  • 会席料理

    会席料理

    料亭や旅館、結婚披露宴などで供される酒宴向きの料理のことで、現在の和食の主流となるのがこちらです。酒を楽しむための酒菜で構成されており、前菜や煮物、刺身、焼き物の順で供され、飯や汁などは最後に出されます。

  • 懐石料理

    懐石料理

    茶会の席で出される一汁三菜を基本とした料理のこと。酒を楽しむ会席料理とは逆に、飯や汁から供されます。現代では「会席料理」と同様の意味とされており、本来の「懐石料理」は「茶懐石」と呼ばれるようになっています。

  • 和室の作法

    Manners

    流儀によって異なりますが、和室には利用する際の細かい作法があります。 「ふすまは一気に開けない」、「座布団は相手に勧められてから座る」など、 おさえておきたいポイントをお教えします。

    ふすまの開け方、閉め方

    開け方

    • ふすまの前に正座をします。引き手に近い方の手を掛けて5センチほど開き、開いた隙間に手を差し入れて、体の半分程まで開きます

      ふすまの前に正座をします。引き手に近い方の手を掛けて5センチほど開き、開いた隙間に手を差し入れて、体の半分程まで開きます

    • 反対の手に替えて体が通る幅までふすまを開きます。両手をついて会釈をしてから一度立ち上がり、下座側の脚から入室します

      反対の手に替えて体が通る幅までふすまを開きます。両手をついて会釈をしてから一度立ち上がり、下座側の脚から入室します

    • 畳のへりや
      敷居を踏む
      畳のへりや敷居を踏む

      入室の際に敷居や畳のへりを踏んではいけません。敷居には神様が住んでいて、神様を踏む=その家は繁栄しない、と言い伝えられているからです

    閉め方

    • 入室したら、ふすまの方へ向き直り、もう一度正座をします。ふすまに近い方の手でへりを持ち、体の半分の位置まで閉めます

      入室したら、ふすまの方へ向き直り、もう一度正座をします。ふすまに近い方の手でへりを持ち、体の半分の位置まで閉めます

    • 反対の手に替え、完全に締め切らずに残り5センチ程で一度止めます。最後に引き手に手を掛けて閉め切ます

      反対の手に替え、完全に締め切らずに残り5センチ程で一度止めます。最後に引き手に手を掛けて閉め切ります

    • 勢いよく開け閉めをする 勢いよく開け閉めをする

      ふすまを一気に開け閉めするのは不作法とされています。一呼吸置きながらそっと開け閉めをする、という心遣いが大切なのです

    座布団への上がり方、降り方

    上がり方

    • 座布団の下座に正座をし、会釈をします

      座布団の下座側に正座をし、会釈をします

    • 手をついて体をねじり、膝を座布団の上にのせます

      手をついて体をねじり、膝を座布団の上にのせます

    • 手で体を支えながら、膝行で座布団に上がります

      手で体を支えながら、膝行で座布団に上がります

    • 座布団の中央に腰を下ろして正座をします

      座布団の中央に腰を下ろして正座をします

    降り方

    • 上座側の手を後ろについて、体をずらします

      上座側の手を後ろについて、体をずらします

    • 膝行をしながら徐々に座布団から降ります

      膝行をしながら徐々に座布団から降ります

    • 両足が座布団から出たら、かかとで体を支えます

      両足が座布団から出たら、かかとで体を支えます

    • 体の横に手をつき、正面になおります

      体の横に手をつき、正面になおります

    手拭の作法

    Manners

    なじみのあるおしぼりですが、「手を拭く」以外に使用してはいけない、 というきちんとしたルールがあるのです。では口を拭きたいときはどうしたらよいのか、 そんなときに使える万能アイテム「懐紙」についてもお教えします。

    おしぼりの使い方

    • おしぼりの使い方

      おしぼりは右手で取り上げ左手に持ち替えます。丁寧に開いて両手を拭いたら、拭いた部分を内側にしてたたみ、元の位置に戻します

    • 顔や体を
      拭く
      顔や体を拭く

      本来おしぼりは手を拭くものであって、顔や体など他の部位を拭くのはマナー違反とされます。もちろん、食事中に口を拭くのもタブーです

    • テーブルを
      拭く
      テーブルを拭く

      テーブルの汚れや飲み物の水滴もおしぼりで拭いてしまいがちですが、こちらもタブーです。おしぼりはあくまでおしぼり。台布巾ではありません

    懐紙の使い方

    • 受け皿代わりに添える

      受け皿の代わりに添える

      あまり馴染みのない懐紙(かいし)ですが、実は様々な用途で使える優れものです。汁気の多い料理を口に運ぶ際、下に添えて受け皿の代わりになります

    • 口元や箸先の汚れを拭う

      口元や箸先の汚れを拭う

      口元や箸先についた汚れを拭くときにも懐紙を使います。また、グラスについた口紅も、まずは指で口紅の跡を拭い、その指先を懐紙で拭きます

    • 小骨を出す際に口元を隠す

      小骨を出す際に口元を隠す

      魚の小骨や果物の種を口から出す時に懐紙で口元を隠します。その他にも食べ残しを隠すなど、用途はいろいろあります

    箸の作法

    Manners

    和食の作法は「箸使いに尽きる」と言われています。 そのため、使い方によっては相手に不快感を与えてしまうことも。 会食相手に気持ちよく過ごしてもらうためにも、正しい箸の使い方をマスターしましょう。  

    箸の取り上げ方

    • まずは、右手で箸の中ほどを持ちます

      まずは、右手で箸の中ほどを持ちます

    • 左手で下から支え、右手は横に滑らせ箸の下へ

      左手で下から支え、右手は横に滑らせ箸の下へ

    • 右手を返して、箸の1/3あたりを指先で持ちます

      右手を返して、箸の1/3あたりを指先で持ちます

    • 左手をはずしたら、正しく箸を持ちます

      左手をはずしたら、正しく箸を持ちます

    椀を持った際の箸の取り上げ方

    • 椀を両手で取り上げ、左手にのせます

      椀を両手で取り上げ、左手にのせます

    • 右手で箸を取り上げ、左手の指で挟みます

      右手で箸を取り上げ、左手の指で挟みます

    • 右手を返して正しく持ったら、左手を離します

      右手を返して正しく持ち、左手を離します

    箸のタブー

    • 返し箸 返し箸

      箸をひっくり返して持ち手の方で料理を取ること

    • 刺し箸 刺し箸

      料理に箸を突き刺して食べること

    • 寄せ箸 寄せ箸

      箸を使って器を自分の方へ寄せること

    • 迷い箸 迷い箸

      どの料理を食べようか、皿の上で迷うこと

    • 移し箸 移し箸

      火葬場で骨を拾うように同じ料理を箸で持つこと

    • 探り箸 探り箸

      器の中で食べたいものを探るように混ぜること

    • 渡し箸 渡し箸

      箸置きの代わりに、小皿や小鉢の上に箸を置くこと

    • 握り箸 握り箸

      箸を正しく持たずに握りしめて持つこと

    • 移り箸 移り箸

      汁や飯を挟まず、料理を食べ続けること

    • 涙箸 涙箸

      料理の汁を垂らしながら口へ運ぶこと

    • ねぶり箸 ねぶり箸

      箸先を口に入れてなめること

    • もぎ箸 もぎ箸

      箸についた米粒などの食べ物を口でもぎ取ること

    「会席料理」の食べ方の作法

    Manners

    ここでは会席料理の食べ方について学びます。まず、会席料理は出された順に箸をつけます。 食べ切らないうちに次の料理が出されても気にせず、運ばれてきた料理に一度箸をつけてから、 残っている料理をゆっくりと頂きましょう。

    「会席料理」の食べ順とルール

    • 先付け

      先付け

      前菜のこと。平皿は置いたまま、椀や小鉢は持ち上げて頂きます。串ものは箸で押さえながら串を引き抜き、抜いた串は皿の向こう側へ置きます

    • 吸い物

      吸い物

      すまし汁や季節によっては土瓶蒸しが供されます。蓋つきの椀は目上の人が蓋を取ってから自分の蓋を取り、食べ終わったら蓋を元通りにかぶせます

    • 向付け

      向付け

      お造りのこと。手前に淡白な白身の魚、中ほどに貝、奥に脂身のある魚が盛り付けられています。盛り付けは崩さないように左手前、右手前、中央、奥の順に頂きます

    • 焼き物

      焼き物

      会席コースの中心となるのが切り身や尾頭付きの魚、海老や帆立などの焼き物です。殻付きの海老や尾頭付きの魚、貝料理などは手を使って食べても構いません

    • 煮物

      煮物

      煮物は蓋つきの煮物茶碗で出されるのが一般的です。小ぶりの器なら手で持ち、大きめの器なら膳に置いたまま、懐紙か蓋で煮汁を受けながら頂きます

    • 揚げ物

      揚げ物

      天ぷらのこと。天つゆに薬味を入れ、盛り付けを崩さないように手前のものから頂きます。つゆがたれないように、天つゆの器を手に持って口に運ぶとよいでしょう

    • 蒸し物・酢の物

      蒸し物・酢の物

      蒸し物で多く出される茶碗蒸し。蓋を開ける際は内側で水気を切り、食べるときは手前からすくいます。酢の物は汁気が多いので器を持って頂きます

    • ごはん、香の物、止め椀

      ごはん、止め椀、香の物

      止め椀とは汁物のことで、香の物は漬物のこと。これらが出されたらコースの締めくくりなので、お酒は切り上げ、温かいうちに頂きましょう

    • 水菓子・甘味

      水菓子・甘味

      最後にデザートが供されます。あらかじめ切り目が入っている果物は右側から頂きます。抹茶と和菓子の場合は抹茶を飲む前に和菓子を頂きましょう

    蓋つきの椀の扱い方

    • 左手を椀の縁に添えて、右手で蓋をつまみ静かに持ち上げます

      左手を椀の縁に添えて、右手で蓋をつまみ静かに持ち上げます

    • 蓋の内側についた水滴は器の中に落としてから開けましょう

      蓋の内側についた水滴は器の中に落としてから開けましょう

    • 左手を添えて蓋を裏返し、器が右側にあれば右に、左側にあれば左に置きます

      左手を添えて蓋を裏返し、器が右側にあれば右に、左側にあれば左に置きます

    焼き魚の食べ方

    • 頭側(左)から箸をつけて、尾に向かって上身から食べていきます

      頭側(左)から箸をつけて、尾に向かって上身から食べていきます

    • 上身を食べ終えたら左手で魚の頭を押さえ、骨と身の間に箸を入れて骨を外します

      上身を食べ終えたら左手で魚の頭を押さえ、骨と身の間に箸を入れて骨を外します

    • 外した骨は皿の向こう側へ置き、下身を頂きます。切り身も同様に左から食べます

      外した骨は皿の向こう側へ置き、下身を頂きます。切り身も同様に左から食べます

    ここで差がつく和食のマナー

    世界遺産にも選ばれた「和食」という文化。 その作法は、我々日本人ですらできていないことが多いのです。 にわか知識だけでなく、大人になったいま再び学び直し、美しい作法を身につけましょう。

  • ワンランクUPマナー

    割り箸は上下に割る

    割り箸は上下に割る

    割り箸を左右に割ると、隣の人にひじが当たってしまう恐れがあります。割り箸は垂直ではなく水平に持ち、膝上で上下に割りましょう

  • 実はマナー違反

    手皿を添える

    手皿を添える

    左手を皿の代わりにして頂く“手皿”。昭和の時代に女優さんが始めたことで、一見上品に見えますが、これはマナー違反なのです

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