至福の逸品~dish stories~ vol.24

風味で味わう秋の味覚『鱧と松茸の小鍋仕立て』銀座 和久多 (東京・銀座)

「香り松茸、味しめじ」といわれる松茸。人工栽培ができないことから、希少な高級食材とされている。9月になると、マツタケオールと呼ばれる成分に起因する独特の香りが漂い、秋を感じさせてくれる季節の風物詩だ。そんな松茸は芳香やシャキシャキとした食感、合わせる食材とのハーモニーを楽しむのが醍醐味。松茸の芳香が、料亭の卓上を賑わせる。

銀座 和久多 の店舗情報を見る

撮影/Matt Manmoto

秋を代表する味覚。日本の誇る高級食材「松茸」

季節の訪れを感じさせる秋の風物詩、松茸。9月から11月頃にかけて、多くの和食処や料亭で「松茸の土瓶蒸し」をはじめとする料理が登場し、食卓を賑わせてくれる。松茸はキシメジ科のきのこで、アカマツの根元に自生している。椎茸やしめじほか、他のきのこのように人工栽培ができないことから、希少な高級食材だとされている。市販されている松茸はかさが閉じている「つぼみ状態」であることが殆ど。実はかさが開いた方が香りがよいそうだが、香りが飛ぶのも早いため、一般的にはつぼみが出回っているのだという。きのこは食物繊維やビタミンB群、ビタミンD、ナイアシンなどが多く含まれた低カロリー食材。さらにカリウムを含むミネラルが豊富に含まれているので、塩分の過剰摂取が防げるなど、ダイエットのみならず、身体にも優しい食材だといえる。

秋を告げる代表的な食材の一つである松茸。和久多では、主に長野・北海道・岩手・宮城から仕入れている。10月が最もおいしい季節。早採れはつぼみを、10月のシーズンには、かさのひらいたものを味わうという。

独特な香り、食感を五感で楽しむ松茸料理

旨みや香り、そして何より独特の歯応えを楽しむのが身上の松茸。「網焼き」や「土瓶蒸し」などの香りを堪能する料理、「茶碗蒸し」や「炊き込みご飯」などの食感・旨みを味わう料理と、合わせる食材や調理法によって、異なる風味や味わいを楽しめるのが醍醐味だ。そうした変化にとんだ松茸づくしを楽しめるのが、今年で10年を迎える東京・銀座にある会席料理の【銀座 和久多】だ。東京や京都で修業を積んだ店主の亀山氏が得意とするのは出汁もの料理。お客様に何を食べさせたいか、またお客様が何を食べたいかを大切に、季節の食材を使用し、その持ち味を最大限に引き出した「澄んだ味」の料理をつくるよう、心がけている。「松茸はまず最初に香りを楽しみ、続いてシャキシャキとした食感を楽しむもの」と亀山氏。素材の顔が見える料理とスッキリした旨みを追求すべく生まれた、秋ならではの定番料理が『松茸と鱧の小鍋仕立て』だ。

大阪・京都・東京で修業を積んだ店主の亀山さん。お客様が何を求めているかを常に考え、スッキリした旨みを追求した季節の料理を提供している。

芳香な風味と繊細な味わい『鱧と松茸の小鍋仕立て』

鱧は夏が旬の食材だが、松茸の旬が終わりを迎える頃までは手に入るため、ここでは相性のよい松茸と鱧とを合わせた小鍋にしているのだという。関西の高級料亭では、「名残の鱧と出始めの松茸」が揃った時期ならではの料理として登場する逸品だ。 鍋のスープは、鱧の骨と昆布でとった出汁に酒と薄口しょうゆを加えてつくる。そこに松茸、湯引きした鱧、豆腐、湯葉、水菜を加え、ひと煮立ちする頃には、立ちのぼる松茸の香りに胃が刺激され、食欲が湧いてくる。素材の良さを最大限に生かすため、あまり時間をかけずに仕上げるのがポイントだ。澄んだスープの小鍋は、上品な味わいと鰹や松茸の風味が秀逸な逸品。鱧や湯葉、松茸にしみ込んだ出汁の旨みが、繊細な素材の持ち味を引き出している。銀座の一等地で今年10年目を迎える会席料理【銀座 和久多】がおくる松茸づくし。五感を研ぎ澄ませて、秋の味覚を存分に堪能したい。

松茸と相性のよい鱧を合わせた、上品な小鍋仕立て。鱧の骨と昆布でとった出汁が松茸の風味をより引き立たせている。

常連客が勧める逸品 ~松茸文化揚げ~

常連客が勧める逸品 ~松茸文化揚げ~

松茸文化揚げ 酢橘添え
    ~13,650円のコースより~

蒸したエビイモと松茸をコロッケのように仕立てた一品。エビイモのホクホクした食感と、松茸の香りが秋を感じさせる。素材の旨みが引き出された、秋ならではの味覚は、塩と酢橘でシンプルに、素材本来の旨みを味わうのが身上。

[銀座 和久多]の料理メニューを見る

人気の一品 ~松茸の土鍋ご飯~

人気の一品 ~松茸の土鍋ご飯~

季節の土鍋御飯
    ~13,650円のコースより~

旬の最もおいしい食材で炊き上げる、季節の土鍋御飯。秋に登場するのが『松茸の土鍋御飯』。鰹の出汁に薄口しょうゆと日本酒を加え、松茸、ぎんなんとともに炊き上げた土鍋ご飯は、蓋をあけた途端に香り立つ、松茸の風味が秋を感じさせる。

[銀座 和久多]のドリンクメニューを見る

このページで紹介したお店

銀座 和久多

銀座 和久多 【東京・銀座】

【営業時間】
【平日・土】 ランチ 11:30~14:30 (L.O.13:30)
 
【平日・土】 ディナー 18:00~22:30(L.O.20:30)
【定休日】
日・祝
【TEL】
03-6215-8018

詳しく見る

編集後記

銀座の閑静な裏路地に佇む、日本料理【和久多】。こぢんまりとした空間は、カウンター席の方が厨房よりも低くなっている。料理を食べにくる際、お客様が緊張することなく来られるようにと、気さくな雰囲気づくりを心がけるご主人亀山さんの思いやこだわりが随所に表れている。「四季の移り変わりを食を通じて感じてもらえたら」と語る亀山さんの言葉通り、料理はどれも季節感を感じるものばかり。『鱧と松茸の小鍋仕立て』や、エビイモと松茸でつくる『コロッケ』など、香りから食感までを存分に堪能できる松茸料理が豊富にそろっているので、旬の時期には、ぜひとも、この「松茸づくし」を堪能してみたい。

銀座 和久多

▲風味で味わう秋の味覚「鱧と松茸の小鍋仕立て」~銀座 和久多~ ページトップへ

記事一覧

Vol.32
江戸の庶民に愛された夏の活力源『どじょう』 ~どぜう飯田屋~
Vol.31
春の風物詩、光輝く白魚『しらす』 ~ピッコロ ヴァーゾ~
Vol.30
春先に旬の頂を迎え、滋味に富んだ『蛤(はまぐり)』 ~貝料理はまぐり~
Vol.29
ダイナミックな冬の美味を新鮮な刺身で堪能『タラバガニ』~赤坂きた福~
Vol.28
新年の幕開けにふさわしい、ごちそう料理「すき焼き」 ~江知勝~
Vol.27
冬本番。甘さと濃厚な旨みを味わう「牡蠣」 ~ペスカデリア銀座店~
Vol.26
江戸の秋を告げる、日本の伝統食「蕎麦」 ~神田まつや~
Vol.25
秋鮭の旨みを存分に堪能「はらこ飯」 ~つみき 神楽坂~
Vol.24
風味で味わう秋の味覚「鱧と松茸の小鍋仕立て」~銀座 和久多~
Vol.23
元気に夏を乗り切るための「フィッシュカレー」 ~bills 七里ヶ浜店~
Vol.22
夏バテを防ぐ、琉球に伝わる伝統料理「ゴーヤチャンプル」~琉球料理 みやらび~
Vol.21
希少な極上ラムを豪快に味わう夏「彩り野菜のジンギスカン」~えびすジンギスカン 海月~
Vol.20
活穴子を小粋に味わう 江戸の夏「穴子の小鍋」~穴子料理 ます味~
Vol.19
マンゴーでトロピカル気分を堪能「南国フルーツのタルト」~キル フェ ボン グランメゾン銀座~
Vol.18
自然の甘さと深い味わいに感動「フルーツトマトの冷製カッペリーニ」~リストランテ ホンダ~
Vol.17
深蒸し茶と胡麻だれの、香ばしき風味「鯛茶漬け」~銀座 あさみ~
Vol.16
山海の美味 華やかなる饗宴「鰹のたたき 初夏の彩り」~かさね~
Vol.15
鮮やかなる薬膳中華「たけのこと彩り野菜の炒め」~銀座小はれ日より~
Vol.14
春だけのおいしさ「ホワイトアスパラガスのクリーム和え」~ツム・アインホルン~
Vol.13
由比の春風を感じる「桜えびのかき揚げ天ぷらそば」~そばと小皿料理 若松~
Vol.12
春を味わい尽くす「鰆のポワレ ふきのとうのソース」~フレンチレストラン ル ピラート~
Vol.11
本場どぶ汁仕立ての濃厚「あんこう鍋」~神田あじぐらなまこ屋~
Vol.10
旨味たっぷり、美容鍋「タッカンマリ」~韓国家庭料理 仁寺洞~
Vol.09
出汁香る、極上卵の親子丼~赤坂 ざんまい~
Vol.08
冬のごちそうジビエ「鹿肉のロースト」~Bistro×Ristorante A-cube~
Vol.06
冬に美味しい煮込みハンバーグ~洋食 プクプク亭~
Vol.05
冬の新定番・薬膳火鍋~老麻火鍋房 渋谷 円山町店~
Vol.04
紅葉鯛の土鍋ご飯~旬菜おぐら家~
Vol.03
パンがくれる、とっておきの幸福感~カフェボスケ~
Vol.02
カラダにおいしいハーブティー~“自分に効く”ハーブティーの選び方~
Vol.01
心を満たす、焼肉 「焼肉もとやま」

Back to Top