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  4. 【オルガン】紺野真氏が語る自然派ワインとの付き合い方

【オルガン】

紺野 真
が語る

自然派ワインとの
付き合い方

現在のブームとも言える状況に大きく先駆け、自然派ワインを扱ってきた紺野真さん。
【ウグイス】【オルガン】という自然派ワインの象徴とも言えるお店を営んできた彼に、
自然派ワインとの付き合い方を伺いました。
軽やかで、優しい味わいが自然派ワインの魅力
 自然派ワインとは、有機的に栽培したブドウを、自然な製法で仕上げたワインのことです。ただし正式な定義はないため、何をもって“自然派ワイン”とするのかは、実は難しいところ。例えば、ブドウを育てる段階では、農薬を使わない有機栽培だとしても、その後の醸造過程で科学的な物質を添付しているようなワインも、なかにはあります。“有機”などの認証マークがついているから“いい”ということはなく、認証がなくてもナチュラルに作られている素晴らしい自然派ワインはたくさんあるんです。

 それを前提に、個人的な定義を言うと、自然派ワインとは、天然酵母を使い、フィルターの仕様を避け、酸化防止剤をできる限り少なくしたワイン。酸化防止剤を完全に使用しないものもあります。それぞれに個性があり、どちらが優れているということはありません。

 健康志向の安全なワインとして飲むのもいいと思いますし、流行だからと試してみるのも悪いことではないと思います。個人的なことを言えば、僕がハマっていった理由は単に味だったんです。軽やかで、じんわりと旨味が染み込んでいくような、優しい味わいが自然派ワインの特徴です。
軽やかで、優しい味わいが自然派ワインの魅力
つくり手の“哲学”を応援する気持ちでワインを楽しむ
 自然派ワインは、独特なつくり方をする生産者が多いため、「このワインはピノ・ノワールで…」という品種に関する一般的な知識だけを持っていてもあまり意味がありません。ナチュラルにつくっているからこそ、年ごとに味が変わったり、瓶ごとに個体差があったりもします。そのようにオンリーワンである魅力が、自然派ワインにはあります。

 もう一つの楽しみ方ですが、生産者の背景を知ると、さらに面白くなると思います。自然派ワインの生産者はみんな“マス”に対して戦っているんです。大資本やマニュアルと言い換えてもいいのですが、多くを持たない者たちが知恵を絞ってワインをつくっています。毎年、同じ味のボトルが大量に出荷される“ブランド品”とは違い、多くの自然派ワインには生産者の哲学が投影されています。なので、インディペンデントな音楽を楽しむのと同じような感覚で、ワインにも向き合えます。彼らの想いを応援する気持ちで、ワインをいただくのも楽しいですよ。

 そういった自然派ワインですので、ワインに対して愛情を持ち、様々な背景に対する知識を持つお店で楽しむのがオススメです。個々のワイナリーで見た場合、個人的には、【ピカラート】や【ドメーヌ・ド・ペイラ】が置いてあると、「お、このお店は信頼できるな」と思います。

紺野 真さんのオススメの自然派ワイン5選

Sweet beginning of a better end/Jean Marc Brignot et Anders Frederik Steen

Sweet beginning of a better end/Jean Marc Brignot et Anders Frederik Steen

ジャン・マルク氏はフランスから佐渡島へ移住し、佐渡初の自然派ワイン作りに挑戦中です。彼は信念として科学的な物質は絶対に使わず、ブドウを種から育てるところから初めているため、まだ完成はしていません。このワインは、信頼できる農家からブドウを買い取り、友人の醸造所を借りて昨秋にフランスで作ったもの。滲みでる旨味と優しい余韻があり、ストレスなく飲むことができます。

NEdjMA/Gilles Azzoni

NEdjMA/Gilles Azzoni

醸造家に「普段どんなワインを飲むの?」と聞くと、よく名前が上がるひとつはジル・アッゾーニ氏のワインです。自然派ワインの鏡のような出来でありながら、お高く留まらず低価格なところも魅力。ここ数年は品質も安定してきて、非常におすすめです。“NEdjMA”とはイスラム語で“星”の意味。フランスで、イスラム系住民との衝突が社会問題となるなか、あえてこの名を付ける姿勢も大好きですね。

BRUYERE sur la ROCHE NOIRE/Philippe jambon

BRUYERE sur la ROCHE NOIRE/Philippe jambon

2010年収穫の赤ワインに、2005年収穫の甘口白ワインを合わせた、とんでもない1本。しかも酸化防止剤は不使用。フィリップ ジャンボン氏の考えによると、満月のたびワインにエネルギーが満たされるのだとか。彼は満月を待ち、完全にエネルギーが満ちたと感じると瓶詰めをします。森のような植物的な香りと、蜜のような風味。そして、ギュッと締め付けられる後味が続く、素晴らしい味わいです。

Les  Cailloux du Paradis/CLAUDE COURTOIS

Les Cailloux du Paradis/CLAUDE COURTOIS

醸造家に多大な影響を与えた自然派ワインのカリスマ、クロード・クルトワ氏のワインです。2006年に収穫したブドウで作ったワインを樽で寝かせ、2014年に初めて瓶詰めされた貴重な1本。2006年は糖度が高く、甘い香りのするブドウだったのですが、寝かせている間に酵母が糖分を食べていて、今飲むと完全にドライ。香りも甘いだけでなく、いろんな薬草を含んだような複雑なものに変わっています。

Yamag/Olivier Cousin

Yamag/Olivier Cousin

オリヴィエ・クザン氏の最後のヴィンテージ。彼は元々、ヨットで世界一周していたような人物。馬で畑を耕し、一切の添加物を否定しました。これがナチュラルでなければ、何がナチュラルなのかというようなワインです。しかし、独特な製法のためフランス政府からはあまり認められませんでした。その抗議として、政府批判の言葉をラベルに記し、膨大な罰金を科せられたこともあります。

自然派ワインのオススメ店3

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