



新鮮な素材に、どこまで熱を入れるか。
焼鳥において職人の腕が最も光る瞬間は、火入れにある。
それが味の決め手となり、デートの行方を左右するかもしれない。
絶妙な火入れでゲストを魅了し続けている名店から、新たな風吹く新店まで、幅広くピックアップ。
ほの暗く落ち着いたカウンター席。そこに肩を並べる二人の距離を縮める、焼鳥デートにオススメしたいお店をご紹介します。この微熱は、きっと焼鳥のせい。
大切な商談や会食は、冷めていても熱くなりすぎてもいけません。絶妙な火入れが欠かせない場にぴったりの焼鳥を、接待の選択肢に入れてみてはいかがでしょう。
安さよりおいしさを重視できる、大人になったわたしたち。おいしいものは、会話に花を咲かせてくれます。大切な友人と熱の通った会話をするのに最適なお店をピックアップ。
名店【とり澤】で焼鳥の奥深さに魅せられた中村祥啓氏が、新たにオープンした【焼鳥なかむら】。【とり澤】仕込みの自由な発想のアプローチを独自に進化させたオリジナリティあふれる焼鳥コースは必食です。20種類以上から選び抜き、紀州備長炭で焼き上げた鶏は、プリっとした食感とジューシーさが魅力。肉の切り方、串の打ち方、焼き方と、常に新しい手法を探求した焼鳥と、工夫を凝らした料理は食体験として楽しめます。
赤坂へ移転し、以前より広くなった店内には炉窯が2つ設えられ、野菜や肉など焼き方の異なる食材も同時進行が可能になったそう。「窯が2つになったことで火の調整がしやすくなり、焼きの精度も上がりました」と大将の疋田さん。高原比内地鶏のもも肉からはじまるコースは前店からあまり変えておらず、新たに高坂鶏の白レバーと胸肉を用いたとりわさなどのメニューが登場します。
パリで日本の食文化「YAKITORI」を広めた一人と称される猪股義人氏が1994年に創業した焼鳥の名店。素材は、身がしっかりとしながらも柔らかく、味のバランスが絶妙な福島県産の「伊達鶏」を使用。一羽丸ごと取り寄せているので、新鮮で希少部位まで丸ごと味わえます。カウンター越しに焼き立ての串を手渡しで供されるスタイルも魅力のひとつ。職人の技が集結した一串を求めて、行列が絶えない焼鳥店です。
格式あるフランス料理店で研鑽を積んできたシェフがつくる焼鳥を、その味をさらに広げるソースとともにいただく新しい食体験が楽しめるお店。 比内地鶏、奥久慈軍鶏、フランス黒鶏など、料理に合わせて素材を厳選し、シェフ自ら選ぶワインは約400本と豊富に取り揃えています。 桜の一枚板のカウンターをはじめ、木を基調とした店内では肩肘張らずに過ごすことができます。
焼鳥の名店【鳥しき】で修業を積んだ小美野正良さんが押上で独立をして4年半。わずか2年半でミシュランの星を獲得しました。そして、2021年3月、同じくミシュラン店【小十】で修業をしていた荒巻将司さんとコンビを組んで、焼鳥店の新たなスタイルに挑戦を始めたのがここ【おみ乃 神谷町】。しっとりとした雰囲気のなか、焼鳥と日本料理両方を楽しめるとあってデートにもおすすめです。
「焼鳥の真髄は鮮度に在り」を謳う【焼鳥 ひら野】では近火強火の伝統焼鳥と、澄んだ日本料理の粋な融合を堪能できます。使用する鶏は、あえてブランドにはこだわらず、鮮度を重視した仕入れを実現できる「甲斐信玄鳥」。焼鳥をよりおいしく楽しむことを目的にしたワインペアリングも可能で、焼鳥とワインの両方があったから感じられる満足感を提供している。
人気店で15年間経験を積んだ焼鳥職人の中村さんが2022年7月にオープンさせた焼鳥店。コースでは、力強い旨み、豊かな風味、歯ごたえの三拍子がそろった長野県のオリジナル地鶏「信州黄金シャモ」を中心に、厳選した旬食材に工夫を凝らした和創作料理が楽しめます。店内は広々としたL字型カウンターのほか座敷の個室もあり、さまざまなシーンにマッチします。
親しんだ焼鳥が奇をてらう事なく、ただただ旨い。いっけん普通に見えて、実はとても幸せな串に出会えるのが【神楽坂 鳥伸】。焼鳥の道一筋の店主・割鞘さんが、毎日新鮮な朝ジメ鶏を丹念に手打ちし、紀州備長炭で素材の持ち味を頂点に導く技で焼き上げ、串一本が料理一皿のように奥深く、焼鳥の真髄にひたれます。名物の『クレソンのサラダ』『鶏そぼろ丼』など串以外のメニューも充実し、種類豊富なお酒も魅惑のラインナップ。
創業は昭和24年。その頃の焼鳥といえば豚モツが一般的でした。以来、実直に鮮度にこだわるもつ焼きを提供し続け、今や東京を代表するもつ焼きの老舗に。現在は三代目が店を仕切り、昔ながらのもつ焼きを守りつつ新たなメニュー開発にも意欲的。シロやガツ、こめかみ、脳みそなど、珍しい串焼が豊富に揃う理由は、毎日、豚を丸ごと25頭ほど仕入れるから。中でも上タンは小気味良い食感とタン本来の旨みが楽しめる逸品です。
目黒の【鳥しき】が、姉妹店として立ち上げたのがこの【やきとり阿部】。正統派の焼き鳥店を貫く本家に対し、ここでは「焼き鳥×ワイン」をコンセプトに、異なったアプローチで鶏肉の魅力を楽しませてくれます。福島県相馬の契約農場から仕入れる伊達鶏は、頭だけが落とされた状態で毎日届き、部位ごとに丁寧に捌いては串打ち。紀州備長炭で焼き上げ、【鳥しき】より受け継いだタレを使うなど、名店の味をそのままに楽しめます。
「鮨や天ぷらと同様、焼鳥も江戸時代から続く食文化。本物の焼鳥を世界に広めたい」とグローバルな視点をもつ【鳥しき】池川氏は、焼鳥という食文化の底上げを担う第一人者。なかでもおいしさのカギとなる“火入れの極意”とは、強火に串を近づけて肉の表面を素早く焼くことで旨みを逃がさない“近火の強火”だそう。焼き場を囲むカウンター席からは、食欲をそそる炭の香りと、団扇で風を送って炭火を操る池川氏の姿も楽しめます。
外苑前の路地裏にひっそりと佇む【焼鳥 今井】。名店仕込みの焼鳥が食通の支持を集め、瞬く間に予約でいっぱいの人気店となりました。屋号に掲げる“焼鳥”というジャンルさえ飛び越え、ただひたすらにおいしさを追求。たとえば前菜に登場するレバーパテ、あるいは自然農法にこだわる野菜、こだわりの地鶏やフランス産の鳩。多彩な食材がコース料理に変化を加え、主役の焼鳥自体をいっそう引き立てるのです。
銀座にある焼鳥の名店【バードランド】で8年の修業を積んだ千野桂一氏が独立した【阿佐ヶ谷バードランド】。鶏肉にはその引き締まった肉質と優れた味わいで定評のある奥久慈しゃもを使用。毎日、丸鶏で仕入れ、肉の繊維を壊さず包丁を入れることで、素材の旨みを最大限に引き出せるよう備長炭で焼き上げます。数量限定のソリやペタなどの希少部位が味わえるのも、鶏肉を丸鶏で仕入れるこの店ならではのメニュー。
こだわり抜いた焼鳥と厳選したワインの調和。そんなテーマを掲げて乃木坂に誕生した【鳥幸】は、開店5年にして日本、海外を問わず多くのファンの支持を集めてきました。上質な素材、焼き上がりを想定した串打ちや、均一に火を通す焼きの技術、そして一流ソムリエが選りすぐるワイン。すべてに一切妥協のないスタイルが、現在の人気の礎となっています。
愛情を持って育てられた銘柄「伊達鶏雌」をはじめ、生命力溢れるみずみずしい野菜など、生産者のたゆまぬ努力の結晶に感謝しながらその日一番おいしい素材を仕入れて提供。ミシュラン星付き日本料理店で修業を重ねた料理長の加藤さんが最高峰の「伊達鶏雌」と出逢ったことが【焼鳥 月や】で焼鳥を極めるに至った大きな理由。
全国の有名地鶏を訪ね歩いて辿り着いた、究極の境地。それが秋田県産「比内地鶏」だと同店は謳います。そんな地鶏の旨みを最大限味わえるのはやはり焼鳥。それら各種を1本から注文できるのも嬉しいポイントです。串のほか、もも肉の塩焼きや、秋田ならではのきりたんぽ鍋、しゃぶしゃぶまで、今井屋自慢の「比内地鶏」づくしを味わって。
こだわりのブランド地鶏と旬の産直野菜を紀州備長炭で香ばしく焼き上げてくれる【恵比寿 とりひろ】。メニューは完全予約制の『おまかせコース』1本のみです。熟成機で熟成させた鶏肉と、その日締めて大将自ら捌いた鮮度抜群の鶏肉がコース内で適材適所使い分けられています。高級感漂う和の店内には一枚板のカウンター席と6名用の個室を完備。接待や特別な日のデートなど、さまざまなニーズに応えてくれます。
職人が一本一本焼き上げる、本格焼鳥が堪能できる【田町 鳥心】。希少部位を含む約30種の串を用意し、一串一串部位によって味付けを変えて備長炭で焼き上げます。臨場感のあるカウンター席では職人の手さばきを間近で見ることもできます。アラカルトのほか【鳥心】自慢の串の数々をバランスよく楽しめるコースも用意。
日本で食べられる鶏のうち約1%しかないと言われる「地鶏」ならではの、濃厚かつ上質な脂の甘みと旨みを、 熟練の職人の手による焼鳥というスタイルで味わえる同店。素材の味を堪能しながら、多彩な品種から少しずつ選べるプレミアムワインと組み合わせることでリッチな時間を愉しむことができます。全く新しいコンセプトである食の生販直結モデルを 追求してきた「つかだ」だからできた、焼鳥の新しい楽しみ方です。
東京・六本木駅から徒歩2分にある【中華創作焼鳥 鈴音】。中華料理に携わってきた料理人が焼鳥屋をオープンさせました。中華×焼鳥をコンセプトに、焼鳥はもちろんのこと中華料理、そしてその2つが融合された逸品を提供しています。絶妙な味わいと、豊富な酒類も自慢。普段使いから特別な日まで、いろんなシーンに役立つお店です。